「明日に向かって撃て!」(1969)が公開されたのは1970年のはじめで、当時劇場で見た。2年前にもテレビで見たが、きょうBSで放送されていたので再々見した。今見て気づいたことも多かった。
ラストシーンは伝説になるほど有名なストップ・モーションのシーン。
サンダンス(ロバート・レッドフォード)もブッチ(ポール・ニューマン)も銃で撃たれており、全身が傷だらけ。そんな二人の会話は、お互いが気のきかないことに対しての罵り合いが続く。
「走らねえのか、老いぼれめ」とサンダンスが言えば、ブッチは「援護もないじゃねえか、この口先野郎が!」とやり返す。
「次はいいところへ行きたいぜ」
「うるさい」
「ここへ連れてきたのはお前だ」
「次はどこがいい?」
「オーストラリアへ行こう!」(guchのおじさんがいるから、とは言わなかったが)
「どこが違う?」
「英語を話せるからさ。それに泳げるぜ。」
「泳ぐ話はするな!」
「女も、手当り次第さ」
「(表に)レフォーズはいなかったな。じゃあ大したことはないさ」
「行くぞ!」
・・・
蟻一匹も漏らさぬほどに銃を構えた警察隊の一斉砲撃
「Fire!(撃て!) Fire! (撃て!)」のことばで、画像はストップ。お見事。
1890年代の西部。
家畜泥棒と銀行強盗が稼業の2人組のガンマン、ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)とサンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)は、同じ盗人仲間のハーベイ・ローガン(テッド・キャシディ)らの誘いにのって、列車強盗を試み、大金をせしめた。
この後ブッチは、銀、錫などの鉱山資源の豊富なボリビアへ行って荒稼ぎしようと、サンダンスを誘う。そして、スペイン語のできるサンダンスのガール・フレンド、女教師のエッタ(キャサリン・ロス)も交えて、彼らはボリビアへ向かう。
しかし、ボリビアはブッチの想像とは異なり大変な貧乏国で、2人はたちまち銀行強盗に戻る。やがて2人はヤンキー泥棒として有名になり、警察も彼らに手ごころを加えた。
2人にとってはこれが不満で、とうとう彼らは足を洗い、錫山のガードマンとなった。エッタは2人がカタギになったことを喜ぶが、所詮、泥棒稼業が身についた2人、正業を長続きさせることはできないだろうと考えていた。
この不安は的中し、数年後、彼らは鉱山の給料を奪い、再び警官に追われる身となった。捜索には、ボリビア軍隊までも動員され、2人はあえない最期をとげた。
第42回アカデミー賞では4部門で受賞した。
☆撮影賞:コンラッド・L・ホール
☆作曲賞:バート・バカラック
☆主題歌賞:「雨にぬれても」
(ほかに作品賞、監督賞、音響賞にもノミネートされた)
過ぎ去りし時代への憧れと共に現実と空想の世界を織り交ぜ、ユーモアも混じった
新しいタイプの西部劇の傑作となった。
オリジナルタイトルの人名だけというのが多い米国映画だが、
「ボニーとクライド」→「俺たちに明日はない」
など、当時は邦題にも味わいがあった。
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