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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「遠すぎた橋」(原題:A Bridge Too Far、1977):  映画の名セリフ。

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映画「遠すぎた橋」(原題:A Bridge Too Far、1977)を再見した。
約40年前の映画だが、オールスターキャストの映画で、この映画以降、これだけのトップクラスの俳優をずらりと揃えた映画を知らない。
 
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 この映画には、いくつか印象的なセリフが出てくるが、なんといっても、これだろう。
 
「ただ橋が遠すぎただけだ」
(原文:”The Bridge is too far” )
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このセリフは映画の最後に登場する。

映画は「マーケット作戦」について描いているが、その司令官であるフレデリック・ブラウニング中将(ダーク・ボガード)が、作戦が失敗したにも関わらず、現場の指揮官であるロイ・アーカート少将(ソーン・コネリー)に言うセリフだ。

この言葉の前に、中将は、少将に対して「皆によろしく伝えてくれ」というと、少将は「8,000人も亡くなっているんです。眠れません」と答える。これに中将は「(上層部は)90%満足していた」と淡々と語るのだ。「満足していたですって」と聞き返す少将。

 

このあとに続く言葉だった。

そして画面は、大量の負傷兵の姿が映し出される。

一方、オランダでは民間人であるヤン・スパンダー医師(ローレンス・オリビエ)は、目に光るものを見せ、戦火で崩壊して跡形もなくなった家を後にして、手押し車に家財を積んで夕焼けの中に消えていく。見事な反戦映画と言える。

一家が移動する姿は「屋根の上のバイオリン弾き」でユダヤ人でテビエ(トポル)一家が故郷アナテフカを追われていく光景にダブって見えた。

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■映画はマーケット・ガーデン作戦とは・・・。
第二次世界大戦中の1944年9月に行われた連合国軍の作戦。
連合軍がドイツ国内へ進撃する上で大きな障害となるオランダ国内の複数の河川を越えるために、空挺部隊を使用して同時に多くの橋を奪取する作戦のこと。同時にオランダの港湾施設を使用可能状態にして、補給線が伸びきっていた連合軍の兵站問題を解決する上で重要な作戦でもあった。 
 
連合軍は途中のナイメーヘンのライン橋の占領までは成功した、空挺降下計画の稚拙さと強引さ、補給の途絶など悪条件が重なり、損害が予想以上に拡大した。作戦の最終到達点であったアーネム(アルンヘム)の最後の橋は、イギリス軍の第1空挺師団が壊滅するなどしたために確保できず、作戦は失敗に終わったのだった。 
 
ノルマンディー戦以後、負け無しの進軍を続けていた連合軍は、このつまずきによって進軍速度を大幅に落とすことになった。
 
兵站(へいたん)問題(=後方支援・補給活動)を強引に解決するための性急な作戦だった上に、空挺降下地点であるアルンヘム周辺に、ドイツ軍の有力な実戦部隊である第9SS装甲師団第1降下猟兵などが一時駐留していたという不運も重なった。
 
対するドイツ軍も連合軍の空挺降下を予想してはいたが、初期の混乱などから万全に対処できたとは言い難く、連合軍の不手際に助けられて辛うじて撃退できた。本作戦で連合軍は最終目標こそ達成できなかったが、スヘルデ川北岸地域に至る重要なルートを確保し、スヘルデの戦いの成功に繋がった。
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落下傘部隊の映像は、まるで空中にきのこでも生えたような映像で迫力があった。
■簡単なストーリー:
第二次世界大戦、ノルマンディー上陸作戦から3ヵ月後。
連合国軍内では、アメリカのパットン将軍とイギリスのモントゴメリー元帥の戦功争いが露骨なまでに激しくなっていた。そんな中、モントゴメリーは迅速なるドイツ進撃を謳った「マーケット・ガーデン作戦」を立案する。空挺師団と機甲師団を合わせたこの大計画は成功の可能性が低いとされながらも、イギリスに配慮した連合軍最高司令官アイゼンハワーは作戦を承諾する…。
 
■出演陣の豪華さ:
 
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          マイケル・ケインエドワード・フォックス、ダーク・ボガード
 

主な出演者は、ショーン・コネリーロバート・レッドフォードダーク・ボガードライアン・オニール、ローレンス・オリビエ、ジーン・ハックマンマイケル・ケインアンソニー・ホプキンス、マクシミリアン・シェル、ジェームズ・カーンエドワード・フォックス、リヴ・ウルマン、ハーでイー・クリューガー、エリオット・グールドアンソニー・ホプキンス、ジェームス・カーンなど。

監督は、リチャード・アッテンボロー

音楽:ジョン・アディソン

上映時間:175分

日本公開:1977年7月2日

 

ドラマ「コンフィデンスマンJP<運勢編>」と「ボクラの時代」。

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映画公開に合わせて、昨日はテレビ・ドラマ「コンフィデンスマンJP<運勢編>が放送された。映画並みに2時間だった。3つのストーリーを並行して描いていたが、最後に回収されていた。広末涼子中山美穂が珍しく悪役だった!
 
映画「コンフィデンスマンJP<ロマンス編>」は、フジテレビ開局60周年記念と銘打っていた。
 
今回のドラマでは、コンフィデンスマン信用詐欺師のダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)は、宇宙に行きたいと切実に願うアプリ開発会社の社長・松崎(船越英一郎)を巧みにだまし、大金をせしめる。
 
だがボクちゃんは「今回はまれにみるひどい作戦だった」とダー子を責め、詐欺師を辞めると言い出す。いつもたまたまついているだけ、とボクちゃんから言われたダー子は、幸運の女神に守られている、と返すが
 
小ネタが随所にあって飽きさせない。
その1:宇宙に行きますというあの社長のパロディ。
その2:黒柳徹子の司会で音楽番組として高視聴率を誇った「ザ・ベストテン」。
その3:映画「ラ・ラ・ランド」の曲に合わせたダー子と五十嵐の踊り。
などなど。
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ダー子長澤まさみ、ボクちゃん東出昌大、リチャード小日向文世の3人のコンフィデンスマン(信用詐欺師)のターゲットは投資家の阿久津晃北村一輝)。この秋津という人物、投資家とは名ばかりの悪質な闇金業者だった。
 
果たしてダー子、ボクちゃん、リチャードは阿久津から大金をだまし取ることができるのか・・・という話だった。
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映画では、ラストに痛快な騙しがあって、爽快な気分になったが、ドラマでは、敵を騙すには味方から…という鉄則で、最後の土壇場までは、どん底状態に陥った。サブタイトルにあるような<運勢>がおみくじ通りになったといったストーリー。
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ところで今朝のテレビの「ボクラの時代」は「コンフィデンスマンJP」の俳優・東出昌大小手伸也、脚本家の古沢良太の3人がゲスト出演していた。
 
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東出昌大23歳で桐島、部活やめるってよ」(2012年)日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞すると連続テレビ小説あまちゃん」「ごちそうさん」への連続出演で広く知られるようになり大河ドラマ「花燃ゆ」やデスノート Light up the NEW worldをはじめ、最近では寝ても覚めてもビブリア古書堂の事件手帖なども好評だった10代から俳優をやっていたら、天狗になっていたと思うと語っていた。
 
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 小手伸也は、舞台俳優で、ドラマの「コンフィデンスマンJP」シリーズで43歳でブレイクした。その後「SUITS/スーツ」に出演。それまではつい最近まで、シフトを組んでアルバイトをしていたというから役者は売れるまでは大変だ。俳優は、お金のことは口にしない、がこれまでだったが、口にすべきだという。その人に対する評価の表れ。
(これは野球選手などにも通じる。)
 
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脚本家の古沢良太は、脚本が書き終わってから、脚本料を言われるので、最初に言って欲しいと語っていた。これは驚きだ。「今回は予算が少ないので・・・」と言われるというのも・・・。若い頃は、ギャラ交渉をしたようだが、ベテラン脚本家がこのくらいなので、と言われたという(笑)。
 
俳優や脚本家になる人に共通しているのは、ネクタイ背広を着て、定時に毎日会社に出社するというのは無理だという人たちということのようだ(笑)。
 
サラリーマンというのも、今から考えると、型にはめられてがんじがらめの会社人間だったなと思うのだ。

映画「コンフィデンスマンJP<ロマンス編>」(2019)

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映画「コンフィデンスマンJP<ロマンス編>」を公開初日(初回)に見た。
昨年4月から放送された人気ドラマの初の映画化。ドラマでは毎回「~編」と一話完結だったが、その延長線にあるような作品で、今回は「ロマンス編」。
 
コンゲーム(騙し合い)がウリの作品。
宣伝文句ではないが、まさかのラストの予想外の展開は呆気にとられた。
 
香港マフィアの女締役に竹内結子
長澤まさみも慕う存在なのか(映画の中だけ?)。
騙される快感を味わえる映画だった。
 
エンドロールの後にも、さらに追加の「一話」があり席を立てない!
映画もさらに続編の予感が。三浦春馬は、恋愛詐欺師を演じているが、その手練手管が絶妙で、若い女性ならイチコロになりそうだ(笑)。
スカッとさせる映画でおすすめ。
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華麗に、大胆に、人を騙し続ける百戦錬磨の信用詐欺師“コンフィデンスマン”、ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)の3人。それに五十嵐(小手伸也。これらのメンバーの関係は、いつ抜けても、裏切ってもいいという関係。どこまでが真実で、本当か嘘かが見分けが付かないところもある。
 
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今回、彼女たちの次なるサカナ(=ターゲット)となるのは、その冷酷さから“氷姫”の異名を持つ香港マフィアの女帝ラン・リウ(竹内結子)。ランが持つと言われる伝説のパープルダイヤ(数百億円とも言われる)を狙って、3人は香港へ。

 
ランに取り入ろうと様々な策を講じるが、なかなかエサに食いつかず、苦戦する。そんな中、天才詐欺師ジェシー三浦春馬)が現れ、同じくランを狙っていることが判明。
 
そして以前、自分を騙したダー子たちに恨みを抱く日本のヤクザ、赤星(江口洋介)の影もちらつき始め、事態は予測不可能な展開に。騙し騙され、三つ巴の戦いを制するのは誰なのかついに、史上最大のコンゲームが幕を開ける・・・。
 
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香港が舞台というだけあって、スケールがアップしている。
相当、香港の関係者の協力を得ているようだ。実際の香港の街とセットを上手く作り上げているのも見どころだ。
 
タイトルが「ロマンス編」となっているのは、女帝ランがテレビで見た「ローマの休日」を13歳の時に見て憧れていたのと、ダー子をめぐるロマンスが描かれるのだが・・・。
 
香港だからというわけか「インファナル・アフェア」を彷彿とさせるシーンもある。
カッコイイ!
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騙したつもりが騙されていた・・・という、まさかの展開に、最後は、騙された1,000万人の仲間入りをしていたfpdだった(笑)。”出来すぎ”というほどのエンディングだった。

 

映画「地上(ここ)より永遠(とわ)に」(1953)再見。

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地上より永遠に」(原題:From Here to Eternity, 1953)を8年ぶりに再見。タイトルは「ここよりとわに」と読む。今回はじっくりと見たので、軍隊の中の群像劇がよくわかった。アカデミー賞で「作品賞」ほか部門を受賞した名作。モノクロ、118分(約2時間)。
 
戦争映画の形をとっているが、戦闘シーンはなく(最後に日本軍の真珠湾攻撃の始まりを描いているが)、軍隊生活の中身を描いて、後の「M★A★S★H」(1970)「キャッチ22」(1971)「フルメタル・ジャケット」(1987)などに影響を与えている。軍隊内の上下関係や理不尽なイジメや無意味な労働をさせるなどの軍内部のシステムを批判する内容となっている。
 
ハワイが舞台で、この映画でモンゴメリー・クリフトなどが着ていたアロハ・シャツが人気となって、アメリカ本土でも着られるようになったという。
 
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第二次大戦直前の1941年夏、ホノルルのスコーフィールド基地。兵営にロバート・E・プルウィット(モンゴメリー・クリフト)という青年が転属してきた。プルウ(プルウィットの仇名)は上官に反目したため一兵卒に落され、転属の憂き目となったのだ。
 
 この新しい部隊の中隊長ダナ・ホルムズ大尉(フィリップ・オーバー)は、ボクシング競技に夢中で、プルウが以前、隊でミドル級のチャンピオンだったことを知って、下士官(士官の下で、曹長・軍曹・伍長など)に昇進を条件に彼にチーム入りをすすめた。
 
だが、プルウはかつてボクシングで戦友を失明させて以来、2度とボクシングはやらないと誓いをたてていた。そのため即座に断った。
 
実質上中隊の支配者であるウォーデン軍曹(バート・ランカスター)は、プルウに反抗はやめろと警告したが、強情なプルウは聞き入れなかった。
 
そのためホルムズ大尉のプルウに対する圧迫は次第に強くなり、彼はしばしば虐待行為を受けた。一等兵のアンジェロ・マギオ(フランク・シナトラ)はひょうきんなイタリア系アメリカ人で、ただ1人プルウの味方になった。
 
ホルムズ大尉の妻カレン(デボラ・カー)は、G・Iの間に噂の的となっている女性で、冷酷で不貞な夫を憎んでいた。そんな中、ウォーデンはホルムズ大尉が不在のカレンの元を訪ね、密会、不倫関係になった
週末の外出に、マギオはプルウをクラブに連れていった。
プルウはその店でアルマ(ドナ・リード)という女と知り合い、恋に落ちた。やがて彼はアルマに結婚を申し込んだが、今の稼業から足を洗い米で更生を夢見るアルマは、彼の申し込みに応じなかった。
 
プルウに対する虐待行為は依然つづけられたが、彼は決して屈せず、ウォーデンも驚くほどであった。真珠湾攻撃直前のある日、マギオが無断外出して酒に酔い、MPに逮捕されて営倉入りとなった。
 
ここでマギオは営倉係の”巨体”ファツォーアーネスト・ボーグナインにひどい虐待を受け、脱走してプルウの許に逃げのびたが、極度の内出血のため絶命した。
 
プルウは心に固く戦友の仇討を誓い、ある夜、町かどでファツォーと決闘した。プルウはついにファツォーを倒したが、自らも重傷を負ってアルマの家に身を隠したのだが・・・
 
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プルウィットを演じるモンゴメリー・クリフトがすばらしい。
ラッパ吹きの名手にして、ボクシングも強い。理不尽な上官の命令やシゴキに耐えながら、従っていたが、ボクシングのリング周りの掃除をしている時に、上官がわざとバケツの汚水を流した時には、堪忍袋の緒が切れて、反発するところは、見所の一つ。しかしそのためにしっぺ返しがある。シャベルで穴を掘らせて、終わったらすぐに穴を埋めろと命じたり理不尽な上官の要求はエスカレート。
 
カレンから「有能(efficient)だと聞いているが。なぜ有能なの?」と聞かれたプルウィットは「生まれつきです」というと「よく言うわ」といった会話も面白い。
 
軍隊組織の中で、ソツがなく要領よく立ち回っているのがウォーデン軍曹(バート・ランカスター)。プルウィットにも「要領よくやれ。中隊長に逆らうな」と釘を刺すのだが。ウォーデン自身は、中隊長や上官には逆らわない。不倫相手のカレンがウォーデンに上官になるよう勧めても、乗り気ではなく、結局、二人の関係は終わる。ウォーデンも、軍人から抜けだせない。
 
アメリカには映画の検閲の「ヘイズコード」が1934年から実施されていた。
1950年当時は不倫を描くことも禁止されていたが、ギリギリの限界で通ったとされる。ヘイズコードは、1968年にMPAA独自のレイティングが設定されたため廃止となった。
 
映画のポスターなどでは、波打ち際でのバート・ランカスターとデボラ・カーのキスシーンが有名で、ラブストーリーの印象があるが、不倫の男女の物語はあるものの、根底は、軍隊の実情は飲んだくれている姿を描き、一方で軍隊の協力を得るために、敵側(日本軍)が攻めて来た時には、女を諦めて、戦うという男の姿も描いている。
 
営倉を担当する巨漢のファツォーアーネスト・ボーグナイン)と一等兵アンジェロ・マギオ(フランク・シナトラとの喧嘩が面白い。ファツォーは、マギオを”猿ヅラ”といえば、マギオは、ファツォーを”巨体”と罵り、険悪な一触即発の状態となるが、ここでうまく間に入り、仲裁するのが、ウォーデン軍曹だ。ファツォーは、マギオ営倉に来たら痛めつけてやると豪語していたが、現実にそうなるのだ。
 
ちなみに「暴力脱獄」(1967)のなかで、ポール・ニューマンが、ボクシングはやらないというとボコボコにされたり、無駄に穴掘りをさせられるシーンは、「地上より永遠に」と同じ。
 
■主な出演者:
ミルトン・ウォーデン曹長バート・ランカスター
ロバート・E・リー・プルーイットモンゴメリー・クリフト
カレン・ホームズ(ダナの妻):デボラ・カー
ロリーン(アルマ)ドナ・リード
アンジェロ・マジオフランク・シナトラ
ダナ・ホームズ中隊長(カレンの夫):フィリップ・オーバー
ファツォー・ジャドソンアーネスト・ボーグナイン
バックリー伍長ジャック・ウォーデン
ガロヴィッチジョン・デニス
 
アカデミー賞受賞
作品賞
撮影賞 (白黒部門)
録音賞
編集賞
 
ノミネート
主演女優賞デボラ・カー
衣裳デザイン賞(白黒部門)
ドラマ・コメディ音楽賞
 
 

映画「007/ユア・アイズ・オンリー」(原題:For Your Eyes Only、1981)。シリーズ12作目。

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007シリーズ第12作目の「007/ユア・アイズ・オンリー」(原題:For Your Eyes Only、1981)を見た(再見)。タイトルの意味は「読後焼却すべし(字幕も)テレビの「スパイ大作戦」で「…なお、このテープは自動的消滅する…」と言うのがあるが、機密文書であることから「君が読んだら他人の眼に触れないように、焼いて捨てよ」と言う意味。

 
3代目ボンドのロジャー・ムーア作品は、「死ぬのは奴らだ」(1973)「黄金銃を持つ男」(1974)「私を愛したスパイ」(1977)「ムーン・レイカー」(1979)と続き5作目。このあと「オクトパシー」(1983)「美しき獲物たち」(1985)まで続いた。
 
出演はロジャー・ムーアトポル、キャロル・ブーケ(ボンド・ガール)リン・ホリー・ジョンソンジュリアン・グローヴァーカサンドラ・ハリス、ジル・ベネット、マイケル・ゴザード、ジョン・ワイマン、ステファン・カリファなど。
 
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ボンド亡き妻、テレサ(1969年没)の墓参りをするところから始まる。
ヘリコプターでロンドンに向かうボンドに、突然パイロットが気を失い、ヘリコプターは遠隔操作される。これを操っていたのは、国際テロ組織スペクターのブロフェルド。白猫の頭をナデナデしているが顔は見せない。
 
ボンドはヘリコプターのリモコン操作ができないようにして自身で操縦し、ビルの屋上にいるブロフェルドに近づかせると、彼の乗っている車椅子をヘリコプターで支え、下の煙突へ彼を落としま
 
ギリシャ・コルフ島沖イオニア海で、イギリスの情報収集船が沈没してしまうという事故が起き、船に積まれていたATAC(超低周発信機)を引き上げる作業を、イギリス海軍情報部は、海軍退役将校で海洋考古学者であるティモシー・ハブロック卿に依頼した。
 
ATACは、原子力潜水艦からのミサイル攻撃を目的地に誘導するトップ・シークレット東側に渡れば、軍事バランスが逆転するのは明らか。しかし、ハブロックの一人娘で、潜水のベテラン、メリナ(キャロル・ブーケ)が、両親に協力しようと訪れた時、水上機でやってきた何者かによってハブロック夫妻が銃撃された。
 
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 惨殺された両親の復讐を決意するメリナ。やがて、この事件解決を命じられたジェームズ・ボンドロジャー・ムーア)が、犯人とみられるパイロット、ゴンザレス(ステファン・カリファ)を調査するためマドリッドヘ飛んだ。
 
しかし、ゴンザレスは、メリナの復讐の矢のもとに絶命し、ボンドは、殺し屋ロック(マイケル・ゴザード)にひきいられた一団に命を狙われる。ゴンザレスもこの一味の一人だったのだ。
 
ロンドンに帰ったボンドは、ロックの身許を調べ、彼が北イタリアのスキー・リゾート、コルチナ・ダンペッツォにいることをつきとめる。
 
現地に向かったボンドは、そこでギリシア人富豪クリスタトス(ジュリアン・グローヴァー)に会い、殺し屋が彼の商売敵であるコロンボの手下だということを知。彼は、美少女ビビ(リン・ホリー・ジョンソン)のパトロンで、次期冬期オリンピックのフィギュア種目で彼女に金メダルを取らせようと特訓させていた。
 
コルチナヘは、メリナも来ていたが、彼女は、ロックの配下の殺し屋たちに命を狙われボンドに救われた。やがて、ボンドとメリナは、コルフ島に行き、そこでボンドは、クリスタトスのビジネス上のライバル、密輸業者のコロンボトポル)に会った。
 
コロンボから、クリスタトスがATACをソ連に売ろうとしていることを聞いたボンドはメリナと共に海底を探作し、ATACを発見。しかし、浮上した二人をクリスタトス一味が襲いATACは奪われてしまった。
 
二人はコロンボの応援を得て、クリスタトスのアジトのあるギリシャのメテオラ山ヘと向かった。敵の攻撃をくぐり、山頂に辿りついたボンドら一行はクリスタトスを倒すが、途中コロンボが傷つく。
 
ATACを取り戻す寸前に、しかしやって来たソ連側との間で再び奪い合いがおこる。ボンドはやっと取り戻し、それを断崖から投げ落とした。それを見て、ソ連側はひきあげてゆくのだった。
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ボンドはコロンボと協力し、クリスタトスのアジトのあるギリシャのメテオラ山ヘと向かそこは急な崖となっており、容易に登れない。敵の攻撃をくぐり、山頂に辿りついたボンドら一行はクリスタトスを倒す
 
そこへゴゴール将軍がヘリコプターで到着装置を渡すよう要求してくるが、ボンドは装置を崖から落とし、破壊してしまう。そして将軍に対し、デタントという言葉を言。任務終了後、ボンドはサッチャー首相から祝電が来るが、それを無視し、メリナとともに海へ行くのだった
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サッチャー首相(そっくりさん)への電話の返事は、電話口にはオウムに任せ、オウムがおぼえているコトバ「キスして」などと返答していたのが笑わせる。
 
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映画は、カーチェイス、スキーとバイクの追跡劇や、ヘリコプター、爆破などの見せ場も多く、ロジャー・ムーア・ボンド映画7本の中では評価が高い。”サー”ロジャー・ムーアはちょうど2年前の2017年5月23日に89歳で亡くなった。

★訃報:昭和の大女優・京マチ子(「羅生門」「雨月物語」)死去。95歳。

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映画羅生門」「雨月物語など数々の名作に出演した女優・京マチ子が12日心不全のため都内の病院で死去した。95歳。14日、東宝が発表し

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マチコ1924年3月25日生まれ。大阪市出身。1936年に大阪松竹少女歌劇団(後のOSK日本歌劇団)に入団し、娘役として人気に。1949年に大映で女優デビューした。
 
映画羅生門黒澤明監督、写真)、雨月物語溝口健二監督)、源氏物語吉村公三郎監督)など映画史に残る数々の作品に出演
 
羅生門」では、神々しさと強烈な自己主張を持つ武士の妻役で、白熱の演技を見せた。「雨月物語ベネチア映画祭の銀獅子賞を獲得。同じ年には衣笠貞之助監督「地獄門」がフランスカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した。「グランプリ女優」の異名を持つ大映のドル箱女優だった
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山崎豊子原作の「女系家族」(1963)「華麗なる一族」(1974)「金環蝕」(1975)などのほか「男はつらいよ」シリーズ第18作(「寅次郎純情詩集」)でマドンナ役(写真)を演じた。映画では「化粧」(1984、松竹)が最後の出演作となった。

一報、最後の舞台出演は、13年前の女たちの忠臣蔵(2006年9月明治座製作橋田壽賀子石井ふく子演出)の瑤泉院役だった。80代まで現役を続けた。 
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出演した映画の主な記事:
■「ある映画監督の生涯」https://blogs.yahoo.co.jp/fpdxw092/58977937.html
■「羅生門」(記事アップなし)
 
日本の映画界に燦然たる足跡を残したが、とくに個人的には、「羅生門」「雨月物語」「女の一生」「春琴物語」「赤線地帯」などが強烈な印象だった。
 

★訃報:米歌手・女優ドリス・デイ(「ケ・セラ・セラ」)死去。97歳。

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アルフレッド・ヒッチコック監督の「知りすぎていた男」などで知られる米国の歌手で女優のドリス・デイ13日、肺炎のためカリフォルニア州カーメルバレーの自宅で死去。97歳だった。大往生と言えるかもしれない。
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1922年、オハイオ州シンシナティ生まれ。
15歳から歌い始め、1945年に「センチメンタル・ジャーニー」が大ヒット。女優としても活動し1946年、24歳の時にワーナー・ブラザースのオーディションを受け同社と契約。1948年には「洋上のロマンス」(原題:Romance on the High Seas)で映画デビュー。映画の評判がよく1949年には2本、1950年に主題歌もヒットした「二人でお茶を」など3本、1951年には5本も出演するほどのど売れっ子となった。
 
1953年西部劇ミュージカル映画カラミティ・ジェーーンの大ヒットで人気を不動にした。
 
代表作といえば、なんといっても1956年のアルフレッド・ヒチコック監督知りすぎていた男(原題:The Man Who Knew Too Muchで歌った「ケ・セラ・セラ」。曲が大ヒットし、ドリス・デイの代表作になった。「ケ・セラ・セラ」はアカデミー歌曲賞を受賞。日本でも歌詞を日本語訳され、雪村いづみペギー葉山らの競作によってヒットした。
 
1968年に夫が亡くなり映画界を引退。
活躍の場をテレビに移しドリス・デイ・ショー1968年ー1973年)を中心に活躍。
1976年に4度目の結婚をするが、1981年には離婚。その後は動物愛護に力を注ぎ、カリフォルニア州カーメルに設立した「Doris Day Animal League」で、家庭内ペットの世話の方法などを指導していた。
 
2004年に米国の民間人の最高勲章である大統領自由勲章を授与されたほか、2008年にはグラミー賞の生涯貢献賞を贈られた。
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ケ・セラ・セラ」は、日本ではペギー葉山のカバーが印象に残るが、ペギー葉山は2年前に亡くなった(享年84歳)。ドリス・ディは、ペギー葉山よりも11歳年上だったので、ニュースの一報を知って、逆にまだ存命だったことに驚いた。
 
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ウイスキーが好きな人は、きょうは「トリス・デイ」になるかもしれない。
 
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ウイスキーは飲まないので、ドリスを偲ぶ”ドリス・デイ”として音楽を聴いて過ごしたい。
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 そういえば綾瀬はるかのニッセイのCMでも使われたことがある。

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ご冥福をお祈りいたします。