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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「華麗なる相続人」(1979)オードリー・ヘプバーン主演。</span>





オードリー・ヘプバーン主演で、シドニー・シェルダン血族」(早川書房刊・小説「華麗なる血統」)を原作とした映画「華麗なる相続人」(原題:Bloodline、1979)を見た。

シドニー・シェルダンといえば、代表作に「ゲームの達人」「真夜中は別の顔」などがありドラマ化されているが、映画化作品は意外と少ない。大製薬会社の社長が殺され、その財産を受け継いだ1人娘が何者かに命を狙われるという、アメリカとドイツ(当時、西ドイツ)の合作によるサスペンス映画。ヘプバーン出演の映画としては、唯一「R指定」映画(ポルノ映画的なシーンもある)。

シェルダンは映画化に当たり、ヘプバーンの実年齢にあわせて主人公のエリザベス・ロフを年長の女性に書き直した。大富豪の一族を巡る国際的な陰謀や人間関係をテーマとした映画だったが、評論家からは酷評され、興行的にも失敗して製作会社は大損害を被ったという。スタッフ、キャストは”華麗”だったが・・・。

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ジェームズ・メイスンなどのベテラン俳優も出ているので、雰囲気的には、「北北西に進路を取れ」と「暗くなるまで待って」を足して2で割ったような作品だった。

それもそのはず、監督は「暗くなるまで待って」、007シリーズ初期の3作品(「ドクター・ノオ」「ロシアより愛をこめて」「サンダーボール作戦」などのテレンス・ヤング。音楽も、エンリオ・モリコーネと一流なら、俳優陣がすごい。

オードリー・ヘップバーンのほか、ベン・ギャザラ(「レマゲン鉄橋」)、ジェームズ・メイスン(「ロリータ」「北北西に進路を取れ」)、イレーネ・パパス(「Z」)、ミシェル・フィリップスモーリス・ロネ(「死刑台のエレベーター」「太陽がいっぱい」、ロミー・シュナイダー(「離愁」)、オマー・シャリフ(「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」)、ゲルト・フレーベ(「007ゴールド・フィンガー」)、マルセル・ボズフィ(「Z」「フレンチ・コネクション」)など。



ストーリー:
世界に名を成すスイスのロフ製薬の社長、サム・ロフが、アルプスのガルミッシェ登山中にロープが切れ、事故死した。ニューヨークに住むサムの1人娘エリザベス(オードリー・ヘップバーン)は、その悲報を、サムの右腕として信頼されていたリース(ベン・ギャザラ)から聞いた。

ロフ製薬はサム1代で築きあげられた大企業だったが、今日までサムのかたくななまでの意志でわずか数名のロフ一族血縁者で保たれてきていた。



大株主として財産を受け継いだエリザベスを中心に、チューリッヒにある本社会議室で、株主である他の血縁者たちが全て顔を合わせることになった。英国貴族のサー・アレック・ニコルズ(ジェームズ・メイスン)は豪荘な邸宅を持つ見かけは優雅な貴族だったが、若い妻、ビビアン(ミシェル・フィリップス)のギャンブル狂いのために、破産寸前の状態にあった。

スピードとセックスを生きがいとするエレーヌ(ロミー・シュナイダー)は、ロフ製薬を乗っとろうと野心を燃やす女で、フランス支社の運営をまかされている夫のシャルル(モーリス・ロネ)は、横領や賄賂に汚れ、妻の宝石に手をつける程金に困っていた。

シモネッタ(イレーネ・パパス)は3人の娘を育てながら退屈な日々を過していたが、夫のイーボ(オマー・シャリフ)は愛人ドナテラ(クラウディア・モーリ)に3人の息子を私生児として生ませ、その養育費を支払えなくて頭を悩ませていた。

会議の当日、集まった彼らは、ロフ製薬の株を公開し自由に売り、現金を手にすることを望んでいた。会社自体も財政的な問題をかかえていたが、エリザベスは結局父の意志を尊重して、会社をそれまでの通りの同族会社に据え置くと共に、自分が新社長としてロフ製薬の経営を受けつぐと宣言する。

それぞれの思惑から、失望と不満の色を見せるロフ一族。
彼女の決定に賞讃を送ったのはその場に同席したリースと秘書のケイト(ベアトリス・ストレート)だけだった。

そこに、スイス警察殺人課のマックス警部(ゲルト・フレーべ)が登場する。
彼は、サムのザイルが弾丸によって切断されたことを告げ、これが殺人事件であることを断言した。

ショックを受けたエリザベスだったが、彼女はまた、父の死の直前に吹き込まれたテープから、会社の最高幹部の中に会社の企業秘密を外部に流している裏切者がいたことを知る。

疲労をいやすために、ケイトと地中海サルジニアの別荘へ飛んだエリザベスはそれ以後、たびたび何者かによって命を狙われた。素人のエリザベスが社長になることに難色を示す銀行側を納得させるために、独身のリースを夫としてロフ一族に迎え、リースを社長の座に据えることを考えたエリザベスは、重役会の席上でそのことを発表。

驚いたリースも彼女の申し出を承諾した。
結婚式は別荘で形式的に行なわれ、2人はまた別々の家にもどっていった。
一方、マックス警部はコンピューターを駆使してロフ一族全員の身辺を洗っていたが、それと並行して、パリやロンドンで起こっていた娼婦連続殺人事件も調査しており、それがロフ一族の件と同じ犯人によるものであることを確信していた。

そのころ、ケイトがエリザベスの身替わりで殺され、殺人鬼の魔の手をのがれるために、エリザベスはひとリサルジニアの別荘にやってきた。

強風が吹き荒れるその日の夜、しかし、犯人はエリザベスの寝室に歩みよってきた。そして家に火をつけた。鍵をしめ恐怖に息をひそめるエリザベスは、家に火が回っていることを知りバルコニーに出た。

家の外にはリースとアレックスがお互いに相手が真犯人だと叫びあい、自分の方に降りてこいと指示した。夫リースも信じられなくなっていたエリザベスはアレックスの腕に身をまかせたのだが・・・(MovieWalker)。

以下、ネタバレ(4行、反転)。
そこに到着したマックス警部は、そのアレックスを撃った。
アレックスこそ、妻の浪費に頭をかかえ、サムを殺し、妻も殺し、妻の死を事故に見せるために娼婦殺人まで犯していた真犯人だったのである。今こそ、夫リースの腕の中で恐怖から解かれるエリザベスだった。

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オードリー・ヘプバーンの映画としては最後から3番目(この後、「ニューヨークの恋人たち」(原題:They All Laughed, 1981)「オールウェイズ」(原題:Always, 1989)の作品。

映画の評価は低かったといわれているが、たしかに緊張感などに欠けた印象。
別荘に閉じこもっているヘプバーンのもとに犯人が殺意を持って忍び寄ってくるが「事故死に見せかけようと思ってもむだよ」とヘプバーンがひとり叫びながら、家具や、電球を壊すシーンは、まさに「暗くなるまで待って」の再現か。

遺産相続となると、あちこちから親戚が名乗り出てくるというのは、セレブの世界も同じらしい。しかも、親せきのほとんどが、お金や女性関係で問題を抱えていて、一攫千金を狙っているのだ。

オマ―・シャリフなどは、妻との間に娘3人がいるのだが、愛人との間に息子が3人いて、愛人から養育費などが滞り、激しく非難されていた。「近いうちに、大金が入る」となだめる始末で「空手形はいい」といって、愛人が子供3人を連れて、本妻の邸宅に乗りこもうとするのだ(笑)。

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ヒッチコックの「フレンジー」は、ネクタイで首を絞める話だが、「華麗なる相続人」は、赤いひもが小道具として登場し、面白い。ヘプバーンロミー・シュナイダージェームス・メイスンオマー・シャリフモーリス・ロネなどが同じスクリーンにいるだけでもすごい。「Z」のミスターZ(政治家に扮したイヴ・モンタン)の奥さん役しか見ていないギリシャの名女優のイレーネ・パパスが見られるとは・・・!

フレンチ・コネクション」では地下鉄を乗っ取り、ポパイ刑事(ジーン・ハックマン)に背中を撃たれて死んだマルセル・ボズフィは、「Z」では、チンピラやくざで軽トラックの後ろに乗り、Z氏の頭をこん棒で殴る役だったが、「華麗なる相続人」では、ネクタイにスーツ姿で、イメージが違っていた。

 予告編


華麗なる相続人」(原題:Bloodline、1979)
制作:アメリカ、西ドイツ(当時)合作
音楽:エン二オ・モリコーネ
出演:
ベン・ギャザラ
ジェームズ・メースン
オマ―・シャリフ
ゲルト・フレーべ
マルセル・ボズフィ
配給:パラマウント映画
1時間56分


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