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職業が「機関士」だったからだ。許認可の責任者が「機関士として貢献させろ」の一言で、名前を変え、職業も「バーテンダー」にしても見破られてしまった。
恋人のアナベル(マリアン・マック)も、ジョニーに入隊を勧めていたのだが、知人たちに「ジョニーは入隊したのか」と聞くと「列にも並んでおらず、南部の面汚しだ」と言われる。アナベルは、ジョニーが臆病者だと誤解してしまうのだった。
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蒸気機関車や大砲、特製の乗り物など巧みに使われる小道具も面白く、計算されたギャグも満載。汽車の追っかけシーンは、迫力満点。
列車が、橋から落ちるシーンは、のちの「戦場にかける橋」をも彷彿とさせる大迫力。本物の機関車を鉄橋ごと川に落下させるのだが、この場面だけで映画製作予算42万ドルの大半を使っているという。スケールの大きさだけでなく、機関車の線路の切り替えのテクニックを使ったアクション描写も巧み。
キートンが車両から車両に飛び移るシーンや、追っての汽車の進路を妨害するために、あの手この手で障害物を線路に置くシーンも見所。
北軍の兵士に汽車で連れ去られた恋人のアナベルを、汽車で追いかけるのだが、敵陣の作戦会議のさなか、テーブルの下で息を潜めるジョニー。一人がタバコの火でテーブルクロスに穴を開けてしまう。この穴から、捉えられているアナベルを見る、ジョニーの目が覗くシーンなどは唸ってしまう。
機関車の外側の車両に腰掛けているジョニーが、車両の回転するままに動くシーンも圧巻。また後半、映画の画面の色がブルーのモノトーンに変化している。
この映画、音楽が素晴らしいと思ったら、日本の映画音楽の巨匠・久石譲が、映画公開80周年リマスター版を記念して音楽を新たに加えている。牧歌的な中にも勇ましさが感じられる音楽だった。
撮影:バート・ヘインズ、デイヴ・ジェニングス
出演:バスター・キートン、マリアン・マック、グレン・キャベンダー、ジム・ファーレイ、フレデリック・ブルーム、チャールズ・ヘンリー・スミス、フランク・バーンズ、ジョー・キートン、マイク・ドンリン、トム・ノーン。
ちなみにAFIコメディランキング「トップ20」は以下のとおり。
1「お熱いのがお好き」(1959)
2「トッツィー」(1982)
3「博士の異常な愛情」(1964)
4「アニー・ホール」(1977)
5「我輩はカモである」(1933)
6「ブレージングサドル」(1974)
7「M★A★S★H マッシュ」(1970)
8「或る夜の出来事」(1934)
9「卒業」(1967)
10「フライングハイ」(1980)
11「プロデューサーズ」(1968)
12「オペラは踊る」(1935)
13「ヤング・フランケンシュタイン」(1974)
14「赤ちゃん教育」(1938)
15「フィラデルフィア物語」(1940)
16「雨に唄えば」(1952)
17「おかしな二人」(1968)
19「ヒズ・ガール・フライデー」(1940)
20「アパートの鍵貸します」(1960)
チャップリンの作品は「黄金狂時代」(25位)「モダン・タイムス」(33位)「独裁者」(37位)「街の灯」(38位)。「卒業」がコメディというのが面白い。
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