ディズニーアニメ映画「ダンボ」(原題:Dumbo、1941、日本公開1954)をブルーレイで見た。公開当時のタイトルは「空飛ぶゾウ ダンボ」。ダンボは小象の名前。今年公開された実写版リメイクを見たが、オリジナル・アニメを強く勧める人もいたのでこの機会に見た(笑)。
最初にカラーによるCG技術を駆使した映画を見たので、リメイク実写版のインパクトが強く、オリジナルアニメをはじめて見た人との印象は少々異なると思うが、オリジナルでは母親象ジャンボとダンボの母子の関係、触れ合いは愛情たっぷりに描かれている。
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コウノトリたちが、サーカスをめがけて、トラ、クマ、キリンなど様々な動物の赤ん坊をとどけるが、サーカスの象のジャンボのもとに、コウノトリが一匹の赤ちゃん象を届けた。ジャンボの周りの象たちはちは、最初はかわいい子象と言っていたが、耳が大きいのを知ると、笑いものにし、ダンボとあだ名をする。
それでもジャンボは、我が子ダンボに愛情をたっぷり注ぎ、大切に育てた。
ある日、サーカスを見に来た子供にダンボがイタズラされているのを見て、ジャンボはたまらずその子供をお仕置きする。
サーカス団員がそれを止めに来るが、興奮したジャンボは思わず団長を投げ飛ばしてしまい、”凶暴な象”として檻に入れられてしまう。
耳が大きいだけで化け物扱いされたダンボは誰にも慰めてもらえず、生まれた直後から母親から引き離されるという苦しさの中から、悲しみのどん底に落ちる。
これを放っておけなかったサーカス団員のネズミ、ティモシー(チモシーマウス)はダンボを助けるため、ダンボをサーカスのスターにすることを提案する。
象のピラミッドの頂上へジャンプさせるショーを思いつくが耳を踏んで突撃し失敗。テントはずたずたに壊れたことで、ダンボはピエロにされてしまう。
失意の中、お酒が入った水をダンボとティモシーは誤って飲んでしまい、酔っ払って踊るピンクの象の夢を見る。そして、翌朝。目が覚めると2人は木の上で眠りこけていた。
それがきっかけで、ティモシーはダンボが耳を翼代りにして空を飛べることに気がつき、ダンボを空から飛び立たせようとするが、木の上に住むカラス達からも嘲笑われる。
しかし、ダンボの哀れな身の上をティモシーが激白すると、カラスたちはその言葉に胸打たれ、涙する。そして、カラスたちは改心し「空を飛べるようになれる魔法の羽」をダンボに授けたのだった。
魔法の羽を鼻先で握り締めたダンボは、促されるまま崖から飛び降り見事大空へと飛び立つことができた。
そして、サーカスのピエロショーの舞台に再び立ったダンボ。高い建物の上から、下は火が燃え盛る中で、ダンボは飛び降りるが、その途中で、魔法の羽を飛ばしてしまう。
しかし、その羽はただの羽でカラスたちがダンボを励ますためのおまじないだった。羽がなくても、空を飛ぶことができたダンボは大勢の観客やサーカスの面々の前で華麗な飛行を披露した。
無事ショーを成功させたダンボはサーカスの花形スターとなり、母親とも再会を果たし、カラスたちに別れを告げてサーカスの向かう次の街に旅立つのだった(Wikiを一部修正)。
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ダンボは、大きな耳を持つ丸々としてかわい象の赤んぼうで、言葉は発しない。サーカスでは耳を馬鹿にされ、母親と離ればなれになったうえピエロにされ笑いものになるなど辛い日々を送るが、耳を翼のように活かし空を飛べるようになり、サーカスのスターになって活躍する。
実写版では登場しないが、鼓笛隊の格好をしたネズミ・ティモシーは、ダンボのよき理解者で、ダンボを馬鹿にした象たちをびびらせた後にダンボを励ましたことでダンボの親友となる。
オリジナル・アニメと実写版の違いでは、オリジナルは64分、実写版は1時間52分とほぼ2倍の長さ。オリジナルアニメはダンボを中心に、サーカスの動物たちをキャラクターとしてストーリーが進んでいく。人間としてのキャラは団長とダンボにいたずらする意地悪な少年くらいで、観客などは背景といってもいいくらいの扱い。
ダンボの親友であるネズミのティモシー、ダンボが飛ぶきっかけになったカラスたち、そしてダンボの姿をあざ笑う他のゾウたちなど、動物の世界の話としてアニメは進んでいく。
一方、実写版では、アニメでメインキャラとして使われていたしゃべる動物は一切、カットされている。その代わりに、ダンボの世話係として新キャラのファリア一家、より重要なキャラクターとなった団長、他のサーカスのメンバーなど、多くの人間キャラクターがダンボの周りを彩っている。
オリジナルアニメではダンボはコウノトリによって運ばれてきたが、実写版ではジャンボの初シーンは妊娠中として登場する。
ティム・バートン監督はオリジナルアニメに敬意を払って、ダンボが生まれる前日、ジャンボが入れられている貨車の窓からコウノトリの一群が空を飛んでいくシーンが入れられていた。
新旧比較してみるのも面白い。