ブリジット・バルドー(BB=べべ)主演の「軽蔑」(原題:LE MÉPRIS、フランス・イタリア・アメリカ、1963)を見た。かつてテレビ放送があったが途中で断念、通してみたのは初めて。BBの映画は、そこそこ見ているが、あまり可愛いとは思わなかったが「軽蔑」は例外でキュートだった(笑)。
アルベルト・モラヴィアの同名原作をジャン・リュック・ゴダールが脚色・演出。
出演は「素直な悪女」のブリジット・バルドー、舞台俳優のミシェル・ピッコリ、「シェーン」のジャック・パランス、ドイツの巨匠フリッツ・ラング(本人役)、ジョルジア・モルなど。2017年9月30日よりデジタル・リマスター版が上映(配給:コピアポア・フィルム)される。
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女優カミーユ(ブリジット・バルドー)とその夫でシナリオライターのポール(ミシェル・ピッコリ)は寝室で無意味な会話。それは充実した満足感がなせるもの。翌朝、ポールはアメリカのプロデューサー、プロコシュ(ジャック・パランス)と会った。撮影中の映画のシナリオを改定してくれというのだ。
夫婦はプロコシュの誘いで映画館に行った。夫婦はほとんど口をきかなかった。カミーユはカプリ行きを承知した。
開放感あるイタリア・カプリ島
カプリ島の撮影現場。プロコシュは監督のやり方が気に入らない。
彼は一足さきに別荘に帰ろう、とカミーユを誘った。
カミーユは夫の顔を見た。
「お行き」ポールは監督とユリシーズの愛を語りあっている。
別荘。ポールは何故自分を軽蔑するのか、カミーユに執拗にきいた。
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映画のオープニングで、出演者、製作者、音楽などの担当が文字とナレーションで紹介されているのが珍しい。映画は、”いきなり!ステーキ!”ではないが、いきなり、バルドーの全裸シーンが映し出される。ベッドにうつ伏せに横たわっているのだが、ボディラインの美しいこと。とくに”お尻”の美しさ=美尻を強調したカメラのようだ(笑)。
他愛ない会話というのは、カミーユ(ブリジット・バルドー)がポール(ミシェル・ピッコリ)に、「(私の)足は好きか?膝は。ももは。いいお尻だと思うか。胸は好きか。顔は。目は。口は。」と矢継ぎ早に質問。ポールは、「ああ。ああ。全部好きだ」と答えるだけ。バルドーの小悪魔的要素がでている。
バルドーのキュートさという点では、セリフの可愛さがある。
下品な言葉は使うなと夫からたしなめられたカミーユが「ばかやろう。ちくしょー。」など思いつく限りの罵声の言葉を並べても、逆に可愛いのだ。
ゴダール監督は、この映画の中であちこちで映画ネタを披露している。
ポールが、カミーユと映画でも見に行こうとして、新聞を読んでいる時に
街中の壁には「ハタリ!」(1962)や「サイコ」(1960)などの映画ポスターがあった。中には半分剥がれたポスターもあったが・・・。
それもこれも、ヨーロッパ映画がハリウッド化されていることに警鐘を鳴らしたものと言われている。
ポールがカミーユにフリッツ・ラングを紹介するときに「マレーネ・ディートリヒの西部劇の監督だ」と紹介すると、ラングは「”M”(1931)のほうが好きだが」と付け加えていた。
この映画は、掴みどころのないカミーユに振り回される男の滑稽さを描いているようだが、ブリジット・バルドーのお尻とナイスバディを見る映画かも知れない(笑)。そんな見方をすると、軽蔑される?
フリッツ・ラング監督(当時72歳)の俳優としての出演(セリフは少ないが)を見られただけでも価値のある映画だった。全編に流れる音楽も印象的だった。
デジタル・リマスター版で今月下旬に公開されるというが、劇場で観るのがいいかもしれない。
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