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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「道」(1954、イタリア)再見。 フェデリコ・フェリーニの代表作。

 
」(原題:(伊)La Strada)を再見した。1954年製作イタリア映画
日本では1957年5月に公開された。監督は、フェデリコ・フェリーニ1956年のアカデミー外国語映画賞を受賞した。自他共に認めるフェリーニの代表作の一つ。
 
フェリーニの作品の中では最後のネオリアリズム映画といわれる。アンソニー・クイン以外は日本では無名で、ジュリエッタ・マシーナも美人とは言いがたかったが、日本でも上映されると口コミで評判を呼んだ。
 
(ストーリー)
旅芸人のザンパノアンソニー・クインは芸の手伝いをするローザという女が死んでしまったため、その妹のジェルソミーナジュリエッタ・マシーナをタダ同然で買い取った。ジェルソミーナの母親が受け取ったのは10,000リラ(イタリアの通貨で、ユーロに代わる2002年まで使われた。10,000という数字は大きいが日本円換算で700円程度。現在の貨幣価値で見ても6,000円程度か)。
 
ジェルソミーナは,母親の喜ぶ姿に、ザンパノに売られていくことになる。
粗野で暴力をるうザンパノと、頭が弱いが心の素直なジェルソミーナは一緒に旅に出るのだった
 
 
 
道化の格好で芸をするジェルソミーナ。新しい生活にささやかな幸福さえ感じていたのだが、ザンパノの態度に嫌気が差し、街へと逃げてしまう。そこで陽気な綱渡り芸人イル・マット(リチャード・ベースハートに出会う。
 
ジェルソミーナはザンパノに連れ戻されるが、イル・マットのいるサーカス団に合流することになる。イル・マットはザンパノと古くからの知り合いらしく、何かとからかってザンパノを逆上させる。
 
ある日、我慢の限界を超えたザンパノはナイフを持って追いかけるのだが、その行いで警察に逮捕されてしまう。
 
イル・マットはサーカス団から追放され、ジェルソミーナに助言を与え去って行く。翌日、ジェルソミーナは釈放されたザンパノを迎え、2人だけで芸をする日々をすごした。
 
しかし後日、ザンパノは故障した自動車を直す綱渡り芸人を見かける。仕返しする機会を待っていたザンパノは綱渡り芸人を撲殺してしまう
 
ジェルソミーナは、綱渡り芸人の死に放心状態となり、なきがらのそばから離れようとしなかった。ザンパノは、大道芸のアシスタントとして役に立たなくなったジェルソミーナを見捨て、居眠りしているジェルソミーナを置き去りにして去っていく
 
数年の時が流れ、見知らぬ海辺の町に立ち寄ったザンパノは、耳慣れた歌を耳にした。ザンパノが、口ずさんでいた女にたずねると、ラッパを吹いていた旅芸人の女が歌っていたが、しばらく海岸を放浪していたが、誰にも省みられることなく死んでいったという。ザンパノは、ジェルソミーナが死んだことを知り、絶望的な孤独感に打ちのめされ、海岸でひとり嗚咽を漏らすのだったWikiなど)。
 
・・・
「道」は1971年にテレビ放送された時に見ている。
当時はアラン・ドロンロバート・レッドフォードクリント・イーストウッドチャールズ・ブロンソンなどの映画が全盛期で、イタリアのモノクロの地味な映画で、「鉄道員」などと並んで音楽は印象に残るものの、暗い印象があり、その映画の凄さというのは理解していなかったようだ。
 
今見直してみて、綱渡り芸人の言葉、粗野を体現したようなザンパノの生き様、薄幸の代名詞のように言われるジェルソミーナの無垢でアタマが少々弱いが健気な生き方などがよく描かれているのがわかる。
 
綱渡り芸人が、ジェルソミーナに言うセリフ。
「お前の顔はおかしいね。女なのか。まるでアザミのようだ」と。さらに続けて「ザンパノにロバのようにこき使われるより、一緒に綱渡りサーカスをやらないか」と誘うのだ。自信を失っているジェルソミーナに「世の中のものは、石ころでもなにかの役にたっている。よくは分からないが、空の星だって、アザミの顔のお前だって、役に立っている」と元気づける。
 
綱渡り芸人のバイオリンのメロディに魅せられるジェルソミーナは、バイオリンの演奏のあとに続いてラッパを吹くのだが、この時ばかりは、ジェルソミーナは生き生きしていた。ジュリエッタ・マシーナが悲しそうな表情や、嬉しそうな表情や、絶望の表情など様々な顔を見せる。時には女チャップリンのような道化の仕草で笑わせる。
 
アンソニー・クインは、1952年「革命児サパタ」マーロン・ブランドと共演。アカデミー助演賞を受賞。以降はその実力を存分に発揮して共演した俳優陣を強烈な存在感で圧倒。1954年の「道」では本能を剥き出しにする主人公を演じて国際的スターとして踊り出た。この当時39歳だった。
 
ニーノ・ロータのテーマ曲が何度も出てくるが、そのメロディが印象深い。
 
                              映画のハイライトシーン。
 
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