映画「巴里のアメリカ人」(1951)を見た。
パリを舞台として、アメリカ人の画家とフランス人の女性の恋を描く。
このあと「足ながおじさん」ではフレッド・アステアと、「恋の手ほどき」ではモーリス・シュヴァリエと共演し、ミュージカル女優として活躍した。1953年公開の「リリー」でアカデミー主演女優賞にノミネートされ、英国アカデミー賞主演女優賞を受賞。
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パリに住むアメリカ人ジェリー・ミュリガン(ジーン・ケリー)は、パリに留まって1人前の絵描きになることが望みだが、絵の勉強は一向に進まない。だが友人はたくさんできた。米国人のピアニスト、アダム・クック(オスカー・レヴァント)やフランス人の歌手アンリ・ボウレル(ジョルジュ・ゲタリ)たちである。
ジェリーの絵はさっぱりパリジャンにうけなかったが、モンマルトルで開いた個展を訪れた金持ちの米国婦人ミロ・ロバーツ(ニナ・フォック)は、彼の才能を認め保証人になってくれた。どうやらミロは絵よりもジェリーに思いがあるようだ。
ミロと一緒にキャバレーにいったジェリーは、愛くるしい清楚なパリ娘リズ(レスリー・キャロン)を見染めて一目惚れ、強引に彼女の電話番号を聞き出した。あくる日から、ジェリーとリズは逢いびきを重ね、お互いに愛し合う仲となった。
だがリズはアンリと内々に婚約していることをジェリーにかくしていた。
リズは戦争中両親を亡くしてからというもの、アンリの献身的な世話を受けてきたので、彼を愛してはいなかったが深く恩義を感じて婚約したのだった。
やがてアンリはアメリカへ演奏旅行に出発することになり、彼はリズに結婚して一緒に行こうと申し出た。リズはこれを承諾し、ジェリーにすべてを打ち明けた。
ジェリーが落胆したことはもちろんである。だがミロは却って喜んだ。
そのミロを連れて美術学生の舞踏会に出かけたジェリーは、そこでリズとアンリに会った。人影ないバルコニーで、ジェリーとリズは最後の別れを惜しんだ。アンリは偶然、2人の話を立聞きし、、2人が愛し合っていることを知った。彼は自ら身を引き、ジェリーとリズは晴れて結ばれたのだった(Movie Walkerより)。
この映画は、かつてテレビで見たような記憶があるが、通してみると、見ていなかったようだ。ジーン・ケリーの踊りはチャールストンからチャップリンのものまねまで自由自在に踊り、タップダンスで天才ぶりを見せつけている。
映画の冒頭では、ジェリー(J・ケリー)のパリの狭いアパートが映し出されるが、ベッドはヒモを引くと天井に収納され、小部屋の扉の裏側が引き出しがついていたり、食卓テーブルもコンパクトで、機能的。独身者らしく、慣れた手つきでものを扱うところが無駄がない。パリの街中もカラフルで、映像的にも印象に残るシーンが多い。
出演者:
ジェリー:ジーン・ケリー
リズ:レスリー・キャロン
アダム:オスカー・レヴァント
ミロ:ニナ・フォック
アンリ:ジョルジュ・ゲタリ
監督:ヴィンセント・ミネリ
製作:アーサー・フリード
脚本:アラン・ジェイ・ラーナー
作曲:ジョージ・ガーシュウィン
振付:ジーン・ケリー
アカデミー賞で「作品賞」「美術賞」「撮影賞」「衣装デザイン賞」「作曲賞(ミュージカル)」「脚本賞」の6部門を受賞した。ジーン・ケリーは1952年に「俳優、歌手、監督、ダンサーとしての多芸さ、特に振り付けの芸での輝かしい功績」のためにアカデミー名誉賞を受賞。これはジーン・ケリーの唯一のオスカーとなった。
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