監督は「インセプション」「インターステラー」などで、時代を先取りするような映画で今や名匠といわれるクリストファー・ノーラン監督。
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画面には、ラストシーンが最初に現れ、時系列が逆に登場。まず面食らう。
しかも、カラーとモノクロのシーンが交互に登場。よく見ていると、この2種類の映像で、カラー・パートは終りから始まりへ、モノクロ・パートは初めから終りへ、と描かれていく。言い換えれば、物語の一点に向かって時間軸の過去と現在の両端から迫っていくという展開になっている。
主人公レナード(ガイ・ピアース)は、何者かに妻を殺され、犯人探しをするのだが、記憶が10分で消えてしまうという記憶障害にかかっていた。
レナードをめぐって登場する人物たちは、レナードと現実にどう関わっているのか、レナードの妻殺しにも関わっているのか、味方なのか、敵なのかといったミステリーが謎を呼ぶ。
レナードは、記憶が消える前に、目の前の「事実」を忘れないために、ポラロイドカメラを使って撮影し、記録のメモを残すことにする。
メモだけでなく、自分の体に、文字をタトゥーとして残すのだ。
記憶がなくなったあと、この写真とメモを頼りに、探偵のような行動を取るのだが・・・。
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登場する人物が皆ウソをついており、レナードが短期の記憶障害であることを利用して、自分たちに利益を得ようとしていることがわかってくる。
モーテルの受付係バートは、レナードが記憶障害であることに目を付け、レナードに部屋を2つも貸していた。
レナードに馴れ馴れしく近づいてくるテディは、レナードの復讐心を利用して、次々に殺させる相手を提供。テディは、かつて警察官だった。レナードと同様に、相方(夫)を亡くしたというナタリーという女性は、なにかとレナードを手助けするが、テディのことを「あの警官」と呼んでおり、警察の資料をレナードに渡したりしている。
テディは警察官といっても、押収した麻薬の横流しか、密売を黙認して賄賂を得るなど不正行為をしていたと思われる。麻薬取引の深みへとはまって行き、ミイラ取りがミイラになったようなもの。
ナタリーも、ウソをついていた。
テディは警察官といっても、押収した麻薬の横流しか、密売を黙認して賄賂を得るなど不正行為をしていたと思われる。麻薬取引の深みへとはまって行き、ミイラ取りがミイラになったようなもの。
ナタリーも、ウソをついていた。
まず、真実はジミーという人間がナタリーの恋人であり、ジミーが最後に取引したのがテディであると言っていること。ジミーがレナードに殺される前にテディの名を呼びながら取引場所に来ているので確かなこと。
ナタリーが働いているバーの店に、レナードが恋人であるジミーの服を着て、ジミーの車で現われ、ジミーに渡したはずのコースターのメモを見せたので、ジミーの身に何かがあったことを悟ったはず。目の前の男レナードは本当に記憶がないとわかると、ナタリーはレナードを利用することにする。
困ったのはテディ。
実はナタリーとジミー、テディは麻薬取引でグルになっていたのだ。
ジミーが麻薬を調達し、ナタリーがバーで客から注文をコースターの裏に書いて受け取る。テディはそれを黙認する代わりに口止め料をもらっていたのだ。
しかし、ジミーが殺された今、テディはジミーを殺したのがレナードであり、かつそれをおぜん立てしたのがテディ自身であることがバレるとまずいことになる。そこでテディは、ナタリーからレナードを引き離そうと、ナタリーの家ではなく、モーテルに泊まるようにレナードに仕向け、さらに「ナタリーを信用しないように」と警告する。
ナタリーは、恋人ジミーの最後の取引相手はテディだったことを知っているので、テディに対してなんとか復讐したいと思っていた。ただ、それだけのためにレナードを使うのはもったいないとも考えていた。
しかし、ジミーが殺された今、テディはジミーを殺したのがレナードであり、かつそれをおぜん立てしたのがテディ自身であることがバレるとまずいことになる。そこでテディは、ナタリーからレナードを引き離そうと、ナタリーの家ではなく、モーテルに泊まるようにレナードに仕向け、さらに「ナタリーを信用しないように」と警告する。
ナタリーは、恋人ジミーの最後の取引相手はテディだったことを知っているので、テディに対してなんとか復讐したいと思っていた。ただ、それだけのためにレナードを使うのはもったいないとも考えていた。
ナタリーは、ジミーが20万ドルを持っていなくなったことで、密売仲間のドッドという男から脅迫を受けていた。麻薬と20万ドルを返すように脅してくるドッドを黙らせ、ナタリー自身の身の安全を確保する必要があった。
恋人ジミーの復讐よりも、自分の身の安全が先。
恋人ジミーの復讐よりも、自分の身の安全が先。
そこで、わざとレナードに顔を殴らせ、ナタリーを殴ったことを忘れたレナードにはドッドに殴られたと訴えて、レナードにドッドを捕まえさせた。
一方で、ナタリーはドッドに「20万ドルとジミーが持っていた麻薬は、レナードというジミーのジャガーに乗っている男が持っている」といったとみられる。
そこでドッドはレナードを追いかけた。
一方で、ナタリーはドッドに「20万ドルとジミーが持っていた麻薬は、レナードというジミーのジャガーに乗っている男が持っている」といったとみられる。
そこでドッドはレナードを追いかけた。
ナタリーは、ドッドがレナードを殺そうが、レナードがドッドを殺そうがどちらでも構わない。自分の身が安全になり、ジミーが家に残した麻薬は自分のものになるのだ。
ドッドとレナードの勝負はレナードに軍配があがった。
ナタリーは、レナードに「ジョン・Gを殺すのを手伝えるかもしれない」。
ドッドとレナードの勝負はレナードに軍配があがった。
ナタリーは、レナードに「ジョン・Gを殺すのを手伝えるかもしれない」。
ドッドがいなくなり、自分の身の安全が確保できたナタリーは今度は恋人ジミーの復讐に取り掛かった。
ナタリーは、恋人ジミーに最後に会っていたテディが何らかの形でジミーの消息不明に関与していることを確信していた。ジミーの復讐とはテディを殺すことだった。
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(あらすじ)
復讐のために犯人探しを始めたレナードは、覚えておくべきことをメモすることによって自身のハンデを克服し、目的を果たそうとする。出会った人物や訪れた場所はポラロイドカメラで撮影し、写真にはメモを書き添え、重要なことは自身に刺青として彫り込む。しかし、それでもなお目まぐるしく変化する周囲の環境には対応し切れず、困惑して疑心暗鬼にかられていく。
果たして本当に信用できる人物は誰なのか。真実は一体何なのか。
■主な登場人物:
■レナード・シェルビー:ガイ・ピアース
物語の主人公である男性。事件以前は保険会社の調査員をしていた。妻が強姦・殺害される現場を目撃し、その犯人により受けた外傷で、事件後、記憶が10分間しか保てなくなってしまう。そのために物語の中では、自分がどんなつもりで今何をしているのか、今話している会話の趣旨は何なのか、解からなくなってしまう場面がしばしば見られる。
■ナタリー:キャリー=アン・モス
レナードを手助けする謎の女性。彼の依頼でとある調査を行った。
■テディ:ジョー・パントリアーノ
レナードの犯人探しを手伝う男。レナードに対して妙に親しげで、たびたび助言や忠告、手助けをしてくれる。彼の死が物語の始まりであると同時に結末でもある。
■バート:マーク・ブーン・ジュニア
レナードが泊まっているモーテルのフロント係。
■レナードの妻:ジョージャ・フォックス
回想の中で登場。
■サミュエル・“サミー”・ジャンキス:スティーヴン・トボロウスキー
レナードがかつて担当していた顧客。主人公と同様、事故により前向性健忘を患っている(ただし彼の場合、記憶を保持出来るのは2分間だけ)。
レナードは彼のことを教訓として、自身の症状に上手く対処しようとしている。
■ジャンキス夫人:ハリエット・サンソム・ハリス
サミーの妻。前向性健忘を患っている夫との関係に疲れている。
■ドッド:カラム・キース・レニー
レナードを襲う謎の男。
■ジミー:ラリー・ホールデン
ナタリーの行方不明の恋人。
★★(辛口)
(一度みただけでは消化不良で混乱。かと言って、2度見るのもしんどい)
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