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映画「ステラ 真昼の誘拐」(Netflixオリジナル、2019、ドイツ映画)を見た。

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Netflixオリジナル映画「ステラ 真昼の誘拐」(2019、ドイツ映画)を見た。登場人物は3人だけ舞台も8割が監禁部屋だけ。しかし、脚本の面白さで、サスペンス感が溢れる。

冒頭、二人の男が、手際よく無言で作業。何をしているのかと思ったら、どこかの空き地にある誰も住んでいないアパートの一室を隠れ家のように改造している。窓を覆い、入口の施錠は頑丈に、ベッドを運び込む。

二人の男は、身代金目当てで、金持ちの娘ステラを誘拐、目隠しをして、監禁部屋に運び、両手両足を手錠でベッドにくくりつける。

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男の一人はトム。実は、ステラの元カレで、もうひとりの男・ヴィックはトムの刑務所仲間だ。トムが一方的にステラに恨みを持っていたことから、今回の誘拐計画のターゲットにしたのだ。トムは、ステラのことは新聞で見て知ったとヴィックに話していたので、トムとステラの関係は知らない。しかし、そのことをヴィックはいつ知る事になるのかハラハラさせる。ヴィックはトムと違って筋金入りの犯罪者。二人の関係がバレたらステラもトムも裏切り者として始末されるのは明白。

ヴィックはちょっとしたトムの動きや反応も見逃さない徹底ぶり。ステラと犯人二人との間の緊張感に加えて、トムとヴィックの関係も綱渡りの状態がハラハラさせるのだ。

緊張感がわずか3人という登場人物ながらひしひしと伝わってくる。娘の父親に身代金を払わせるため、娘が助けを求めている姿をカメラで撮影し、娘から聞いた父親のメールアドレスに送るのだ。

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両手両腕を縛られた娘も、当然トイレが必要になる。そのあたりの描写が細かい。”小”なら指1本、”大”なら指2本(じゃんけんのチョキ)で知らせろというのだが…。このあたりの描写がリアル。女優も凄い。ステラは、両手両足を拘束されているから、誘拐犯たちにパンツを降ろされ尿瓶を差し出されるのだ。大の時には…。

さすがに、見張られていては、出るものも出ないので、見張り(トム)に後ろを向いてもらうのだが・・・。一瞬の隙を突いて、相手から銃を奪い、逆転攻勢にでたかと思われたが…。

・・・

トムの不自然な動きを見逃さないヴィックの鋭さ、怖さ。それに対して、やや間が抜けた印象のトム。この二人の神経戦が緊張を高める。果たして、身代金は払われるのか、また犯人たちは・・・。ヴィックが出かけている間に、ステラとトムの間で何があったのかを勘付くヴィックの反撃は・・・。

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天下のNetflixとて、これは低予算の映画のようだ。それでもサスペンス仕立てで見応えがあった。タイトルが陳腐なのが気になるが。