fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「昆虫大戦争」(英題:GENOCIDE、1968、日本)を見る。

    f:id:fpd:20211202212404j:plain

f:id:fpd:20211202212456j:plain

昆虫大戦争」(英題:GENOCIDE、1968、松竹)を見る。タイトルだけは知っていたが、Netflixで配信されていたので見た。題名から昆虫同士の戦争かと思うが、実際は人間のエゴをあぶりだした社会派パニック映画

米国の爆撃機が日本近海の南の孤島に不時着。搭載していた核爆弾を回収するため米軍の捜索隊が島に上陸、そこで彼らは、人間を襲う昆虫の群れに遭遇する。突然変異した昆虫の恐怖を描いたSFサスペンス。

監督は「恋人よ」「宇宙大怪獣ギララ」の二本松嘉瑞(かずい)。黒澤明監督の「白痴」の助監督などを務めた。出演は、園井啓介、川津祐介新藤恵美、瞳麗子、市村俊幸、キャシー・ホーラン、チコ・ローランドなど。

・・・

アナベルキャシー・ホーラン)と譲治(川津祐介)が浜辺で寝ていると空に飛行機が富んでいるのが見えた。

乗組員の1人チャーリー(チコ・ローランド)はPTSDを患っており、窓の昆虫に怯え発作を起こした。他の乗組員がチャーリーに構っていると、飛行機は昆虫の群れに突っ込み墜落してしまう。乗組員の3人はパラシュートで全員避難した。乗組員たちは洞窟で救助を待つ。

譲治は新婚の妻ゆかり(新藤恵美)を置いて南雲教授(園井啓介)の指示で昆虫を採取しに山へ行っていた。

落下した飛行機は爆撃機であり、水爆を搭載していた。落下した水爆を探しに米軍がやって来て、日本の警察と共に避難した乗組員を探す。洞窟に向かうと乗組員2人派死んでいたが、一人は、洞窟からから逃げ出して、途中でイエアから落下して怪我をしていたが、息はあった。

 譲治は落下地点に落ちていた軍用時計を拾うと、停泊中の漁船に売りに行った。船の連中は不審がって買わない。あげく乗組員を殺したのではと警察にチクった。

譲治がゆかりの仕事するホテルに戻ると、時計のことを聞いた警察がやってきた。譲治が逮捕されたと南雲に電報が入り、面会にやって来る。

南雲は遺体を見れば冤罪を証明できるのではと確認しに行くのだが・・・。

・・・

アナベルという女性は、ユダヤ人の生物学者で、幼い頃、両親がナチス収容所で殺されたこともあり、人間不信に陥っており、昆虫を使って人類滅亡を企てていたのだった。その目的のため、アナベルは譲治に昆虫採集を依頼していたのだった。

譲治の証言で、落下傘は4つあったといい、一つは落下スピードが早く、その後、水爆が落下傘に結び付けられていることがわかる。

水爆の落下により、アメリカ軍が捜索を始めるが、一方で東側のスパイもアナベルや2人の人物を使って水爆を探していた。スパイのリーダーが、ゆかりが働いているホテルのオーナー(市村俊幸)だった。

・・・  

1960年代末期というと、当時泥沼化していたベトナム戦争と東西陣営による核戦争の脅威にさらされていた時代。映画のオープニングは、キノコ雲と「人類は、この瞬間に核エネルギーを手に入れた。その時から核の恐怖が始まった」という字幕で始まる。

ベトナム戦争末期のまだ東西冷戦時代を背景にした核(水爆)を巡る人類の争いに昆虫が襲いかかる恐怖を核戦争の脅威をテーマに描いている。

南の孤島を舞台に愛憎、スパイ合戦、大国のエゴなどの人間ドラマを盛り込んでいる。

「水爆搭載機の墜落と捜索」がストーリーの骨子となっているが、本作公開の二年前の1966年に、パロマレス米軍機墜落事故が起こっており、当時としては絵空事ではなく現実味の強いテーマだったと思われる。

昆虫の大群は気持ちが悪いほどだが、ほとんど蜂のようでもあり、人体の表面を食いちぎる描写がアップで映し出される。人間を襲うシーンはヒッチコックの「鳥」を思わせるような光景だった。

50年以上前の映画で、今見ると、やや古臭さを感じさせる。

 

再参戦!「日本ブログ村」(外国映画)にポチッと。

 https://movie.blogmura.com/movie_foreign/