007シリーズ第12作目の「007/ユア・アイズ・オンリー」(原題:For Your Eyes Only、1981)を見た(再見)。タイトルの意味は「読後焼却すべし」(字幕も)。テレビの「スパイ大作戦」で「…なお、このテープは自動的消滅する…」と言うのがあるが、機密文書であることから「君が読んだら他人の眼に触れないように、焼いて捨てよ」と言う意味。
3代目ボンドのロジャー・ムーア作品は、「死ぬのは奴らだ」(1973)「黄金銃を持つ男」(1974)「私を愛したスパイ」(1977)「ムーン・レイカー」(1979)と続き5作目。このあと「オクトパシー」(1983)「美しき獲物たち」(1985)まで続いた。
出演はロジャー・ムーア、トポル、キャロル・ブーケ(ボンド・ガール)、リン・ホリー・ジョンソン、ジュリアン・グローヴァー、カサンドラ・ハリス、ジル・ベネット、マイケル・ゴザード、ジョン・ワイマン、ステファン・カリファなど。
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ボンドが亡き妻、テレサ(1969年没)の墓参りをするところから始まる。
ヘリコプターでロンドンに向かうボンドに、突然パイロットが気を失い、ヘリコプターは遠隔操作される。これを操っていたのは、国際テロ組織スペクターのブロフェルド。白猫の頭をナデナデしているが顔は見せない。
ボンドはヘリコプターのリモコン操作ができないようにして自身で操縦し、ビルの屋上にいるブロフェルドに近づかせると、彼の乗っている車椅子をヘリコプターで支え、下の煙突へ彼を落としまう。
ギリシャ・コルフ島沖イオニア海で、イギリスの情報収集船が沈没してしまうという事故が起き、船に積まれていたATAC(超低周発信機)を引き上げる作業を、イギリス海軍情報部は、海軍退役将校で海洋考古学者であるティモシー・ハブロック卿に依頼した。
ATACは、原子力潜水艦からのミサイル攻撃を目的地に誘導するトップ・シークレット。東側に渡れば、軍事バランスが逆転するのは明らか。しかし、ハブロックの一人娘で、潜水のベテラン、メリナ(キャロル・ブーケ)が、両親に協力しようと訪れた時、水上機でやってきた何者かによってハブロック夫妻が銃撃された。
しかし、ゴンザレスは、メリナの復讐の矢のもとに絶命し、ボンドは、殺し屋ロック(マイケル・ゴザード)にひきいられた一団に命を狙われる。ゴンザレスもこの一味の一人だったのだ。
ロンドンに帰ったボンドは、ロックの身許を調べ、彼が北イタリアのスキー・リゾート、コルチナ・ダンペッツォにいることをつきとめる。
現地に向かったボンドは、そこでギリシア人富豪クリスタトス(ジュリアン・グローヴァー)に会い、殺し屋が彼の商売敵であるコロンボの手下だということを知る。彼は、美少女ビビ(リン・ホリー・ジョンソン)のパトロンで、次期冬期オリンピックのフィギュア種目で彼女に金メダルを取らせようと特訓させていた。
コルチナヘは、メリナも来ていたが、彼女は、ロックの配下の殺し屋たちに命を狙われボンドに救われた。やがて、ボンドとメリナは、コルフ島に行き、そこでボンドは、クリスタトスのビジネス上のライバル、密輸業者のコロンボ(トポル)に会った。
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そこへゴゴール将軍がヘリコプターで到着。装置を渡すよう要求してくるが、ボンドは装置を崖から落とし、破壊してしまう。そして将軍に対し、デタントという言葉を言う。任務終了後、ボンドはサッチャー首相から祝電が来るが、それを無視し、メリナとともに海へ行くのだった。
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サッチャー首相(そっくりさん)への電話の返事は、電話口にはオウムに任せ、オウムがおぼえているコトバ「キスして」などと返答していたのが笑わせる。