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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

★映画「ル・バル」(原題:Le Bal、1984) 11回目の記事(笑)

 
エットーレ・スコラ監督のミュージカル映画ル・バル」(原題:Le Bal、1983)。
以前は、全編YouTubeで見られたが、今は部分的にしか見られない。
日本でも公開されたようだが短かったようだ。知っている人は少ない。
 
この映画は出張中の外国の劇場(パリ)で1984年に観た。
映画のポスターは、上の写真のようにダンスシーンの足元だけの絵柄だった。
フランス語で字幕もなかっらどうしようと思った。ミュージカルだし言葉がわからなくてもいいか、と思って劇場に入った。そうしたら、なんとセリフが一切なかった!
 
ディスコ調の音楽が郷愁を呼ぶ。
パリの戦後、30年くらいの時を経て再開する10数人くらいの男女の話。
舞台は(ダンス)ホール(Bal)だけ。ほとんどが舞台出身の役者だけで著名人はいないが個性的でおもしろい。”病みつき”になる映画である。ジャン・ギャバンがモデルと思われる人物なども登場する。
 
      こんなシーンも。
 
【内容】パリのダンス・ホールでのミュージカルシーン(全編セリフ無し)だけで、第二次世界大戦期から現代までの時代背景と、変わりゆく悲喜交々な人情ドラマを一気に綴る、その縦横無尽で実験的な演出技法は、まるで年代モノのワインの如き味わい。映画の題材となったのは、フランスの名劇団テアトル・デュ・カンパニョールの同名舞台公演。流石は名匠。舞台をそのまま映画化しただけのミュージカルとは一味も二味も違い、舞台では表現出来ない映画的空間のダイナミズムと、映像的カタルシスとは何かを熟知しきった、丹念な演出が憎いぐらい上手い。
 
同じダンスホール内だけで時間軸が次々と変化し、シャルル・トレネ、モーリス・シュバリエ、ララ・アンデルセンプラターズビートルズ、ティノ・ロッシ他、往年のミュージック・ファンの心を焦がす名曲の数々が、登場人物のダンスと心境風景に合わせて、適材適所にフューチャリングされ、時代毎に優雅に変化するスタイリッシュな衣装も素晴らしい。ベルリン映画祭銀熊賞受賞。
 
参考:たっふぃーさんの記事:「ル・バル」は入っていませんが・・・。
      
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