「LION/ライオン〜25年目のただいま〜」(原題: Lion、2016)を見る(NHKBSプレミアム)。オーストラリア・アメリカ・イギリス合作映画。原作はサルー・ブライアリーのノンフィクション本『25年目の「ただいま」 5歳で迷子になった僕と家族の物語』。ルーク・デイヴィーズが脚本、ガース・デイヴィスが監督を務める。
出演はデーヴ・パテール、ルーニー・マーラ、デビッド・ウェナム、ニコール・キッドマンほか。製作は約1,200万ドルという低予算ながら、全世界で1億ドルを超える興行収入を記録。
第89回アカデミー賞では、作品賞、助演男優賞(パテール)、助演女優賞(キッドマン)、脚色賞、撮影賞、作曲賞の6部門にノミネートされた。
キャッチコピーは、「迷った距離1万キロ、探した時間25年、道案内はGoogle Earth」。
映画の冒頭で、これは実話に基づくと出る。
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物語は電車を乗り違えて自宅から数千マイル離れた場所で迷子となった5歳のインド人少年であるサルー・ブライアリーを中心に展開される。
彼はオーストラリア人夫婦の養子となり、それから25年後に30歳になったブライアリー(デーヴ・パテール)は、ノートパソコンのGoogle Earthを駆使して、幼いころの記憶を基に育った場所にいる実の両親を探し出すのだが・・・。
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静かな感動作品だった。インドの貧しい村では、貧困ゆえにホームレスの子供も多く、子供の労働などの問題があった。サルーの兄の後について仕事先に出かけたが、サルーは眠気に勝てず、兄がサルーに戻るまでは、ここで待つように言う。
サルーは、誤って回送の貨物列車に乗ってしまい、数千キロも離れた見知らぬ土地にたどり着いてしまう。
広大なインドでは、地域によって言葉も通じず、孤児院に預けられる。
そこでは、運が良ければ、養子として引き取られるという環境だった。
オーストラリアの裕福な夫婦がサルーを養子にしたいということで、サルーは、飛行機で孤児院の係のものとオーストラリアまで行く。
夫婦の妻をニコール・キッドマンが演じている。この夫妻は、サルーのほかに、あとからもう一人の男の子供を養子に迎えるが、この子供が、手が付けられないほどの暴れる性格で、自傷癖もあり、サルーとは相いれない。
そんな中、サルーは、学問を身に着けるために大学に通う。ガールフレンド(ルーニー・マーラ)もできたが、サルーの頭に常にあるのは、母の事。絶対に母親を探し出したい。その強い気持ちから、Google Earthを使って、列車で移動した距離時間から、出身の村の地域を絞っていく…。
何日も来る日も来る日もパソコン画面で、検索したが、ついに覚えのある場所を目にしたときの驚きの表情と、目に光るものがあった時にはうるうるとさせられるものがある。
そして、育った場所まで出かけ、絶対に息子は戻ってくると信じて引っ越しをしなかっったという母親との再会は感動だった。
スイカを運んだ時にできた額の傷はそのままで、母子はそのことで笑いあった。残念だったのは、サルーの兄は、反対側から 列車に引かれ亡くなっていた。サルーいう名前もうろおぼえで、実際には、それに近い別の名前だった。その名前の意味は「ライオン」だった。
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