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【訃報】世界的音楽家・坂本龍一(「ラストエンペラー」「戦メリ」)、逝く。71歳。

     

訃報が飛び込んできた。音楽家坂本龍一が直腸がんのため3月28日、死去した。71歳。映画「ラストエンペラー」(1988)で日本人で初めてアカデミー賞作曲賞を受賞した。

世界的に活動している日本人ミュージシャンで、クラシック音楽が根幹にあり、民俗音楽、ポピュラー音楽(特にテクノポップ)にも造詣が深く、幅広い音楽性で世界に知られていた。愛称は「教授」。

3歳からピアノを始め、小学2年の時にバッハの音楽に傾倒した。東京芸術大作曲科を経て、1978年に高橋幸宏細野晴臣と「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO」を結成。1979年に当時斬新なシンセサイザーを使った音楽が海外で受け、世界ツアーを2度成功させた。国内では竹の子族がヒット曲「ライディーン」を踊るなど、社会現象になった。

俳優としても活躍し、1983年公開の映画「戦場のメリークリスマス」では、英ロック歌手のデビッド・ボウイ(2016年死去、享年69)と共演。男同士のキスシーンやビートたけしも共演し話題となった。

劇中音楽を手掛け、出演もした米映画「ラストエンペラー」(1987年公開)では1988年のアカデミー作曲賞を日本人で初めて受賞した。同作では米音楽界最高の栄誉とされるグラミー賞も獲得。米エンタメ界2大タイトルを初めて受賞した日本人となった。

 

この映画の溥儀(ふぎ)役のジョン・ローンとは、敵役同士という間柄の役作りのために、撮影中は一言も口を利かなかったという徹底ぶり。

2022年12月11日に全世界配信されたピアノのソロコンサートが、最後の公の場になった。同9月中旬に事前収録。体力面を考慮し1日数曲ずつ演奏し、数日かけてコンサートに仕立てた。

報道によると、今年1月に「YMO」で共に活躍した高橋幸宏(享年71)が死去した直後には、SNSにグレーの画像を1枚投稿。コメントはなく、それが逆に悲痛な思いをうかがわせた。
晩年は闘病生活を送った。2014年に中咽頭がんと診断され、治療の末に寛解。だが、直腸がんと診断された2020年6月には、治療しなければ「余命半年」と告げられた。

手術では、大腸を30センチも切除。両肺に転移したがんを摘出するなど、1年で6回の手術を受けた。その後は通院して投薬治療を続けてきた。

理知的で「教授」のニックネームでも親しまれ、最後まで文芸誌「新潮」での連載で音楽観や死生観を語るなど、敬愛するバッハのように情熱は尽きることがなかった。

近年は各メディアで環境問題憲法をはじめとした諸問題に関する運動に積極的に参加・言及しており、2000年代半ばに話題になったPSE問題においても、坂本が中心人物として反対運動を行った。


ご冥福をお祈りいたします。

 

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