オープニング映画は、「カメラを止めるな!」の上田監督をはじめとする3人のクリエーターが再結集した「イソップの思うツボ/Aesop’s Game」(2019)。一般公開は8月だが、この機会に見に行く予定。
2004年に埼玉県川口市で誕生した「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」は、今や映画の新たなスタンダードとなったデジタルシネマにいち早くフォーカスした国際コンペティション映画祭。映画産業の変革の中で新たに生み出されたビジネスチャンスを掴んでいく若い才能の発掘と育成を主軸に成長を重ねてきた。今年、16回目の開催となる。
本映画祭の中核は「コンペティション」。
国際コンペティションと国内コンペティションがあり、長編作品を対象にした国際コンペティションには広く世界中から応募された作品が登場する。長編と短編の二部門で構成される国内コンペティションは、日本の若手映像クリエイターの作品を厳選して上映。本年は92の国と地域から、合計861本の応募があった。
審査員は、国際コンペティション、国内コンペティションともに、国内外の映画業界の第一線で活躍する方々で構成。第一次審査を経てノミネートされた作品は、映画祭会期中に審査され、最終日に最優秀作品賞をはじめとする各賞が発表・授与される。
これまで本映画祭で上映された作品や監督の多くが、その後国内外で目覚ましい活躍を見せている。 海外作品では、2007年に「うつろいの季節(とき)」で長編部門(国際コンペティション)最優秀作品賞を受賞したヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督が「スリー・モンキーズ」(2008)でカンヌ国際映画祭監督賞、「昔々、アナトリアで」(2011)で同グランプリ、「雪の轍(わだち)」(2014、写真)で同パルムドールと、3作連続での受賞を果たした。
2012年長編部門(国際コンペティション)で監督賞・SKIPシティアワードをW受賞した「チチを撮りに」の中野量太監督は、商業映画デビュー作「湯を沸かすほどの熱い愛」(2016)が日本アカデミー賞の二部門で最優秀賞を受賞し、続く「長いお別れ」(2019)、「浅田家」(2020予定)と話題を呼んでいる。
直近では、2018年の国内コンペティション(長編部門)優秀作品賞・観客賞をW受賞した片山慎三監督の「岬の兄妹」(2018)がSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザの支援事業により全国公開され、各所で高い評価を得るとともに興行的にも大きな成功を収めた。
さらに、2018年の日本映画界最大の話題作であり、SKIPシティでも撮影された「カメラを止めるな!」(2017)の上田慎一郎監督は、「恋する小説家」(2011)、「テイク8」(2015)で2度短編部門にノミネートされ、今年のオープニング作品「イソップの思うツボ」(2019)の監督の一人として凱旋する。
■「イソップの思うツボ/Aesop’s Game」(2019)。
カメだけが友だちの女子大生、亀田美羽。大人気“タレント家族”の娘、兎草早織。“代行屋父娘”として暮らす戌井小柚。3人の少女が出会う時、最高の奇跡が起こる。これは甘く切ない青春映画…ではない!誘拐、裏切り、復讐、はがされる化けの皮!
【「イソップの思うツボ」詳細】http://aesop-tsubo.asmik-ace.co.jp/
コンペ出品作品も面白そう。