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<span itemprop="headline">映画「男たちの大和/YAMATO」(2005)</span>



男たちの大和/YAMATO」(2005)を見た。
辺見じゅん著「決定版 男たちの大和」を原作に、終戦60周年を記念して制作され、戦艦大和の乗組員の生き様を描いている。2005年12月17日東映邦画系で全国劇場公開され、同年の邦画興行収入1位となった。制作費は公称約25億円。

テーマ、メッセージが今ひとつはっきりしない印象を受けた。

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松山ケンイチは、前年に映画「ウイニング・パス」(2004)で初主演を果たしていたが「男たちの大和」では、角川春樹によりオーディションで抜擢され、広く知られるようになった。共演陣では、蒼井優は、当時19歳(8月で20歳)で、2005年には、「ニライカナイからの手紙」から「男たちの大和」まで、7本の作品に出演した。翌年の「フラガール」では、アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞して、一躍若手注目女優の1人となった。

渡哲也、林隆三奥田瑛二高畑淳子余貴美子などの他、現代のシーンで、御大・仲代達矢鈴木京香、15歳当時の池松壮亮などが出演。

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2005年4月、鹿児島県枕崎の漁港。
老漁師の神尾のもとを内田真貴子(鈴木京香)と名乗る女性が訪ね、60年前に沈んだ戦艦大和が眠る場所まで船を出してほしいと懇願する。

彼女が大和の乗組員・内田二兵曹の娘と知り驚いた神尾(仲代達矢)は、小さな漁船を目的の場所へと走らせる。神尾もまた大和の乗組員だったのだ。内田二兵曹の名前を耳にし、神尾の胸裡に60年前の光景が鮮やかに甦ってくる・・・。



昭和16年12月8日、日本軍の真珠湾奇襲によって始まった太平洋戦争は、はじめ日本軍が優勢であったが、徐々に日本軍は劣勢を強いられ、じりじりと追い詰められていく。

そんな昭和19年の春、神尾(松山ケンイチ)、伊達(渡辺大)、西(内野謙太)、常田(崎本大海)、児島(橋爪遼)ら特別年少兵をはじめとする新兵たちが、戦艦大和に乗り込んできた。乗艦した彼らを待ち受けていたのは、厳しい訓練の日々であった。



そんな中、彼らは烹炊所班長の森脇二主曹(反町隆史)や機銃射手の内田二兵曹(中村獅童)に、幾度か危機を救われることがあった。同年10月、レイテ沖海戦に出撃した大和はアメリカ軍の猛攻を受けた。

大和の乗組員たちも多数死傷し、内田も左目に重傷を負い、大和の任務からも外されることとなった。昭和20年3月、日本の敗色が日増しに濃くなっていく中、大和の乗組員たちに出撃前の上陸が許される。

全員が、これが最後の上陸になることを覚悟していた。それぞれが肉親や恋人と思い思いの時間を過ごす。翌日、男たちはそれぞれの想いを胸に大和へ戻っていく。

艦内には内田の姿もあった。彼は軍規違反を承知で病院を抜け出して、恋人の芸者・文子(寺島しのぶ)と別れを告げた後、ひそかに艦に乗りこんでいたのだ。



同年4月1日、ついに米軍は沖縄上陸作戦を本格的に開始。
4月5日、草鹿連合艦隊参謀長は、大和の沖縄特攻の命を伊藤第二艦隊司令長官に下す。有賀艦長から艦隊命令を通達された乗組員たちは、臼淵大尉(長嶋一茂)に諭され、それぞれの立場で「死二方用意」を始めていった。

4月6日、いよいよ大和以下10隻の艦隊は出航した。そして4月7日、ついに鉛色の雲の彼方から米軍艦載機の大群が大和に襲いかかっていった。大和の46cm主砲が、副砲が、高射砲がこれらを迎え撃つ。乗組員たちの最後の戦いが始まった
(MovieWalkerより)。

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戦艦大和が沈んで、多くの仲間を失い、自分だけが生き残ってしまったことに後ろめたさを感じていた内田二兵曹が戦後数十年経った2、3年前に亡くなり、その養女(鈴木京香)は、大和が沈んだ場所に、自分の骨を散布して欲しいという父の遺言を実行する、という現代(2005年)と、1945年当時が同時に描かれる。

米軍の飛行機と大和の戦闘シーンなどが、CGを駆使して派手に描かれるが、豪華俳優がたくさん登場する割には、やや顔見せ程度に終わってしまったのが残念。

上官の命令には絶対服従の軍隊だが、下士官の内田二兵曹(中村獅童)が、森脇班長・二主曹(反町隆史)が若い兵士に暴力を振るうのを見て、「兵隊を殴って、敵に勝てるのか」と上官を殴るシーンがあるが、実際の軍隊の上下関係では絶対にありえないだろう。実際に、上官反抗罪で、軍法会議ものだという意見もあった。

大和が高さは18階建てビルに相当する大きさだったとか、大和の乗組員関係者だけでも3,000人が命を落とした、という事実なども語られていた。大和の乗組員は、”一億総特攻”で、海上特攻隊として、将来の礎になるといった理屈が当時は当然のように語られていた。「(負けるとわかっていながら)敗れて目覚める。それしか日本の生きる道はない」などと語る臼淵磐大尉を長嶋一茂が演じているが、七光りが常に後ろに有り、バラエティ番組などでも薄っぺらで、嫌いなタレントの一人だ(笑)。

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松山ケンイチ蒼井優は奇しくも昨年「春を背負って」で再共演しているが、「男たちの大和」では、初々しさが残っていた。鈴木京香は、現代のシーンで登場するが、いつもながら、堂々としている。

今年は「終戦70年」に当たり、戦後70年の記念映画「日本のいちばん長い日」(8月15日公開)が注目される。

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