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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「美女ありき」(1940)ヴィヴィアン・リー、ローレンス・オリビエ主演。

 
 

美女ありき」(原題:That Hamilton Woman、別題:Lady Hamilton1940、日本公開1952年)を見た。
原題は”ハミルトン夫人”だが、回想形式で若き日のハミルトン夫人の美しさから、タイトルになっているようだ。
 
アレクサンダー・コルダが、アメリカに渡自ら製作・監督した1940年作品。
 
「たそがれの維納(ウィーン)」のウォルター・ライシュと「邪魔者は殺せ」のロバート・セドリック(R・Cシェリフの協同脚本により、ネルソン提督とハミルトン卿夫人の不倫の恋が描かれる。撮影は最近監督に転じて「地球最後の日」などを作っているルドルフ・マテ
 
音楽は「白い恐怖」のミクロス・ローザ担当。ローザといえば後の「ベン・ハー」があまりにも有名。
 
出演は風と共に去りぬ」「哀愁」のヴィヴィアン・リーレベッカ」のローレンス・オリヴィエが結婚直後夫妻共演し、脇役として荒野の決闘」のアラン・モウブレイ、「わが谷は緑なりき」のサラ・オールグッド、「レベッカ」のグラディス・クーパー、「サムソンとデリラ」のヘンリー・ウィルコクスンらが出演
 
 
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(物語)18世紀未、結婚するためナポリに渡って来たイギリス娘エマ(ヴィヴィアン・リー)は、婚約者がおびただしい借金を背負って彼女と結婚する意志のないことを知った。大使ハミルトン卿(アラン・モウブレイ)はエマの悲境不幸な境遇に同情、やがてエマハミルトン卿の夫人となった。
 
年後ナポレオン治下のフランスと開戦することに決した英国は提督ネルソン(ローレンス・オリヴィエ)をナポリに派遣、ネルソン提督ナポリ王に出兵を要請するようハミルトンに頼んだが渋る卿をさしおいてこの願いを成就させたのはエマ(ハミルトン夫人)(ヴィヴィアン・リーだった。
 
 
以後ネルソンは度々の戦闘で片腕片眼を失ったが、エマはそのネルソンの許へことある度にかけつけては献身的な愛情を捧げた。更に戦闘中ナポリで政変の起ったことを知ったネルソンは独断でかけつけ、二人は共に夫あり妻ある身を忘れて恋に酔ったが、このネルソンの行動は軍の怒にふれ、ネルソンはロンドン帰還を命ぜられた。
 
エマを伴って帰国したネルソンは世の指弾を買い、更にエマは彼の子を生んでも世間に公表出来ない身であったが、この頃ハミルトン卿も死に、ヨーロッパに平和は訪れて、やっと二人だけの生活がつづきそうな気運がきざした。
 
しかし再びヨーロッパをおおった暗雲のため、ネルソンは推されて出征、エマは幸福が去ったことを知りつつネルソンを送りした。やがて1805年のトラファルガ沖の海戦で英軍大勝利の報と共に、エマの許とどいたのはネルソン戦死のしらせであったMovieWalker)
 
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この映画は、ひとりの老女の回想形式で描かれる。
雨上がりの黄昏どき、港町カレエの石だたみの道を、やつれ果てた老女(ヴィヴィアン・リー)がさまよっているところから始まる。老女は人目をかすめて酒びんを盗み、憲兵に捕らえられ手荒くされる。

それを見ていた群衆の中の英国女が同胞を助けようとして騒ぎになる。
いっしょに捕らえられ、留置場で英国女は老女に名を尋ねる。

老女はしわがれた声で、「エマ」と答える。
英国女はさらに名字は、と聞くと「名字? レディー・ハミルトンよ」と。
そして、エマ(ヴィヴィアン・リー)は過ぎ去った遠い日々の思い出を語り始める。
これがプロローグとなる。
 
時代は数十年前にさかのぼり、様々な当時の様子が描かれ、ハーディ艦長が、トラファルガーの勝利は、ネルソンが導いたこと、ハーディ艦長がなかなか口にすることができず、途切れ途切れに語っていたが、ネルソンが戦死したことを察知したエマの目の表情のすごさ。ハーディ艦長が去った後、立ち上がり窓を眺めたが、ショックから失神して倒れてしまう。
 
時は現代に戻り、聞き役の英国女が「それで、どうしたの?」と聞くと、老女・エマは「それから、はないの。私の人生はその時に終わったの」とつぶやくのだった。
 
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この映画は、ヴィヴィアン・リーとローレンス・オリビエの私生活をも反映しているような映画といわれたようだ。ともに結婚していたが、双方の離婚が成立し、リーとオリビエが結婚後、初めて共演した作品だった。世紀の美男・美女の共演というだけでなく、映画史にも残る夫婦共演ともいわれているようだ。
 
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1805年のフランス・スペイン連合艦隊とのトラファルガー沖の戦いにイギリス軍が勝利したことが描かれているが、ネルソン提督が戦死したこと、この戦いを記念して、ロンドンに建設されたのが「トラファルガー広場」(写真)。30数年前にトラファルガー広場を観光で訪問した時には、そんな背景も知らずに見学した。歴史を知っていれば名所も価値が増す。この広場には、今では年間3000万人以上の観光客が訪れているというロンドンでも有名な観光スポットのようだ。
 
殉職した”ホレイショ・ネルソン海軍提督”の功績を称え、約46mの記念柱が建てられているほか、1782年に沈没したイギリス軍の船に取り付けられていた大砲から作られたライオン像やチャールズ・ジェームズネピア将軍の像、サー・ヘンリー・ハブロックの像もあるという。淀川長治さんではないが「映画がすべてを教えてくれた」とまではいかないが、映画によって史実(フィクション、ノンフィクション問わず)を知ることも多い。
 
「美女ありき」(原題:That Hamilton Woman、別題:Lady Hamilton1940)
監督…アレクサンダー・コルダ
制作…アレクサンダー・コルダ
脚本…ウォルター・ライシュ/R.C.シェリ
撮影…ルドルフ・マテ
音楽…ミクロス・ローザ
出演…ヴィヴィアン・リー(エマ・ハミルトン)
………ロレンス・オリヴィエ(ネルソン提督)
………アラン・モーブレイ(ハミルトン卿)
………グラディス・クーパー(ネルソン夫人)
………ヘンリー・ウィルユクスン(ハーディ艦長)
………セーラ・オールグッド
 
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