フランスの戦後史を、ダンスホールを背景に描くミュージカル映画「ル・バル」(日本公開1985年)。「ル・バル」の記事は、guchさんの「裏切りのサーカス」か「007」シリーズかというくらい何度も(10回以上)記事にしてきた映画。
淀川さん流に言えば…。
「まぁ、この映画、すごいですよ。あの「望郷」のジャン・ギャバンのそっくりさん、第二次大戦中「リリー・マルレーン」をうたったあのマレーネ・ディートリッヒも出てきますね。まぁ、すごいですね。それだけじゃありません。エルビスのそっくりっさんも登場します。こんなミュージカルは見たことありませんね。そして、この映画、すごいのは、セリフがないことですね。まぁ、音楽はあっても、セリフがない無声映画の仕上がりになっているんですね。すごいでしょう。TSUTAYAで探してくださいね。なかったら、アマゾンにあるかもしれませんね。それでは、またお会いしましょうね。サヨナラ・サヨナラ・サヨナラ」
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パリ下町のボウル・ルーム(ル・バル=ダンスホール)を舞台に47曲の音楽とダンスで第2次大戦前より現代に至る時代の移り変わりを描く。
製作はジョルジョ・シルヴァーニ、監督は「パッション・ダモーレ」のエットーレ・スコラ。脚本はルッジェーロ・マッカリ、ジャン・クロード・パンシュナ、フリオ・スカルペッリ、E・スコラ、撮影はリカルド・アロノヴィッチ、音楽はウラジミール・コスマ、編集はライモンド・クロチアーニが担当。
出演はジュヌヴィエーヴ・レイ・パンシュナ、マルティーヌ・ショーヴァン、アニタ・ピッキアリーニ、リリアーヌ・デルヴァル、レイモンド・ウドゥリーヌなど。ほとんど無名の役者だが、愛嬌があって面白い。
公式予告編がありました。
【ストーリー】
1983年。現代調と30年代風のアール・デコ調のインテリアが施されたパリのボウル・ルーム(ダンスホール)。静かなその室内に、やがて照明がともされ、着飾った様々な男女が入ってくる。
今日は土曜日。彼らに言葉はいらない。無言の仕草と踊り。このボウル・ルームでは、こんな光景が、いつの時代にも展開されてきた。
1936年、人民戦線が勢いをのしてきた頃。このボウル・ルームには、労働者やお針子たちがたむろしている。「望郷」のペペル・モコが、人々の間では語り草になっている。そんな様子は踊り手たちのコスチュームにも反映されている。
戦争中の1940年。ユダヤ人のヴァイオリン弾きの女性とウェイターの淡い恋。
占領下の1942年。室内には「リリー・マルレーン」が流れる。1944年、解放。喜びにあふれる人々は踊る。そんな中で、片足を失った男と妻の踊るワルツが周囲の感動を誘う。
1945年。アメリカ色が室内を占めている。「イン・ザ・ムード」にのる若者たち。アステアとロジャーズを気どるカップル。
1950年代は「アンナ」をはじめとするラテン・リズムがパリで流行する。サブリナ・パンツやペティコートでふくらんだワンピースが目につく。
やがて、グリースでキメた皮ジャン族のロックンロール・ブームがやってくる。リトル・リチャードの「トゥティ・フルッティ」やプラターズの「オンリー・ユー」に興ずる若者たち。
1960年代に入り、自由と革命を求める若者たち。誰もが口ずさむビートルズのメロディ。
そして、1983年。ボウル・ルームの回想は終わる。再び日常の生活へ戻ってゆく人々。
このマスター(右)も黙々と仕事をしているところが郷愁をそそる。
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5年前の記事が11回目の「ル・バル」の記事でした。
10回目の記事:
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