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映画「キャッシュトラック」(原題:Wrath of Man、2021)を見る。壮絶なクライムアクション。

    

キャッシュトラック」(原題:Wrath of Man、2021)を見る。強盗犯から何故か恐れられているHの正体と、全米で最も現金が動くブラック・フライデーに起こる1億8000万ドル強奪計画を描いた、ジェイソン・ステイサムがクールで謎の男を演じるクライムアクション映画

監督は「コードネーム U.N.C.L.E.」のガイ・リッチー、出演はジェイソン・ステイサムアンディ・ガルシアホルト・マッキャラニージェフリー・ドノヴァンジョシュ・ハートネットスコット・イーストウッドなど。スコット・イーストウッドクリント・イーストウッドの息子。

監督のリッチーにとって、主演のステイサムとは「リボルバー」(2005)以来、4度目のタッグとなる。フランス映画「ブルー・レクイエム」のリメイク。

原題の「Wrath of Man」は直訳すると「男の怒り」の意味。ちなみに名作「怒りの葡萄」の原題はThe Grapes of Wrathだった。

最初から最後まで、重厚でスリリングな音楽が流れる。ジェイソン・ステイサムのくたばっても死なない(=ダイ・ハード)タフネスぶりはいつも通りだが、息子を殺された復讐心から、ターゲットを始末するまでの冷静かつ非情・冷酷さが際立っている。

アメリカの現金輸送車キャッシュ・トラック)の警備体制の徹底ぶりと、それを狙う強盗団の攻防はマシンガンの銃撃戦などすさまじい展開を見せるが、強盗団が警備会社を狙うのは、警備会社の内部に協力者がいるからで、情報が筒抜けになっているというところが、サスペンスが盛り上がる。

カッコいいマシンガンや、スマホで位置情報がわかるなど小道具にも目を離せない。

邦画「交渉人 真下正義」にも登場したが、”地図にない”路線(トンネル)も強盗団の逃げ道となっていた。

セキュリティ警備スタッフは全員、体力、筋力、銃の扱いなどのテストで70点以上を取らなければないが、ステイサムは身分を隠して銃訓練で的をあえて外してギリギリ合格にするなどの作戦で潜入する。その隠された過去が明らかになっていく展開が面白い。

勧善懲悪のヒーローかと思いきや、悪党の顔を持ち合わせているというところがこれまでにない役柄。

【ストーリー】
ある日、ロサンゼルスで現金輸送車襲撃事件が発生し、警備員2名が射殺される。被害者となった現金輸送専門の警備会社フォーティコ警備は、事件ののちにパトリック・ヒルジェイソン・ステイサム)という男を採用する。彼は“ブレット”(ホルト・マッキャラニー)という男と組むことになり、“H(エイチ)”と呼ばれる。

悪霊

5カ月後、輸送業務の途中で“ブレット”が犯罪グループに襲われ、人質に取られる。輸送車から現金を奪われそうになった“H”は、冷静沈着な対処と卓越した戦闘スキルを見せ、易々と犯人全員を射殺する。

同僚2人と共に無傷で生還した“H”は英雄扱いされる。3ヵ月後に再び襲撃に遭うが、“H”の顔を見た襲撃犯のリーダーは途端に襲撃中止を手下に指示して逃げ去ってしまう。

“H”の正体は、FBIが25年にわたり追い続ける伝説的なギャングのボス、ハーグリーヴズであり、逃げ出した襲撃犯は偶然ボスと鉢合わせた彼の手下たちだった。

5ヶ月前に発生した現金輸送車襲撃事件は、彼らと別のグループによるもので、犠牲となったのは2名の警備員だけではなかった。

現場に居合わせて目撃者となったハーグリーヴズの息子ダグラス・“ダギー”・ハーグリーヴズ(イーライ・ブラウン)も巻き添えとなって殺されていた。

しらみつぶし

ハーグリーヴズの一味は、FBIの捜査官から得た情報をもとに襲撃犯である可能性のある人物をしらみつぶしにしていくが、真犯人にたどり着くことができずにいた。

被害者のフォーティコ警備に内通者がいる可能性を部下に示唆されたハーグリーヴズは、経歴を偽装してフォーティコ警備に潜り込み、密かに社員を調査していたのだった。

野獣ども

現金輸送車襲撃犯の正体は6人の元軍人グループで、ハーグリーヴズの息子を殺害したのはメンバーの1人であるジャン(スコット・イーストウッド)という男だった。

 イーストウッドにそっくり。

その後、襲撃犯たちは巨額の現金が警備会社に集められるブラックフライデーに目を付け、警備会社そのものを襲う計画を進める。

ブラックフライデーの前日、フォーティコ警備には1億8000万ドルもの現金が集められていた。現金輸送車で車庫へ戻る途中の“H”は、車を運転する“ブレット”が襲撃犯の協力者であることを打ち明けられ、これから起こる襲撃に協力するか死かの選択を迫られる。

“H”は協力することを承諾し、“ブレット”の手引きで輸送車に乗り込んだ襲撃犯はフォーティコ警備の車庫に侵入する。警備会社内部での銃撃戦が始まる。

拘束されていた“H”は隙を見て襲撃犯の1人に襲い掛かり、拘束を解いた後に一人また一人と襲撃犯を倒すものの、“ブレット”の弾丸を浴びて倒れる。

巨額の現金が輸送車に積み込まれ、リーダーのジャクソンとジャン、そして“ブレット”の3人は警察やSWATの包囲を突破して逃走するが、大金の独り占めを目論んだジャンがジャクソンと“ブレット”を殺害し、警察の捜査を尻目に現金とともに自宅へ帰り着く。

肝臓・肺・脾臓・腎臓

しかし、現金の入ったバッグの1つに紛れ込ませていた携帯電話により、居場所は筒抜けだった。ジャンに拳銃を突きつけたハーグリーヴズは息子の死亡診断書を読み上げさせ、そこに記された遺体の傷跡の通りに肝臓、肺、脾臓、心臓を打ち抜いていく。

 

復讐を終え、ハーグリーヴズはロサンゼルスの夜の闇に消える。

物語は「悪霊」「しらみつぶし」「野獣ども」「肝臓・肺・脾臓・腎臓」の4パートの構成。

<主な出演>
■“H” / パトリック・ヒル / メイソン・ハーグリーヴズ(ジェイソン・ステイサム)…フォーティコ警備の新入社員。“ブレット”にパトリック・ヒルの苗字から“H(エイチ)”の名を付けられる。
前職は倒産したオレンジデルタ警備の警備員とされているが、正体はギャングのボスであるハーグリーヴズ。息子を殺害した現金輸送車襲撃犯に復讐するため、手がかりを求めてフォーティコ警備に潜入した。
■“ブレット”(ホルト・マッキャラニー)…フォーティコ警備の警備員。警備員を取り纏めるボス。“H”の仕事振りを気に入り、主な相棒となる。
■ボーイ・スウェット・デイヴ(ジョシュ・ハートネット)…フォーティコ警備の警備員。新しく同僚になった“H”が気に食わず何かと突っかかる。
■ジャクソン(ジェフリー・ドノヴァン)…元軍人。現金輸送車襲撃犯のリーダーで、軍曹と呼ばれる。退役後の日常に不満を募らせる元部下達に頼まれて計画した強盗を切っ掛けに、輸送される現金を狙う作戦を立案し始める。
■ジャン(スコット・イーストウッド)…元軍人。現金輸送車襲撃犯の一員。顔の左側に傷跡がある。現金輸送車襲撃の際に、抵抗した警備員2人と近くにいたハーグリーヴズの息子を射殺してしまう。
■エージェント・キング(アンディ・ガルシア)…FBI捜査官。ギャングのボスであるハーグリーヴズを追っているが、裏では彼と繋がりを持っている。ハーグリーヴズが復讐を始める際には目ぼしい悪党の情報を提供した。
■ブラッド(デオビア・オパレイ)…元軍人。現金輸送車襲撃犯の一員。
■カルロス(ラズ・アロンソ)…元軍人。現金輸送車襲撃犯の一員。
■サム(ラウル・カスティー)…元軍人。現金輸送車襲撃犯の一員。
■トム(クリス・ライリー)…元軍人。現金輸送車襲撃犯の一員。
■テリー(エディ・マーサン)…フォーティコ警備のマネージャー。
■デイナ・カーティス(ニアフ・アルガー)…フォーティコ警備の警備員。女性ながら男勝りの性格で、平然と男性と同じ更衣室を利用する。当初から“H”のことを高く評価していた。
■シャーリー(タイグ・マーフィー)…フォーティコ警備の警備員。右目が義眼。
■スチュアート(アレッサンドロ・ババロア)…フォーティコ警備の警備員。
■ジョン(アレックス・ファーンズ)…フォーティコ警備の警備員。“H”が入社したことで内勤に追いやられた。
■ボス・ブレイク・ホールズ(ロブ・ディレイニー)…フォーティコ警備のオーナー。襲撃犯を返り討ちにした“H”を賞賛する。
■ダグラス・“ダギー”・ハーグリーヴズ(イーライ・ブラウン)…ハーグリーヴズの息子。
■マイク(ダレル・デシルバ)…ハーグリーヴズの側近の1人。彼が不在の間、ギャングの指揮を執っている。仲間と共に現金輸送車を襲撃するが、中から現れた“H”の素顔を見て逃げ去った。
■強盗(オースティン・ポスト)…“H”の乗る現金輸送車を襲う強盗の一人。

 

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