「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」（原題：A Rainy Day in New York、2019）を見る。今年7月に劇場公開されたウディ・アレン監督の最新作。アレン映画としては「女と男の観覧車」（2017）以来2年ぶり。
今月1日（映画の日）に85歳となったアレン監督は、アカデミー賞に史上最多の24回ノミネートされ、監督賞を1度、脚本賞を3度受賞している。
主演は「君の名前で僕を呼んで」（2017）で第90回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたティモシー・シャラメと「マレフィセント」のエル・ファニング。共演はセレーナ・ゴメス、ジュード・ロウ、ディエゴ・ルナ、リーヴ・シュレイバー、レベッカ・ホールなど。
ハリウッドの男性による女優へのセクハラ騒動により、「#MeToo」運動が起こり、アレンの過去の事件も取りざたされ、出演者らの一部から出演の後悔と、ギャラのTime's Up基金などへの寄付が報じられた。
2020年6月現在、世界中で2117万ドル（約23億1100万円）の収益を上げた。アメリカでの公開は延期されて公開されていないが、DVD・Blu-ray Discは販売されている（Wiki)。
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母の勧めでアイビーリーグの名門校に入ったギャツビー（ティモシー・シャラメ）だったが、ギャンブルづきの性格で、自分らしく生きるため、それほど有名校でない北部にあるヤードレー校に転校。
ヤードレー校では、アリゾナ州で銀行を経営する一家の娘でキュートなアシュレー（エル・ファニング）と知り合い、交際を続けて半年が経つ。ギャツビーは結婚したいと思っており、母（チェリー・ジョーンズ）も会いたがっていた。
アシュレーは、学校の課題の一つで有名な映画監督ローランド・ポラード（リーヴ・シュレイバー）にインタビューすることが決まった。
取材場所がニューヨークだという。アリゾナ州ツーソン出身のアシュレーは、ニューヨークには、2歳と12歳の時に行ったきりで舞い上がっている。
ギャツビーはニューヨーク出身であり、ポーカーで20,000ドル儲けたばかり。「どうせあぶく銭だ」と、入念にホテルを選定。セントラルパークが見渡せる部屋をとり、夜はディナーだと計画。
ニューヨークに到着し、アシュレーはポラード監督に会うためにインタビュー会場のホテルに出かけるのだが、インタビューから、その後のスケジュールが思わぬ方向に変更されて・・・。
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エル・ファ二ングが、有名監督や俳優にインタビューする役を演じているが、いかにもミーハー的なはしゃぎぶりがいい（笑）。撮影時は20歳だが、2歳のころから芸能界入りしていて、2004年には宮崎駿のアニメ映画「となりのトトロ」の声優（英語吹き替え版）を務めている。印象に残る映画はスピルバーグが製作の「SUPER8/スーパーエイト」（Super 8、2011）。当時13歳だったが、キュートだった。
おっと、脱線した。
「レイニーデイ～」では、役柄で映画オタクぶりを発揮。監督を取材するときに、あいさつがてら、「ルノワールや（ヴィットリオ・）デ・シーカのような偉大な監督にあえて光栄です」といった話をする。
緊張してポラード監督にインタビューするアシュレー（左）
監督は「君の若さで、2人の巨匠を知っているなんて」と語る。調子づいたアシュレー（エル・ファ二ング）は「黒沢の作品も奥が深い」といった言葉を発している。ウディ・アレンの偉大な監督へのオマージュで遊び心だ。
ギャツビ―がギャンブル好きなのは、意外な背景があった。母親の隠された秘密などが後半に明らかになる。
母親が自身の秘密を息子のギャッツビーに打ち明けるシーンは印象的
脚本家の役でジュード・ロウが出演しているが、いわれなけらばわからないほど、外見が違っていた。
アレン映画の魅力の一つは会話のセリフ。
人気俳優を前に夢見心地のアシュレー
「ろうそくの光にゆらめく君の横顔は魅力的だ」とプレイボーイの役者（ゾロの格好をしていたので、アントニオ・バンデラスか？笑）に言わせたり、その俳優のお気に入りになったアシュレーは、その俳優の前だっら「すべての女の子の〇〇はうずくのよ」（笑）。家柄に「ふさわしい（appropriate）」を求める母親だが、実は・・・も意外だった。
近づいてきた美女は実は・・・
ニューヨークを背景に撮ることが多いアレン監督だが、現在のニューヨークは、コロナ禍で、ミュージカルの劇場、映画館、飲食店などは閉鎖。次にアレン監督がニューヨークを舞台に映画を撮る日は来るのか。映画界にとっても”レイ二―デイ”は続く。
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