ジャン・ギャバン主演のフランス映画「霧の波止場」(原題:Le Quai des brumes、1938、日本公開1949年)を見た。”犬(ワンコ)”(無名)が泣かせるので、要注意(笑)。
霧に煙る波止場に、わけありの人々が集まり、さまざまな出来事があって、脱走兵の30代の男と17、8歳の美少女が恋に落ち、二人で外国に脱出を図ろうとするが、悲劇的な結末を迎えるというストーリー。
男のそばにいつもついて回る野良犬のワンコが全編に登場するが、”主人”の悲劇を知らずに街をさまようさまは”忠犬ハチ公”そのもので泣かせる。
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ジャンはネリー(ミシェル・モルガン)という若い女性がいることに気づく。ジャンはネリーと話しているうちに安らぎを感じた。ジャンとネリーの2人が楽しそうにしているのを見て、ミシェルはある決意をする。
ジャンとネリーは「パナマ」を出て波止場を歩いていると、波止場をうろついているヤクザのリュシアン(ピエール・ブラッスール)たち3人が絡んでくる。しかし、ジャンはリシュアンらを追い払ってしまう。そしてジャンとネリーはその日の晩に会う約束をして別れる。
ジャンはベネズエラ行きの船に乗って、新しい人生を始めようとしていた。
潔ぎよくネリーと別れるつもりだったジャンだったが・・・。思わぬ悲劇が襲う。
霧に覆われた波止場の雰囲気がよく出ていている。そして、いつの間にかジャンに付き添うようになる野良犬の存在もこの映画に深みを与えている。
ジャンは、身分証明書も旅券も手に入れ、船には手荷物と、犬をロープでつないで、最後にネリーに別れのあいさつのため出港前にいちど、船を降り、ネリーに会ったのだが、その後再び乗船しようとした矢先に、チンピラの仕返しの凶弾に倒れたのだった。
船に残されたワンコは、主人が戻らないことに不安を・・・?。
おかしい。なぜ、主人は来ない!
探しに行くしかない!
主人を探しに闇の中に消えていくワンコ。
船の出港の汽笛の音がなっているのに、”主人”が現われないことから、犬(ワンコ)は、ロープを懸命に引っ張りちぎって、船を降りて街をさまようのだった。主人が帰らぬ人となっているのは知る由もない(泣かせる)。
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この映画は上映に当たっては困難に直面したというテロップが最初に流れる。1939年の第二次大戦前であったことによるもので、その内容(字幕)は以下の通り。
「製作には当初から多くの困難が伴った。脚本は撮影前に軍の検閲を受け、プロデューサーは監督に不適切なシーンの削除を要求。1939年9月の開戦後に上映打ち切りとなるが、1941年1月に再上映が許可された。オリジナルのネガフイルムは未完成のままだったが、幸い1938年のプリントが保温されており、劇場公開前に監督が行った編集により近い形での修復が可能になった。(以下省略)」
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