テアトル新宿にて1月10日、16:05立見券で見る。
妹が離婚して子連れで戻ってきたばかりの斉藤家。その実家では、弁当屋を営んでいるのだが、母と妹が弁当作りに精を出しているのに、一子は、仕事もしないで、食べるだけで、怠惰な生活を送っていた。
妹から注意を受けたことから、テーブルをひっくり返すほどの大喧嘩になり、一子は実家を出て100円ショップ「百円生活」で深夜労働を開始。
近所のボクシングジムに通っているボクサー(新井浩文)との出会いと恋もうまくいかないところに、衝動的に始めたボクシングの経験を通じて人生をやり直そうとする姿を活写。
監督は「イン・ザ・ヒーロー」などの武正晴。
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ボクシングに傾倒するヒロイン・一子を、繊細かつ体を張った熱演で見せる安藤サクラが圧巻の演技を見せる。
観客からの質問に答える形で、今回の役作りなどについて語っていた。
「この映画では、(監督に)2回ほど殺されそうになった」と冗談ぽく語っていたが、詳しくは言えないと語った。ボクシングの練習、試合の撮影は過酷を極めたと語っていたが、映画を見ればそれは十分に理解できる。とにかく凄いの一言。
ボクシングのトレーニングでは、3ヶ月間、一日ぶっ通しで練習に励んだという。
体重を増量したり減量したりというのが10日間で出来たのは奇跡だったと振り返った。
この映画は前半と後半で、一子(安藤サクラ)が別人のようになる。
体の肉もたれ気味で、ダラダラした歩き方だったのが、一変してきりっと引き締まり、ボクシングの動きもキビキビと軽快になるのである。
この映画の主題曲「百八円の恋」の歌詞は「イタイ・イタイ・イタイ~」と痛いという言葉が続くが、確かに、ヒロイン・一子にとっては心身ともにイタイ(痛い)映画でもあるが、最後には、希望のようなものがあった。
女性のボクシングでは、「ミリオンダラー・ベイビー」のヒラリー・スワンクが有名だが、あちらは100万ドル。安藤サクラは、100円!(笑)。
ボクシングの試合のために控え室からリングに上がるまでのシーンは長回し(ノーカットのワンシーンが続く)で印象的だった。リングサイドでは、家族も応援に来ていたが、一子のことをけなしてばかりだった妹も、一回くらいパンチを決めろ!と声援を送っていたのが印象的だ。”女・レイジングブル(ロバート・デ・ニーロ)” の誕生だ。
この映画は、安藤サクラのための映画であり、すごい女優であることを印象づけた。
実物は足も細くスラリとしているが、映画でグータラのアラサー女子とは別人のようなところが驚きだ。
予告編で雰囲気を。
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