fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

★俳優チャドウィック・ボーズマン追悼:映画「キングのメッセージ」(2016)を見る。

f:id:fpd:20201225171932p:plain

キングのメッセージ」(原題:Message from the King、2016)を見る。監督はファブリス・ドゥ・ヴェルツ、主演はチャドウィック・ボーズマンNetflixオリジナル製作の作品で、日本国内の劇場公開はなく、Netflix配信のクライム・サスペンス。

アメリカにおける映画の歴代興行収入で4位の「ブラックパンサー」で主演を務めたチャドウィック・ボーズマンは今年8月28日がんのため亡くなった(43歳)。ボーズマンは2013年、映画「42〜世界を変えた男〜」のジャッキー・ロビンソン役で主演を務めたことでも知られる。

 

f:id:fpd:20201225171957j:plain

・・・

南アフリカ共和国ケープタウン。ジェイコブ・キング(チャドウィック・ボーズマン)の元に長らく疎遠だった妹、ビアンカから助けを求めるメールが届いた。

そこで、ジェイコブは妹が暮らすロサンゼルスへへ向かった。空港の税関では、クレジットカードもなく所持金はわずか600ドルと少なかったが、1週間の滞在予定が始まった。

ジェイコブがビアンカの自宅に着いたが、そこに彼女はいなかった。近所の住人から「ビアンカの夫は少し前に失踪した」「ビアンカは要らないものを処分した後にどこかへ行ってしまった」という情報を得た。しかし、ビアンカの行き先は見当もつかなかった。

ジェイコブはビアンカに家を貸し出していた女性の下を訪ね、ビアンカジーコと名乗る男に誘拐されたと聞かされた。ジェイコブはすぐさまジーコルーカン・メルコニアン)を探し出し問い詰めたが、何も知らないと答えるばかりだった。

その後、立ち寄った店の店主から「死体安置所をチェックしてみたどうか」とアドバイスされ、安置所でビアンカの遺体を発見。遺体には凄惨な拷問を受けた形跡があった。

ビアンカの所持品をくまなく調べたところ、ジェイコブはビアンカジーコ一味と一緒に映っている写真を複数枚発見。怒ったジェイコブは、ふたたびジーコンのところに行き「お前を殴ったのは上役、デューク(アーサー・ダルビニャン)へのメッセージだと伝えろ」と言い、ジーコを殴り携帯を盗んで立ち去った。

その後、ジェイコブはビアンカの家の近所に暮らすトリッシュナタリー・マルティネス)が開いたパーティーに参加して情報収集に励み、ビアンカが麻薬を買っていた売人の名前を突き止めた。

ジェイコブは、フランキー(トム・フェルトン)をおびき出して脅しつけた後、彼の携帯電話を盗んで立ち去った。ジェイコブがモーテルに戻ると、売春婦、ケリー(テリーサ・パーマー)に出くわした。

ケリーはジェイコブが見て見ぬふりをしてくれたことに感謝し「私の自動車を好きに使っていい」と言ってくれた。

ジェイコブはビアンカの紹介と称して彼女が通っていた歯科医、ウェントワース(ルーク・エヴァンス)に接触した。ウェントワースからビアンカが夫の借金の埋め合わせに売春を強要されていたことを聞き出したが、どうにも釈然としないものを感じた。そこで、ジェイコブはウェントワースを尾行することにした。

行き着いた先はハリウッドの大物プロデューサー、マイク・プレストン(アルフレッド・モリーナ)の邸宅であった。驚くべきことに、邸宅にはビアンカの息子、アーマンド(ディエゴ・ジョセフ)の姿があった。さらなる捜査の結果、ジェイコブは真実に辿り着くが、それはあまりにもおぞましいものだった(Wiki)。

・・・

行方不明の妹を探すためアフリカからロサンゼルスにやってきた主人公ジェイコブ・キングの犯人さがしのダークな世界を描いたクライム・サスペンス。

ロサンゼルスというと、犯罪、麻薬の密売、売春、悪徳警官、暴力などが映画で取りざたされるがそれらすべてが含まれていた。大都市の暗部をこれでもかと描いているので、少々、眠気も催すが、チャドウィックの悲壮感漂う演技は見どころだった(このころからがんに冒されていたというのだが・・・)。

ジェイコブ・キングが南アフリカに帰国すると、キングは仲間たちの出迎えを受けるが、実は職業は刑事だった。「妹さんは見つかったか。元気だったか」と聞かれ、キングは「ああ」と何もなかったかのように答えたが、目には光るものがあり、無念と憤りに満ちた複雑な表情だった。

 

f:id:fpd:20201225172138p:plain

■主な登場人物:

チャドウィック・ボーズマン- ジェイコブ・キング

ルーク・エヴァンス- ポール・ウェントワース医師

テリーサ・パーマー- ケリー

ナタリー・マルティネストリッシュ

アルフレッド・モリーナ- マイク・プレストン

トム・フェルトン- フランキー

デイル・ディッキー- ミセス・ラズロ

ジェイク・ウィアリー- ビル

ドリュー・パウエル- メリック

クリス・マルケイ- フランク・リアリー

トム・ライト- ウェイロン

シボンジレ・ムランボビアンカ・キング

アナ・ディオプ- ベッカ

エヴァ・コルカー- ブート

ローマン・ミッチャン- ヴリオーニ

ルーカン・メルコニアンジーコ

ジェームズ・ジョーダン- スコット

アーサー・ダルビニャン- デューク

ディエゴ・ジョセフ- アーマンド

ジョノ・ロバーツ- ライス

ウェイド・ウィリアムズキーガン

 

マ・レイニーのブラックボトム 」(2019)が遺作となったチャドウィック・ボーズマンだが、来年3月に発表されるアカデミー賞ノミネーションで、ノミネートされるかどうか。先ごろのロサンゼルス批評家協会男優賞は受賞した。