「告発の行方」(原題:The Accused、1988)を見た。今頃見たのかシリーズ。
レイプ事件とその裁判を描いているという内容は知っていたが、未見の1本だった。似たようなタイトルの「告発のとき」(原題:In the Valley of Elah、2007)はイラク戦争の現実を描いているが、紛らわしい。
1人の女性のレイプをきっかけに、真実の愛、現代の友情、勇気をもって生きる姿を描いてゆく。監督は「爆走トラック’76」「レベルポイント」のジョナサン・カプラン、脚本は「ナッツ」のトム・トーパー、音楽はブラッド・フィーデルが担当。
出演は「刑事ジョン・ブック 目撃者」「トップガン」のケリー・マクギリス、「ダウンタウン物語」「タクシードライバー」のジョディ・フォスターほか。
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ミルという名の酒場から飛び出してきた若い男が、公衆電話から警察にレイプ事件が起きていると通報、彼の後を追うようにミルから出てきた半裸の女性が通りで必死に車を止めてそれに乗り込んだ・・・。
被害者の名はサラ・トバイアス(ジョディ・フォスター)。
酔ってマリワナも吸っていた彼女を3人の男達が犯したのだという。
サラから事情を聞いた地方検事補キャサリン・マーフィ(ケリー・マクギリス)は、彼女とダンカン保安官(テリー・デイヴィッド・ムリガン)を伴ってミルに行き犯人達を確認する。
やがて事件の捜査は進み、犯人側の弁護人が真っ向から戦いを挑む姿勢を見せたことにより、キャサリンは様々な証拠を基に裁判の状況を予測するが、被害者に有利なことは何1つなく、彼女は渋々ながらも、3人の容疑は過失傷害との裁定の取引きに応じた。
この事実を知ったサラはキャサリンを激しく責め、深く傷つき悲しみにくれる。そしてそんな彼女を、レイプの際犯人達を止めるどころか暴行を煽ったクリフ(レオ・ロッシ)がからかい、彼のトラックにサラは何度も自分の車を激しくぶつけるのだった。
傷つき入院するサラを見舞ったキャサリンは、身も心も打ちひしがれてしまっている彼女の姿に、女性として検事として真にあるべき道を教えられ、再び事件を裁判の場で争う決意を固めた。
レイプを煽り、そそのかした男達を暴行教唆罪で告発しようという彼女は、サラの友人でミルのウエイトレス、サリー・フレイザー(アン・ハーン)に暴行教唆犯を特定してもらうが、その際サラが事件直前、暴行犯の1人、大学生のボブ(スティーヴ・アンティン)と寝てみたい、とサリーに言った事実が明らかになる。
そして遂に裁判の日、サラが証言台に登った後、証人として事実を語るのはケンであった。彼の口から語られ自白のもとにさらされたショッキングな事実は陪審員の心を動かし、暴行教唆の罪は認められ、それは同時に、サラに対する暴行の事実まで明らかにする判決と
なったのである(MovieWalker)。
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サラ・トバイアス(ジョディ・フォスター)は、3人の男からレイプを受けるが、サラ自身にも過失があり、レイプ罪としての立証ができないというもどかしさの中で、検事補キャサリン(ケリー・マクギリス)と二人三脚の非道な男たちとの戦いが見ごたえがあった。
司法取引を後悔したキャサリンの告発への決心する過程もいい。サラが普段からマリファナや酒を好み、酔って体をくねらせて踊るシーンは、兆発的ととられても仕方のない行為だった。かといってレイプが重罪であることに変わりはなく、まわりではやし立て、そそのかす行為も罪に問われるというところが見どころだった。
ジョディ・フォスターの病的な表情や踊り、レイプシーンなど体当たり演技が真に迫り、迫力がある。
「告発の行方」(原題:The Accused)
日本公開:1989年2月18日
上映時間: 111分
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