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<span itemprop="headline">映画「女の一生」(1962) 京マチ子主演。</span>



池袋・新文芸坐大映女優祭」(京マチ子特集)の2本目は女の一生(1962、増村保造監督)。デジタルリマスター版。上映時間:1時間30分。














女の一生」という題名の作品はモーパッサンをはじめ数多くあるが、本作は森本薫の戯曲が原作。同じ原作で広く知られているのは、春子による文芸座の舞台ロングラン上演。
 
時代は明治、大正、昭和の終戦までのおよそ40年間の戦争による動乱の時代に翻弄されるひとりのの波乱万丈の一生を描くというもの。

京マチ子は映画出演時は31歳。10代の娘から老けメイクで60歳前後までを演じる。上演時間が90分と短く、コンパクトにまとめて一生を描いているが、あまりにも時代の変化が激しく、連続ドラマの総集編といった印象だった
 
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■明治38年。旅順開城の祝勝気分に酔う提灯行列が東京の町を埋めていた。
そんな夜、布引けい京マチ子は堤家の一員になった。16歳のけいは両親を失い叔父夫婦に引きとられたが追い出され、路頭に迷い、堤家の賑やかさに魅かれて木戸口をくぐってしまったのだ。

そして、女主人しず東山千栄子に懇々と諭されたが、けいには帰る家がなかった。そんなけいを救ってくれたのは次男栄二田宮二郎だった。しずはこの薄幸な少女を引き取ることにした。けいは日増しに美しく成長していった。


 
ある日、しずはけいを一室に呼んで、もし堤家に恩を感じてるなら、長男伸太郎高橋昌也の妻になってくれるよう命令的口調で言った。その夜、けいは栄二への愛のかたみである櫛を泣きながら折った。
 
明治は大正になり、しずは死んだ。伸太郎とけいの間には知栄叶順子という女の子が生まれた。栄二は大陸へ出奔していた。
 
けいの働きは増々目覚ましくなり、けいの機敏で大胆な商才は堤洋行を強大なものにしていった。が、けいの涙を知っているのはしずの弟・章介小沢栄太郎だけだった。
 
■昭和年。知栄は立派に成長したが夫婦間は破局に近づいていた。
間もなく伸太郎は別居し、知栄もけいにかくれて父母の家を往復するようになった。
 
そんな堤家にひょっこり栄二が帰ってきた。
そして、左翼運動を煽動した罪で栄二が逮補された時、けいは冷然と見送った。知栄は母の冷たさを非難し父の許に去った。それから数年後、けいは知栄が松永(杉田康という音楽家と結婚したことを聞いた。太平洋戦争が激しくなった。
 
その頃、老けこんだ伸太郎が訪ねてきた。
松永が出征した後に残された知栄とその子供の世話を頼みにきたのだ。
けいは喜んで承諾した。が、その瞬間こそ夫婦としての最後だった。
伸太郎は突然の発作で死んでいった。


 
■昭和20年。東京は焼野原と化し、営々と築き上げた堤家も灰燼と帰した。
その焼跡の壕舎の中でけいは終戦を迎えた。その時、栄二が牢獄から帰ってきた。暮れゆく堤家の焼跡に立つけいと栄二の胸中にはさまざまな想いが去来し、二人はいつまでも立ちつくすのだった(MovieWalker)。
 
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京マチ子演じるけいは、養子で家に入り中国貿易で隆盛を誇る大手商事・堤洋行の経営者として経営に辣腕を振るう女社長となる。先代の女社長・しず東山千栄子にどんどん似てきて、会社を取り仕切っていくところが凄い。

が、商社の経営者になって順風満帆の人生かと思われたが、夫婦は疎遠になり、娘に人間性を否定され、女の幸せとは無縁の淋しい人生を送ったのだった

けいの娘を演じる叶順子が、母けいに負けず劣らずの性格でズバズバとモノをいう現代的な女性を演じている。
 
敗戦を迎え空襲で廃墟になった堤家でバラックに住む京マチ子
そこに若き日に別れた田宮二郎が一緒に暮らさないかと訪ねてくる
しかし、けいは、疎開させた家族を待つためにバラックに残ること決める。そしてひとり「アニー・ローリー」を歌い、これまでの人生を回顧するのだった
 
京マチ子が、10代では10代らしく若々しく見え、老けメイクをするとその年代に見える堂々とした演技ぶりに驚かされる。

田宮二郎は、当時26歳で大学生役と、40年後の老け役メイクで登場。
共演の小沢栄太郎とは「女の一生」ではよき理解者であったが、4年後には「白い巨塔」で、激しい権力争いを演じることになる。
 
京マチ子は、舞台女優、松竹での映画出演の後、1949年(昭和24年)に大映にスカウトされ、大映で映画本格デビューする。時に26歳だった。「雨月物語」「羅生門」「地獄門」などで世界の映画賞を受賞し、”グランプリ女優”と呼ばれた。
 
京マチ子は、2000年の「キネマ旬報」による著名人の「20世紀の映画スター 女優編」の日本女優では3位(読者投票では7位)だった。ちなみに、1位原節子、2位吉永小百合、3位京マチ子、4位高峰秀子、5位田中絹代、6位山田五十鈴、7位夏目雅子、8位岸恵子、同8位若尾文子、10位岩下志麻、同10位藤純子(富司純子)だった。
 
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