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映画「エスター ファースト・キル」(原題:Orphan: First Kill)を見る。

エスター ファースト・キル」(原題:Orphan: First Kill)を見る。タイトルが示す通り、戦慄のサイコスリラー「エスター」(2009)の続編。

ある夫婦が養子として迎えた身寄りのない少女が恐怖をもたらす前作の前日譚(たん)。前作でエスターが養子となる前に引き取られていた、ある家庭での物語が展開。


裕福な一家、オルブライト家には4年前に行方不明となった一人娘のエスターがいた。だがある日、警察からエスターが見つかったという朗報が入る。


父、母、兄は数年振りの再会という信じられない奇跡にこの上ない喜びを感じ、成長したエスターを迎え入れる。


当時6歳だった彼女は時をへて10歳になっていた。これから幸せな生活が始まるはず…とそう思っていた。ところが、この娘、どこかが変だ…と気づくまでは。


名作の続編が、大丈夫かと不安視されるのは世の常。「エスター」を観たことがない人でも知っているような有名なラストになっていた。


「前作以上の衝撃」を求める観客の期待に応えるのは、不可能ともいえる。だが「エスター」の続編は不安を一掃するものだった(と思う)。


・・・
2007年のエストニア。警備が厳重なエストニアの精神病院「サールン療養所」の前で一人の栄養療法士のアナという女性が車から降りる。


病院に入る前にガードマンが身体検査を行う。出迎えた職員に「毎日こんな検査を受けるのかしら」というが、警備マニュアルがあるのでという返事。


患者の中には、非常に危険な患者もいて、とくにリーナという子は「最も危険な患者だ」と知らされる。そしてしばらく脱走して行方が分からないという。


アナが、たまたま暗い部屋に入っていくと、少女がいたので「職員の娘さんかしら?」というと、アナにそっくりの似顔絵を描いたと見せられる。


その少女は、手を後ろに回しているがその手には尖った鉛筆を握っていた。
そこに、病院の看護師たちがやってきて「リーナ!」と叫ぶ。


”あ、この子がリーナ。怖っ”といった表情に変わるアナ。看護師は「外見は少女だが成長ホルモンの異常で10歳くらいから成長が止まったままで、低身長症の成人女性」という。


「リーナは生きるためには何でもする。子供扱いされながら生きる苦痛を味わっている」と説明される。病院にはリーナのほかにも、狂暴なイティという女性患者もいた。


アナが病院を訪れた初日から事件は起きる。アナは、様々な状況から「私には向いていません」と言って帰宅することにする。

リーナは、アナの車に潜んでいて、アナの自宅でアナを殺害。アナの自宅でワインを飲みながらネットで行方不明者リストをチェック。その中から自分の外見と似た少女エスター・オルブライトという女性を見つけ出し、なりすますそうと企む。

怪しまれながらも何とかアメリカはコネチカット州の裕福なオルブライト家に行方不明から戻った少女エスターとして迎え入れらる。


だがエスターの母親トリシアは違和感を募らせていた。そしてもう一人、本物のエスターの行方不明時に捜索をしていたドナン刑事が彼女を不審に思い独自の捜査を始める。


ドナン刑事はオルブライト家を訪問してリーナの指紋が付いたレコードを密かに持ち帰り、採取した指紋が本物のエスターの指紋と一致しない事を突き止める。


その瞬間、以前からドナン刑事を警戒していたリーナが殺そうと襲い掛かる。殺しに手こずる中にトリシアがドナン警部を拳銃で射殺する。


射殺体の横でトリシアは「本物のエスターは、私の不注意で死なせて死体を隠して行方不明になった事にしていたので、最初からあなたが偽者と分かっていた。」と告白する。


トリシアと偽の娘リーナのお互いの秘密を共有した仮面の親子は悲劇へと転がり墜ちる。

・・・
前作を見ているので、外見は10代の少女だが実年齢が31歳というのは驚かないが、アメリカに渡ったエスターに成りすましたリーナは、母トリシアと兄グンナーにはすぐに見破られてしまうが、父アレンだけは、数年で好みなどが変わったとしても実の娘と疑わず、そんなエスター(リーナ)もアレンに好意を抱いていく。


屋根の家でエスターとトリシアが格闘している時に、アレンが助けに屋根に上るが、やっとのことで、ぶら下がっている2人。


助けようというアレンに対して、トリシアが、この子はエスターじゃない偽者だと叫び、エスターは、嘘だと言い合っているうちに、アレンはエスターの手を取ると、トリシアは落ちて死んでしまう。


生き残ったエスターが、ぼろぼろになった歯を隠していた入れ歯を外したところで、アレンはエスターの本性を知り「お前は何者だ」と叫ぶが、エスターによって屋根から落とされ死んでしまう。


こうして、両親を失ったエスターは、”不幸な孤児”として養子縁組に取り組んでいる孤児院の施設に送られることになった。


前作「エスター」は、孤児院で、健気な少女を演じ続けて、養子縁組の一家を待つというところから始まった。見事に話がつながっている。


・・・
小道具の使い方などがうまい。
料理用の包丁を突き立ててあったものが、次のシーンで無くなっていたり(リーナが持ち去ったことを示す)、食事時にエスターの食べ物に眠り薬を入れられたが、エスターは用心深く、食欲がないと持ち帰ってネズミに食べさせると、翌日にはネズミが死んでいた。


エスターの仕返しがすごかった。家族たちが帰るころまでに食事を準備しておいたエスター。美味しいからとスムージーをトリシアに飲ませるが、すぐに気分が悪くなり、そのスムージーはドロドロしていて洗面台に流すと、最後にネズミの死骸が出てきた!


かなりグロぃシーンや血まみれのシーンも多いが、ホラーサスペンスとしては前作のオリジナルには及ばないが、おもしろくできている。

オルブライト家に戻ることになるが、その前に家族構成や、過去の出来事、エスターの好みなどをできるだけ頭に叩き込まなければならにエスター。


家族の写真を見せられ「おばあちゃんにも早く会いたい」とつい言ってしまったエスター。トリシアは「おばあちゃんは亡くなったのに」と詰め寄られる。トリシアは、席を外して、なんであんなことを言ってしまったのかと悔しがるシーンも。飼っていた鳥の名前も間違えてしまう。


なぜかロシア語のアクセントが身についてしまっているということも指摘される。
兄グンナーからは「化物」、母トリシアからは「サイコのチビ。他人につけ込む異形の女」と罵られながらも、たくましい怖さは尋常でないものがある。


トリシアが、ついに立ち上がり「(いまいましい偽者エスターに)決着をつけるぞ。家に置いておく価値はない」というと、息子ゲンナーも「そのことばを待っていた」と、いざ~とエスター”化物エスター退治”に向かうのだが、反撃を食らってしまうのだった。


<登場人物>
エスター/リーナ:イザベル・ファーマン
エストニアの精神病院から脱走した知能の高い殺人鬼。外見は9歳で成長が止まった31歳。絵とピアノが得意。拘束具の痕が残った首と両手首をリボンで隠している。ボロボロの大人の歯を隠すために入れ歯をしている。膨らんだ胸をサラシを巻いて隠している。
■トリシア・オルブライト:ジュリア・スタイルズ
エスターの母親。行方不明から戻って来た娘に違和感を感じる。
■アレン・オルブライト:ロッシフ・サザーランド
エスターの父親。芸術家。戻って来た娘を疑わずに迎え入れて、絵を教示し、蛍光塗料を使った芸術を伝える。
■グンナー・オルブライト:マシュー・アーロン・フィンラン
エスターの兄。フェンシング選手。エスターには関心が無い。
■ドナン刑事:ヒロ・カナガワ
エスターが行方不明時に捜索をしており、戻って来たエスターが偽物ではないかと疑い調べる。

監督:ウィリアム・ブレント・ベル

 

「U-NEXT」(ポイント399)で鑑賞。

 

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