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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「バタフライ・エフェクト」(2004)

 
バタフライ・エフェクト」(2004、日本公開2005)を見た。
この映画は、アシュトン・カッチャー主演のタイムスリップ系サスペンス。カッチャーは製作にも名を連ねている。米国ではかなり高い評価を得ていたようで、続編「2」と「3」が製作されている。今ひとつ、すっきりしない映画だった。
 
主人公エヴァン(アシュトン・カッチャー)の少年時代、7歳の時のことが描かれ、それから6年後、さらに7年後と話が飛ぶ。しかも、成人してからの主人公の記憶がときどきブラックアウト(記憶喪失)する症状が現れる。
 
その症状がすっかりよくなったかに見えたが、ある日当時の日記を読み返したエヴァンは、失った記憶を突然取り戻した。しかもその恐るべき記憶を、エヴァンはあとから変更する事ができる、つまり過去に戻れるのだった。
 
さて、現在も、エヴァンは、幼馴染の少女ケイリーに恋をしている。
ところがその女の子とは、よくわからないうちに疎遠になってしまっていた。
なぜ理由がわからないかというと、「何か大変なことがあったらしい」という肝心な部分の記憶が失われているからだ。
 
その虫食い部分の記憶こそが、まさに驚愕の事実で、主人公が覚えていない時間帯に重大な事がおきていたのだった。そうなると、過去を変えたいと思うのが人間。しかもその能力があるとしたら、なおさらだ。
 
失われた記憶の瞬間に向け一種のタイムスリップを行い、実際の通りの選択Aではなく、別の選択Bをしてやりなおすことにする。
 
しかし、物事がそう上手くはいかない。
この映画のタイトルは「バタフライ・エフェクト」。
この言葉は、蝶(バタフライ)のはばたきが地球の裏側では竜巻を引き起こすという、カオス理論を象徴する言葉。言い換えれば、「主人公がこういうふうに変えたいと思っていた過去のわずかな選択が、想像を絶するような未来を巻き起こす」ということである。
 
彼は、愛する彼女(ケイリー)の人生を救うために過去に戻って「間違い」を修正したはずだった。

ところが、時間の法則はあまりにも残酷であり、彼女ケイリー(エイミー・スマート)と彼の人生は、主人公がまったく予想もしなかった方向に転落してゆくのだった。そのたびにエヴァンは何度も過去に戻り、自らの人生をやり直すのだ。たとえ何度地獄を見ることになろうと・・・。
 
・・・
作品としては、マイナー作品の部類に入る、ややオカルト(神秘的現象)的色彩の映画だ。どれが真実で、どれが妄想だったのか混乱に陥れるような映画でもある。
 
 
子供たちが、遊びで、ダイナマイトをある家の郵便受けに入れて爆破させようとしたが、その中にいた一人、エヴァンは、その後、その時の記憶が全くなくなっていて、何回かその時に戻って、事実を探ろうとする。日記として記していたノートを少年時代からつけていたので、確かめるためだった。その時にいた少女ケイリーにとってよりいいように変えようとしたりするのだが、逆効果になったりする。
 
エンディングも、ディレクターズ・カット版とDVD版(今回見たのはDVD)では異なっているようだ。ラストシーンでは、さらに8年後のエヴァンが描かれているが、大勢の中を歩いている時に、すれ違った女性がもしや・・・といった表情をする。
 
 
その女性も、数メートル先で、一旦振り返るが、また歩いていく。エヴァンが振り返った時には、その女性は雑踏に消えていた。その女性こそ、ケイリーに違いないのだが、映画はそのまま終わり。
 
よく考え抜いた脚本だと思うが、今ひとつ馴染めないところもあった。
エヴァンは刑務所や病院で治療したりするが、ちょっとしたすきに、事務所にこもって幼い頃のフイルム映像を見たりするシーンがあるが、イマイチよく理解できなかった。
 
評価は好みによって分かれそうだ。
斬新さという点で、最高傑作という評価もあるが。
 
★★
 
 
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