映画「マグノリア」(1999)を見た。比較的最近見た「ファントム・スレッド」(2017)のポール・トーマス・アンダーソン(P.T.A)監督であり、デビュー作の「ハードエイト」(1996)も見ていたので気になっていた。
何かの記事で「空から〇〇〇が降ってくる」というので、○○○は知っていたがこの目で見たがすさまじい!(笑)。偶然に起こったことが、意外とほかのいろいろな偶然と重なり合っているというようなことを描いている。
出演は、P.T.アンダーソン監督の常連とみられるフィリップ・ベイカー・ホール、フィリップ・シーモア・ホフマン、ジョン・C・ライリー、ウイリアム・H・メイシ―のほか、ジュリアン・ムーア、トム・クルーズなどが出演。
複数のストーリーが同時に進んでいくので、登場人物たちの関係性などを把握するのに苦労する。まずは、それぞれの名前と顔を覚えるべきか。登場する人物がなにがしかの悩みを抱えていて、後悔しながら生きている。結論として、それは、大したことではないのでは、といった話。3時間近い長編で、2時間くらいにコンパクトにできればすっきりするような。
・・・
トム・クルーズがぶっとんだ伝道師の役を演じていて、驚かされる。とにかく品のない言葉を連発する。男性向けの自己啓発セミナーを主催していて、そのタイトルが「誘惑してねじ伏せろ(Seduce and Destroy)」で、かなり強烈なもの。
ロサンゼルスを舞台に、一見関係のない男女9人の24時間を描く群像劇で、最後には収束して行く。
第72回アカデミー賞に助演男優賞(トム・クルーズ)など3部門にノミネート。ベルリン映画祭 金熊賞(グランプリ)受賞。エンディングで使用されたエイミー・マンの「セイヴ・ミー」は、グラミー賞2部門、アカデミー歌曲賞にノミネート。同曲を含む映画のサントラは、最優秀コンピレーション・サントラ・アルバム部門にノミネートされた。
ポール・トーマス・アンダーソン監督は「(この映画は)エイミー・マンの歌にインスパイアされて作った」、「小説を映画化するのと同じコンセプトで彼女の音楽を映画化してみたかった」と語っている。
主な登場人物(9人の主人公):
■フランク・T・J・マッキー(トム・クルーズ)
ピック・アップ・アーティスト(PUA)。自身の主催する男性向け自己啓発セミナー“Seduce and Destroy(誘惑してねじ伏せろ)”で講演中。
■ジミー・ゲイター(フィリップ・ベイカー・ホール)(若かりし頃 - トーマス・ジェーン)
生放送の人気長寿クイズ番組「What Do Kids Know?(子供は何を知ってるの?)」の司会者。癌で余命二ヶ月を宣告されている。司会中に、倒れたりする。
■クローディア・ウィルソン・ゲイター(メローラ・ウォルターズ)
ジミー・ゲイターの娘。
■スタンリー・スペクター(ジェレミー・ブラックマン)
「What Do Kids Know?」に出演する天才クイズ少年。番組中にトイレに行けず漏らしてしまう。
■ドニー・スミス(ウィリアム・H・メイシー)
「What Do Kids Know?」の初代優勝者である元天才クイズ少年。電器店で働いている。
■アール・パートリッジ(ジェイソン・ロバーズ)
「What Do Kids Know?」の元番組プロデューサー。末期がんで自宅療養中。
■リンダ・パートリッジ(ジュリアン・ムーア)
アールの後妻。感情の起伏が激しい。大量の薬を服用。
■フィル・パルマ(フィリップ・シーモア・ホフマン)
アールの付き添いの看護士。
■ジム・カーリング(ジョン・C・ライリー)
LAPD(ロス市警)の警察官。ノース・ハリウッド地区を担当。
●●●(カエル)が空から、ヒョウの様に降ってくる映像は見どころ。