「ボルサリーノ」(原題: Borsalino、1970)は、続編「ボルサリーノ2」(1974、日本公開
1975)は見ていたが、テレビで見た記憶はあるが、再見した。昨年、デジタル・リマスター版が発売された。
60年代から70年代にかけて、フランス映画といえば、アラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモンドが2大俳優として人気があった。日本ではドロンが圧倒的な人気だったが、フランスでは、ややベルモンド人気が上回ったようだ。
「ボルサリーノ」のクレジットの順番では、ツートップ映画であるので五分五分で公平にするということがあり、左にベルモンド、右にドロンとあった。顔写真が並んだ場合を見るとドロンが左、ベルモンドが右である。日本で言えば、2大スター、石原裕次郎と高倉健の共演のようなもの、と書いた文章もあった。
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1930年のフランス・マルセーユ。
彼はさっそく、手下と共に自分を密告した男のバーを襲い放火した。
次に、なじみの女・ローラ(カトリーヌ・ルーヴェル)に会いに行った彼は、その女のことでカペラ・フランソワ(ジャン・ポール・ベルモンド)と派手な殴り合いを始めたが、同時にダウン。そのとき、二人ははじめて互いに名を名乗り、奇妙な友情が成立した。
やがて二人は、ボッカスという親分に認められたが、失敗つづきのありさまであった。たとえば、競走馬の本命馬ワンダフルを隠してしまい、カペラが所有するアラクレという馬に優勝させようとするが失敗。また、拳闘(ボクシング)の興行を計画、ドイツのチャンピョンという触れ込みのにわかインチキ選手をでっち上げるが、失敗する有様。
その後、ボッカスの黒幕であるリナルディ弁護士(ミシェル・ブーケ)の頼みで、魚市場を支配しているエスカルゲルに力を貸すようになった。ここではライバルの魚業者に、腐った魚を投げ込んで、客からクレームが出るように仕組んだのだった。
カペラは、これには反対だったが、ポリの情婦ジネットに惚れたため、承知した。
そして、二人はポリの資金源である食肉倉庫を襲撃したが失敗し、ひとまず田舎へひきあげ、反撃の日を待った。
二人のまわりに無頼の仲間と武器が集まってきた。行動が開始された。
まずポリの暗殺、つぎにリナルディ、と二人のまわりには、次第に血の匂いがたちこめるようになった。
そして、残る大親分マレノ一味との間の、日毎の殺し合いの末、相手の本拠に乗り込んだ二人は、ついにマレノを倒した。
こうして、マルセイユはシフレディとカペラの手中におさまった。
シフレディは豪壮な邸宅を立て、パーティを開き、得意の絶頂にいたが、カペラは違っていた。
カペラは、今こそ、このマルセイユを、去らねばならないと思っていた。
カペラはいつしかシフレディと激突すると考えたのだ。シフレディは、カペラに「何処へ行く」と聞くと、カペラは「ニースに行って、それからイタリアへ回る」というのだった。
しかし、シフレディは、自分が街から出てもいいと言い出したので、カペラの提案で、コインの裏表で、勝負することになった。シフレディは「表」といい、コインの結果、「裏」だった。実はコインはインチキで、カペラは、どちらにしてもシフレディに有利になるようにしていた。
そして、カペラがカジノを一歩出た時、何者かの銃弾がカペラを貫いた。
「ツキが消えちまった」という言葉を残してカペラは亡くなった。
「その後、ロックがどうなったかは誰も知らない」で終わり。
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続編の「ボルサリーノ2」はカペラの葬儀から始まっていた。
テーマ曲
全編に流れる軽快な音楽が印象に残る。
30代半ばのドロンだが、貫禄充分だった。
アラン・ドロンは製作も兼ねていた。
タイトルのボルサリーノは、由緒ある帽子の銘柄だが、この映画では、ドロンもベルモンドも帽子をかぶり、葉巻をくわえた格好が決まっていた。タイトルにはそんな一流の”男の紋章”に憧れたギャングたちという意味がこめられているようだ。
監督:ジャック・ドレー
製作:アラン・ドロン
音楽:クロード・ボラン
出演:
カトリーヌ・ルーヴェル
コリンヌ・マルシャン
フランソワーズ・クリストフ
ニコール・カルファン
ほか
☆☆☆
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