「グリンゴ/最強の悪運男」(原題:Gringo、2018)を見る。「マトリックス」シリーズや「華麗なるギャツビー」などでスタントマンを演じてきたナッシュ・エジャートンの監督デビュー作。
Netflixでは、視聴者の好みや傾向に応じたアルゴリズムで、この映画はどうだと次から次に紹介してくるが「おすすめ度99%」とあり、シャーリーズ・セロンが出ているので見た。
シャーリーズ・セロンは、かなりビッチ(性悪女、尻軽女)の役だが、一人芝居のうまさに引き込まれて、そこは価値があった。ストーリーは、偽装誘拐の話で、既視感ありありの映画だった。
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製薬会社の管理部長としてシカゴ本社とメキシコ工場を行き来し、朝から晩までマジメに働いてきたハロルド(デヴィッド・オイェロウォ)だったが、モンスター上司のリチャード(ジョエル・エドガートン)にいいようにこきつかわれて、次の仕事が終わるとクビにされる寸前。
しかも、ハロルドは、妻からも「離婚したい」と言われる始末。その理由が「仕事一辺倒で何も(妻が浮気しているのに)見えていない」というものだった。その浮気相手が、なんと妻のビジネスの唯一の顧客であるリチャードだったことがあとからわかる。
リチャードは、会社の共同経営者のエレーン(シャーリーズ・セロン)とも関係を持っている男で、ついにハロルドがとった行動は、出張先のメキシコで偽装誘拐を演じて身代金5億円を奪うという初の悪事の計画だった。
ところが、ハロルドが死ねば、会社に保険金が入ることに気づいたリチャードは、身代金を払うどころか、殺し屋を雇って、ハロルドを始末しようとするのだが・・・。
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シャーリーズ・セロンが製作・出演の2役を担っているが、ビジネスの交渉相手に色仕掛けで挑むエロティックなセリフも笑わせる。さすがにセロンもリハーサルで赤面したという。
お人好しで温厚で正直者すぎて、貧乏くじばかり引いてきた男と、悪徳最低経営者とのバトルと、爽快なラストまで完全予測不能のスーパーリベンジ・エンターテインメントという宣伝文句だが、80%割引程度のエンタメ映画だった。
タイトルのグリンゴというのは、中南米地域で、アメリカ人旅行者などを軽蔑的に的に言う言葉で、よそ者といったニュアンスのようだ。