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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

ドラマ「ハリウッド」(全7話、Netflix)の4話まで見る。

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Netflixの新作ドラマ「ハリウッド」(全7話)のうち4話まで見た。

第2次世界大戦後(1947年~1948年)、黄金時代と呼ばれたハリウッドを舞台に、俳優、監督、脚本家等の夢を叶えようとする若者の奮闘を描くストーリー。内幕物は面白い。クエンティン・タランティーノ監督の映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」にも通じる。

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実話とフィクションをうまく取り入れて、ある時代のハリウッドの「もし…」を描いている。今では、LGBTや多様性が認められてきたが、1940年代のアメリカは、カトリック思想が支配していた時代で、映画に「ヘイズコード」と呼ばれる規制がかけられ、聖職者をバカにした描写や、白人と黒人の恋愛、ゲイの描写など厳禁のタブーだった。

そんな中、映画黄金期に、一つの映画が作りあげられる過程を描く物語を描いているのが「ハリウッド」。1920年代後半から1930年代にかけて、無声映画から完全にトーキーへ移行していくと、映画はますます庶民の娯楽になっていった。

男女の恋愛ものや、ギャング映画など、観客を刺激する映画がヒットしていったが、当時のアメリカは、現在よりもさらに完全な白人社会。ゲイだとわかると、暴漢に襲われてしまい、白人と黒人のカップルたちも、身の危険を感じながら過ごすことになる。

ところが、映画産業の発展により、全米、さらにはヨーロッパから夢と才能を持った若者たちが集まるようになり、ハリウッドの中にも多様な考え方が生まれ始めていく。

クリエイターたちは多種多様な考え方を持っていても、映画を製作する映画会社側は、完全なる白人社会プラス男社会。「新たな発想」を嫌い、昔ながらのカトリック思想に凝り固まった人たち。

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  通行人の端役でもいいとエキストラの仕事を求めて映画スタジオに集まる人々

そんな中「ペグ」という脚本の映画化が決まった。「ペグ」は、実在したペグ・エントウィスルという女優が、24歳という若さでハリウッドサインの「H」の文字の上から飛び降り自殺したという実話を映画化しようという企画だった。

ハリウッドの映画会社は、脚本はいいが、脚本に黒人の名前が出ることを嫌い、別の人の名前を使おうとするのだった。

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映画会社の代表が病に伏して、その妻が製作の決定権を持つようになったが、主役などに黒人を登場させると南部では上映できないなどから白人だけで製作しようとした。

その妻が、元大統領夫人と会食する機会があり、黒人を使わないという方針が覆されるのだ。元大統領夫人とはルーズヴェルト元大統領の奥さんで、いまでいうインフルエンサー(影響力のある人物)の一人。大統領夫人の言葉が説得力があり感動的だった。

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元大統領夫人がアメリカ南部を訪問した時に、黒人はモノ扱いの時代から自由の時代に変化していると思ったら、まだ黒人の子供たちは虐げられていたというのだ。そうした黒人の子供たちが「もし、映画の大スクリーンで、黒人の女性が主役を演じていたらどう思うか」というのだった。明るい希望が持てるのではないかと、黒人を抜擢すべきだという。南部で映画を見てくれなかったら北部で見ればいいという。

そんな元大統領夫人の言葉に突き動かされて、事態が変わっていくように思われたのだが・・・。

主人公はジャックという創作キャラクターだが、ジャックのライバルとなるロック・ハドソンはいうまでもなく実在の俳優。1985年に、自身がゲイであることを公言し、その年にエイズで亡くなっている。そのマネージャーのヘンリーも実在の人物。

ロック・ハドソンは、芸名で、スクリーンテストなどでは、大根役者のような存在だったところも面白い。実際に大根だったのか(笑)。

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ハリウッドは、高級住宅街のビバリーヒルズのプール付きの豪邸に住むことを夢見て、役者を目指して多くの人間が集まる女優の卵などは、ウエイトレスで生計を立てながら、オーディションのチャンスを待つなどは「ラ・ラ・ランド」の世界だった。

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男優を目指す若者はどうだったかびっくり仰天だが、表向きはガソリンスタンドの給油の仕事だが「夢の国」を合言葉に給油に来る客には、特別奉仕の裏の仕事があったのだ。男の売春(男娼)で、相手が金持ちマダムが多いが、その中に映画製作会社の社長夫人もいて・・・といった展開だった。

セシル・B・デミル(超大物映画プロデューサー)がやってくるとか、アンナ・メイ・ウォン(「上海特急」)、ヴィヴィアン・リージョージ・キューカー(「西部戦線異状なし」監督)といった名前が実名でポンポン出てくるのが面白い。

(追加)

第5話~最終第7話まで見た。

ハリウッド的なエンディングだった。「ペグ」の映画は、会社の存続の危機を招くとして、一部の幹部がフイルムを燃やしてしまうのだが、予想外のどんでん返しが待っていた。