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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「キートンの大列車追跡」(1927)(別名「キートンの大列車強盗」)

 
キートンの大列車追跡(原題:The General、1927)を見た。
日本初公開時のタイトルは「キートン将軍」。後に「キートン大列車強盗」となり、
1970年代のリバイバル上映時に「キートンの大列車追跡となった。登場する蒸気機関車の名称が「将軍」でもある。
 
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舞台は南北戦争。機関士のジョニーバスター・キートンは、世の中こぞって兵隊志願の中、入隊を志願するが、拒否される。上背がないからか。そうではない。同じ背格好の男が許可されている。
 
職業が「機関士」だったからだ。許認可の責任者が「機関士として貢献させろ」の一言で、名前を変え、職業も「バーテンダー」にしても見破られてしまった。
 
 
恋人のアナベルマリアン・マック)も、ジョニーに入隊を勧めていたのだが、知人たちに「ジョニーは入隊したのか」と聞くと「列にも並んでおらず、南部の面汚しだ」と言われる。アナベルは、ジョニーが臆病者だと誤解してしまうのだった。
 
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蒸気機関車や大砲、特製の乗り物など巧みに使われる小道具も面白く、計算されたギャグも満載。汽車の追っかけシーンは、迫力満点。
 
 
列車が、橋から落ちるシーンは、のちの「戦場にかける橋」をも彷彿とさせる大迫力。本物の機関車を鉄橋ごと川に落下させるのだが、この場面だけで映画製作予算42万ドルの大半を使っているという。スケールの大きさだけでなく、機関車の線路の切り替えのテクニックを使ったアクション描写も巧み。
 
キートンが車両から車両に飛び移るシーンや、追っての汽車の進路を妨害するために、あの手この手で障害物を線路に置くシーンも見所。
  
北軍の兵士に汽車で連れ去られた恋人のアナベルを、汽車で追いかけるのだが、敵陣の作戦会議のさなか、テーブルの下で息を潜めるジョニー。一人がタバコの火でテーブルクロスに穴を開けてしまう。この穴から、捉えられているアナベルを見る、ジョニーの目が覗くシーンなどは唸ってしまう。
 
機関車の外側の車両に腰掛けているジョニーが、車両の回転するままに動くシーンも圧巻。また後半、映画の画面の色がブルーのモノトーンに変化している。
 

この映画、音楽が素晴らしいと思ったら、日本の映画音楽の巨匠・久石譲が、映画公開80周年リマスター版を記念して音楽を新たに加えている。牧歌的な中にも勇ましさが感じられる音楽だった。
 
キートンの大列車追跡」(原題:The General、
1927)別名「キートン大列車強盗」「キートン将軍」
脚本アル・ボースバーグ、チャールズ・ヘンリー・スミス  
撮影バート・ヘインズ、デイヴ・ジェニングス
出演バスター・キートン、マリアン・マック、グレン・キャベンダー、ジム・ファーレイ、フレデリック・ブルーム、チャールズ・ヘンリー・スミス、フランク・バーンズ、ジョー・キートン、マイク・ドンリン、トム・ノーン
  
■2007年にAFI(アメリカ・フィルム・インスティトゥート)選出のコメディ映画ランキング100では18位に入っている
 
ちなみにAFIコメディランキング「トップ20」は以下のとおり。
1「お熱いのがお好き」(1959)
2「トッツィー」(1982) 
3「博士の異常な愛情」(1964) 
4「アニー・ホール」(1977)
5「我輩はカモである」(1933)
7「M★A★S★H マッシュ」(1970) 
8「或る夜の出来事」(1934)
9「卒業」(1967)
10「フライングハイ」(1980) 
11「プロデューサーズ」(1968)
12「オペラは踊る」(1935)
14「赤ちゃん教育」(1938)
16「雨に唄えば」(1952)
17「おかしな二人」(1968)
18「キートンの大列車追跡」(1927) 
 
チャップリンの作品は「黄金狂時代」(25位)「モダン・タイムス」(33位)「独裁者」(37位)「街の灯」(38位)。「卒業」がコメディというのが面白い。
 
 
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