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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「アイデン&ティティ」(2003)</span>




アイデン&ティティ」(2003)という日本映画を見た。
原作はみうらじゅんのコミックで、脚本は、クドカンこと宮藤官九郎。俳優の田口トモロヲの初監督作品。ロックに夢中になる青年を中心とした青春映画。クドカンも現在のようなシャープさがなかったようだ。


麻生久美子
が出演しているので見た。
この映画の麻生久美子は、ロック・バンドのギタリストの学生時代からの彼女だが、ダメ男を「キミ、キミ」という呼び方をするが、話し方が棒読みのよう。「帰って!君のことが嫌いになる前に」「キミは何を伝えたいの。キミのアイデンティティは何?」といった具合。

そうした話し方は意図的なのか不明だが、相手の男から、いちいちの発言がすごいと言われる、しっかりした性格の持ち主。演技はイマイチだがかわいい。

中村獅童大森南朋などバンド・メンバーで出演しているほか、大杉漣塩見三省カメオ出演浅野忠信もいた。他にピエール瀧平岩紙など。

1980年代後半から1990年代初頭の日本におけるバンドブームが時代背景。
みうらじゅんが在籍していたバンド「大島渚」の映像も少しだけ登場する。また、みうらが敬愛するボブ・ディランへのオマージュが随所に表れている。というよりもボブ・ディランを模した人物が、主人公にだけ見える影のような謎めいた人物として登場し、アドバイスをするのである。

主題歌「ライク・ア・ローリング・ストーン」の他にも、劇中でディランの曲やレコード・ジャケットが度々登場。音楽へのこだわりが強い映画で、作中でボブ・ディランの楽曲が使用されているのはみうらの強い希望という。ディラン本人に英訳した脚本を読んでもらって承諾を得ている。

バンド・ブームに乗ってメジャー・デビューしたSPEED WAY。
デビュー曲がそこそこヒットし、女性ファンも増えた。しかし、ギタリストの中島は、本当のロックを求めて葛藤する。そんな時、中島が暮らす高円寺のアパートに、ボブ・ディランのような風貌の、謎めいたハーモニカ吹きが現れた。その姿は中島にしか見えなかった。やがてバンド・ブームは終息。ある事件をきっかけに、中島は自ら歌うことを決意するが・・・(Wikiより)。

・・・
峯田和伸が演じる主人公の中島は、本人も言うように「ダサくて、臭くて、メガネでバンドをやっているためにギリギリどうにかなっている」という人物。煮え切らない性格で見ていてイラつきを覚える。誰かが背中を押さなければ何もできないと言う始末。


学生時代から付き合って4年という彼女(麻生久美子)のアドバイスが唯一の励みの様子。自分に自信がなく、彼女に「ひとつ聞いてもいい」とおそるおそる聞く。

「 なあに?」 「君は・・・僕のこと・・・好きかな?」
「酔っ
払ってるの?それとも女の子と何かあった?バカねえ、不安なの?誰もいなくなったって私だけは味方なのに。君があたしの知ってる君である限りだいじょうぶよ」(セリフが硬い!)。

タイトルの「アイデン&ティティ」は、アメリカ映画の「アイデンティティ」と紛らわしいが、当然Identity (自己同一性)から来ており、映画の中でも「売っていそうで売っていない。誰でも持っていそうで持っていない。それがアイデンティティだ」などというセリフもある。音楽に夢中になる若者の自分の目指すもの、存在意義探しの映画と言える。

中島が、「オレの音楽が好き。それとも俺が好き」と質問すると、彼女は「両方」と答える。「もし音楽をやめたら・・・」とさらにきく中島。「音楽で成功するか失敗するかは関心がない。キミが夢に向かっていくところが好き」というのだった。

結婚を申し込むと、「いいよ」と簡単に返事。
逆に中島が驚いてしまう。「私たちは、毎日イチャイチャする関係は過ぎたと思うの。
その上の段階だと思う。それを結婚というのだったら賛成だよ。」 中島は、その言葉に、またまた「君はやはりすごい」と感心するしかなかった。

ロボットのような棒読みのセリフでも、麻生久美子なら許せる(爆)。

★★

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