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<span itemprop="headline">映画「龍三と七人の子分たち」(2015)</span>




北野武監督最新作「龍三と七人の子分たち」(2015)を試写会で見た。
北野武作品は好みが分かれるところで、どちらかといえば、長年敬遠してきたが、近年の「アウトレイジ」「アウトレイジ ビヨンド」が強面の役者の怒号合戦が面白く、今回も、元ヤクザと現在の表向きは会社だが実態は詐欺集団グループとの争いということで期待していたが、残念ながら、”見事に”期待がはずれた。

”ジジイが最高!!”というキャッチコピーで、世の中のシニア層などを元気付けようという狙いか分からないが、平均年齢70歳以上(72歳が中心)という設定ありきで俳優を選んだようだが、個性があまり感じられず、えいやで撮った印象。

脚本も兼ねている北野監督が、おそらく古参の脇役一筋のような俳優に、単純に「こういう性格ね」と言って、”自由にやってください”というような雰囲気だったのか。

主演の龍三親分を演じている藤竜也だけは、さすがに、時代劇の三船敏郎のようにがっちり安定している。ほかは、よぼよぼ老人にしか見えない(笑)。70歳って、そんなに老人なの?と思ってしまうほどだ。一般社会の70歳は、もっと元気のような気がする。




「    5-5が来ましたね!」「大穴ですよ、一体いくらになるんだ!」



セリフの中で「まるで七人の侍だな」と言うセリフや、拳銃使いの”早撃ちマック”と呼ばれる男(品川徹)は、自分の部屋にスティーブ・マックィーンの「ブリット」の映画ポスターが貼ってあるほど、マックィーンに憧れているといった、オマージュ的な要素もある。

若者詐欺師集団のボス・西 を演じている安田顕は、テレビでは「問題のあるレストランで」でオネエ役だったが、「龍三と~」では、案外凄みをきかせていたのが見所だった。


               若者詐欺集団のボス(安田顕=中央)

品川徹は79歳と高齢だが、最近では「野のなななのか」では、主演に近い役柄だったが、この人は、フィクサーのような役(「沈まぬ太陽」などの黒幕)で、黙っているだけで絵になるので、下手なセリフをいわないほうがいいかも知れない(笑)。

龍三と七人の子分たち」では、詐欺集団の事務所に乗り込んで「お控えなすって手前小国と発しますところ~」といっても、若者はなんじゃそりゃあ~となり、場違いも甚だしい。「手前ってなんだ」「小国ってなに」と掛け合うのだが、聞いている方が気恥ずかしくなる。

龍三役の藤竜也は、全身刺青で、体格もよく、貫禄がある。
贔屓のバーのホステス(萬田久子)から、背中の刺青を見せてと言われるほど。
HK/変態仮面」の清水富美加も出演。

ジジイ全員が、かつては親分としてヤクザで鳴らしていたのだが、最近若い人間の詐欺集団が横行していることを知り、昔の仲間を招集。誰が親分になるかの決め方や、上野の西郷隆盛銅像にはちょんまげがあるかないか、いろいろなところで、ニヤリとさせられるオチはあるのだが・・・。

競馬場で、資金200万円を、1点買いで賭けた結果は・・・! 
親分が、馬券を買いに行く男(中尾彬)に、両手を「パー」の字にして「枠連の5-5だよ」と叫ぶと買いに行った男は「わかった、まかしとけ」と言って買いに行った。結果は、馬番で「7-8」、枠連で「5-5」が来たのだが・・・。枠連の「5-5」というのは万馬券! 果たして。(ネタバレ:(以下反転)親分は2本指を詰めていて、欠けていたので、遠くから見ると、指は5本と3本に見えたので、3-5の馬券を買ってしまった。)

小ネタで笑わせる場面もあるので、気楽に見る分にはいいかもしれない。

映画試写会は、とんかつのチェーン店「和幸」が提供したもの(スポニチ新聞主催)で、参加者800人に、カツサンド&烏龍茶が配られ、無料試写会でもあるので、文句も言えない。

★★ (残念)

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