きょうから公開の「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」を今朝、初回9:30の回にみた。映画は、”事実に基づくフィクションである”と前置きがあり、歴史上名だたる人物も登場し、興味津々のワクワクする作品だった。
26歳の若さで引退を発表し、モナコの公妃となったオスカー女優のグレース・ケリーの知られざるはなし。グレース・ケリーは、1950年代、クール・ビューティと謳われ、この映画の話が持ち上がった時に、ニコール・キッドマンが、自らを売り込んだと言われる。キッドマンは、ハリウッドきっての、現代のクール・ビューティそのもので、映画の中では、キッドマンが、グレース・ケリーに思えてくるから不思議だ。
このところエリザベス女王、マリリン・モンロー、アルフレッド・ヒッチコック、アウンサン・スーチー、ダイアナ元王妃など実在した人物の映画が多く製作されているが、グレース・ケリーの女優時代の話や映像は一切出ずに、後半生の生き様を描いた点で、記憶されることになるだろう。
フィラデルフィアで生まれ、20歳のときにモデルの仕事を始め、ブロードウェイデビュー、映画デビュー、次々と活躍の場を広げ、25歳のときには映画「喝采」でアカデミー主演女優賞受賞。世界中から愛された大女優。
女優人生だけでもドラマティックであるのに、さらにカンヌ映画祭に出席したときにモナコ大公レーニエ3世と出会い、恋に落ち、翌年に結婚。モナコ大公と大女優の“世紀の結婚”は、はたから見れば映画のような夢物語のようだが、実際は・・・。
女優人生だけでもドラマティックであるのに、さらにカンヌ映画祭に出席したときにモナコ大公レーニエ3世と出会い、恋に落ち、翌年に結婚。モナコ大公と大女優の“世紀の結婚”は、はたから見れば映画のような夢物語のようだが、実際は・・・。
映画では、そんなこともあったのか、という驚きの連続で、一応フィクションといっても、事実に基づくとあるとおり、映画のサブタイトルにある”公妃の切り札”が、すくなからぬ感動を呼びみどころ。
地中海に面したモナコ公国の国土面積はわずか2.02平方キロメートル。
日本の皇居の約2倍、バチカンに次ぐ世界第2位の小国。
”カジノ・シティ”として知られるように、外国観光客によるカジノの売り上げが収入の大きな柱だが、フランスとの軋轢、ドゴール大統領の圧力に対抗したモナコの切り札とは・・・(映画をこれから見る人がほとんどなので、詳細は控える)。
モナコ公妃になってからも、映画出演のアプローチをしていたのだ!
極秘に映画製作を進めるのがヒッチコック流。
ヒッチコックの「マーニー」「鳥」といった映画の製作前の状況も語られ、映画ファンなら、興味は尽きない。
登場人物も大物ぞろい。
シャルル・ドゴール仏大統領、ソプラノ歌手・マリア・カラス、20世紀最大の海運王オナシス(正式な名前は、アリストテレス・ソクラテス・オナシス!)も影響力を持った人物として登場するのも興味深い。オナシスといえば、ギリシャのフラッグ・キャリア”オリンピック航空”を設立したほか、アメリカのジョン・F・ケネディ大統領の未亡人ジャクリーン・ケネディと結婚したことで、世界中で知られる大富豪だ。
映画の面白さは、脚本。その意味では、モナコ公国とフランスの駆け引きなど当時の政治状況の一端を示しているのも面白い。サスペンス的な色彩もあるので、触れない。
出演者では、 ニコール・キッドマンの他では、神父役でいまや名優となったフランク・ランジェラが出演している。ランジェラというと、デビュー作の「わが愛は消え去りて」(1970)「パリは霧にぬれて」(1972)をリアルタイムで劇場で見ているので、懐かしい。
この映画、英語版とフランス語版があるようだ。
日本ではもちろん英語版だ。シャルル・ド・ゴールのシャルルは、英語式に「チャールズ」と発音されていた。
主な出演者(太字は俳優・女優名):
フランシス・タッカー神父:フランク・ランジェラ(レーニエとケリーを引き合わせた)
マッジ・ティヴィ=フォコン :パーカー・ポージー
ルパート・アレン:マイロ・ヴィンティミリア
フェルナンド・ダイリエレス伯爵: デレク・ジャコビ
アントワネット公女:ジェラルディン・ソマーヴィル(レーニエの姉)
ジャン=シャルル・レイ :ニコラス・ファレル
アルフレッド・ヒッチコック :ロジャー・アシュトン=グリフィス(有名映画監督)
バチョッキ伯爵夫人:ジャンヌ・バリバール
ドラヴェンヌ氏 :イヴ・ジャック
シャルル・ド・ゴール:アンドレ・ペンヴルン(フランス大統領)
ロバート・マクナマラ:フィリップ・ダレンシー(アメリカ合衆国国防長官)
・・・
ニコール・キッドマンといえば、気品のある顔立ちで、グレース役にうってつけだが、
映画1作品の出演料が高額なことで知られており、2006年には「最も出演料の高い女優1位」となった。しかし、2008年の「フォーブス」誌では高額なギャラ相応の興行収入が稼げないことから「コストパフォーマンスの悪い俳優1位」になったこともある。
出演料が高騰しすぎて、使いにくい女優、俳優というのは、映画製作者にとっては、遠慮するところだろう。ギャラもそこそこで”使い勝手のいい女優・俳優”が好まれるだろう。
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