「ハーフ・ア・チャンス」(原題:(仏)1 CHANCE SUR 2、(英)HALF A CHANCE、1998)は、フランス2大俳優、アラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンドが「ボルサリーノ」(1974)以来24年ぶりに再共演し、ドロンが本作を最後に映画俳優として引退宣言を行ったことで話題になった映画。美しい娘のために体を張るふたりの初老の犯罪のプロの活躍を描いた娯楽コメディ・アクション。
監督は「リディキュール」のパトリス・ルコントで、本格的なアクション作品としては「スペシャリスト」(1985)以来14年ぶりとなる。脚本はブリュノ・タルドンの原案を基にルコント、「タンデム」のパトリック・ドゥヴォルフが執筆。共演は「エリザ」のヴァネッサ・パラディ、「ミナ」のエリック・デフォス、「ボーマルシェ フィガロの誕生」のミシェル・オーモンほか。
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高級車窃盗常習犯のアリス・トマゾ(ヴァネッサ・パラディ)は出所後、服役中に亡くなった母親ジュリエット・トマゾが遺したカセット・テープで、自分の父親がジュリエットが20年前に同時に愛したふたりの男のどちらかだと知らされる。
ふたりの男とはジュリアン・ヴィニャル(アラン・ドロン)とレオ・ブラサック(ジャン=ポール・ベルモンド)。ジュリアンは表向きはレストランのオーナーだが実は名うての宝石泥棒。一方、レオは今は中古高級車ディーラーながらかつては外国人部隊で鳴らしたエリート軍人だった。
突然娘として現れたアリスをめぐってお互いに父親だと張り合うふたりだが、ひょんなことからアリスがチェチェン・マフィアのドラッグ取引の大金を積んだ高級車を拝借してしまったことから、マフィアの魔手が3人に伸びる。
3人はマフィアのドン、アナトーリ(ヴァレリー・ガタエフ)の誕生パーティ会場に乗り込んで大暴れして反撃、マフィアに挑む。マフィアはアリスを誘拐するが、ふたりは敵の本拠地に殴り込み、みごとアリスを救出し、凱歌をあげるのだった(MovieWalker)。
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1960年代~1970年代にフランスの大スターだったドロンとベルモンドが、四半世紀ぶりに60代になって再共演し映画を残したところに価値がある。ドロンにとっては引退映画となったが・・・。ある場面で「ボルサリーノ」の曲が流れていたのはお遊びだがファンにとっては嬉しい。
高級車専門窃盗のアリスの父親候補は2人いた。
1人は外人部隊出身の中古車販売オーナー(ベルモンド)。もう1人はレストランを経営する大泥棒(ドロン)。彼女の父親はどちらなのかという話で、アリスが検査をするが、その結果報告を破いて捨ててしまう。
娘は、ふたりの前に行き、言う。「両方パパでいい?」。
ベルモンドとドロンは、お互いに、”老人!”と呼び合ったり、楽しんで映画に出演しているようだ。ドロンがヘリコプターを操縦しようとすると、「老人は気をつけて走れ。相変わらず派手だな」とベルモンドはため口を言う。
マフィアとのひと騒動に決着がついた時に、ジュリアン(アラン・ドロン)とレオ(ジャン=ポール・ベルモンド)が、公園かどこかで、くつろいでいると、遠くの方のビルに「銀行」という文字が目に入った。「次の仕事だ。チャンスにかけるか」でエンド。
カーチェイス、ダイナマイトの爆破、ヘリの操縦、ド派手なアクションも見所だった。
気軽にみるのがいい映画。
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