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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「君の名は」第二部(1953)見る。”駅の別れ”映画あれこれ。

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「君の名は」の第二部(1953)を見た。舞台の多くが北海道と佐渡。北海道では昭和28年(1953年)ごろは、駅の出迎えなどに幌馬車スタイルの馬が使われていた。馬に乗っていたのはアイヌ娘・ユミ(北原三枝⇒後の石原裕次郎の妻・石原まき子)。余談だが、北原三枝の女優人生は「狂った果実」など、わずか8年間だった。

アイヌでは、女性が一人称で「オレ」と言っていた。かなり積極的で、新しい女性像を体現していたようだ。

今このドラマを見ると、二枚目俳優と言われた佐田啓二演じる後宮春樹はモテモテだが、ドンファンのようにも見える。誰にでも親切で、いい人オーラを出すのだが、何事も受身の姿勢で、煮え切らないのだ。

第二部のラストでは、真知子(岸恵子)が北海道の後宮春樹(佐田啓二)に会いに来たが、真知子は裁判所からの呼び出しを受け東京に帰らなければならなくなる。

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車内に入った真知子は窓ガラスを全開にして互いに別れの言葉を交わすところで終わった。字幕で「真知子と春樹はいつか結ばれることがあるのだろうか…」という言葉が見るものをやきもきさせていたようだ(笑)。結末は「完結編」(翌1954年公開)へというわけだ。

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ということで、駅(電車)での別れのシーン(特にラストシーン)という点で、いくつか拾ってみた。 

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まずはイタリアのベニス(現地ではヴェネツィア)を舞台にした「旅情」(1955)。”オールドミス”という言葉が使われるようになった時代。独身の38歳のジェーン・ハドソン(キャサリン・ヘプバーン)は長期休暇を取り、念願だったヨーロッパ旅行を敢行。8ミリカメラを持ち、まさにお上りさんそのもの(笑)。そのジェーンのヴェネツィアサン・マルコ広場で一人のイタリア人男性レナード(ロッサノ・ブラッツィ)と出会って、別れるまでを描く。

38歳の役を当時48歳のキャサリン・ヘプバーンが演じているのが若干違和感があった(笑)。ステイ先の婦人が「奇跡を求めてるんだったら行動しなきゃ」の言葉が、旅先のアバンチュールは積極的に、と後押ししているようだった。

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ラストシーンで、くちなしの花を持って列車を見送るイタリア男に、列車の窓から半分体を乗り出して見えなくなるまで手を振るジェーンが印象的だった。

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決定打はこれ、なんといっても「ひまわり」(1970)。夫アントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)が戦地のシベリアで記憶喪失になって、若い娘と結婚していた事実に驚くジョバンナ(ソフィア・ローレン)。シベリアから列車に飛び乗りアントニオと分かれるが、後からアントニオが会いに来るが、再び別れの時が来るラストシーン。

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列車の窓ガラス越しに哀しみの表情のアントニオを見送るジョバンナが号泣。観客ももらい泣き。

 

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駅 STATION」(1981)で、警察官の英次(高倉健)が雪の降り続く銭函駅ホームで、妻の直子(いしだあゆみ)と4歳になる息子義高に別れを告げる。

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離婚を承諾した直子は、動き出した汽車の中で、英次に笑って敬礼する。しかし、その目には涙が溢れていたのだった。

 

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終着駅」(1953)はイギリスの「逢びき」に匹敵する映画を作ろうと製作された。イタリア・ローマのテルミネ駅を舞台に人妻と若い男の不倫を描いた。ジェニファー・ジョーンズが美しい。

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逢びき」(1945)は、互いに配偶者を持つ身でありながら道ならぬ恋に惑う男女の出会いと別れを描いた恋愛映画の傑作。出演はトレバー・ハワードとシリア・ジョンソン。

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 全編にわたってラフマニノフピアノ協奏曲第2番がBGMとして効果的に使用されたことでも有名。

 

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昼下りの情事」(1957)。チェロを学ぶ純情なパリ娘・アリアーヌ(オードリー・ヘプバーン)。アメリカの大富豪・フラナガン氏(ゲーリー・クーパー)。アリアーヌがホテルを訪れた時、フラナガン氏は荷造りを終えていた。フラナガン氏は、アリアーヌに惹かれていて心が乱れるが、世慣れた風を装う。アリアーヌはリヨン駅まで見送る。

 

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発車の瞬間だった。フラナガン氏はアリアーヌを列車に抱えあげるのだった。プラットホームには二人を微笑んで見送る私立探偵でアリアーヌの父・シャヴァス(モーリス・シュヴァリエ)の姿があった。

 ほかにもまだまだたくさんありそう。