「ノーバディーズ・フール」(原題:Nobody's Fool, 1994)は、映画の最後に、この映画をジェシカ・タンディに捧げるという言葉がある。ジェシカ・タンディは、ヒッチコックの「鳥」やアカデミー賞助演女優賞を獲得した「ドライビング・ミス・デイジー」などに出演した名女優。「ノーバディーズ・フール」の完成後、映画公開を待たずに85歳で亡くなった。
予告編
少年の心を持ったまま大人になった男という設定で、なかなか大人になり切れない60歳のサリバン(通称サリー)(ポール・ニューマン)が、別れた家族や、まわりの仲間たちとのかかわりや、ちょっとした小さな事件などを通して、やがて大人として振る舞う事に気づいていくという、地味だが、淡々とした触れ合いや人情の機微などを描いて、染み入るドラマだ。
主演のポール・ニューマンは60歳の設定にしては老けている印象だが、まさにハマリ役。20年前の映画で、共演のブルース・ウィリスも「ダイ・ハード」の後の出演で、押さえ気味の演技で味わいがある。今年2月に46歳の若さで亡くなったフィリップ・シーモア・ホフマンが若い警官役で出演している。ブルース・ウィリスの奥さん役で、「ワーキング・ガール」のメラニー・グリフィスも出演。
主人公のサリーが、なぜ離婚して家を飛び出してしまったのかなどがはっきりせず、息子とも疎遠だが、その息子(サリーの孫)との交流や、学校時代の恩師(ジェシカ・タンディ)の家に居候して、その元・教師などを通じて、失いかけていた人間の絆を次第に取り戻していく。
サリーの幼い孫(5,6歳)は、引っ込み思案で、怖がる性格だったが、1分、2分と我慢すればいい、とストップウオッチをプレゼントする。針が1周で1分と教えて、そのことが後に役立つシーンもある。
あるとき、友人が、サリーに万馬券が出たというと、いつもは買っているのに今回だけは、買っていなかったという。しかし、息子が現われて、サリーに頼まれて購入していたというのだ。サリーは忘れていたのだ。ちなみに万馬券は、5,800ドル(約70万円)という大穴だった。
「ノーバディーズ・フール」の意味は、文字通りには、”誰に対しても馬鹿でない男”ということだが、そのほかに「煮ても焼いても食えないやつ」「一徹者」「 頑固者」などといったニュアンスもあるようだ。
★★ (全体的にストーリーに起伏なく、単調で)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:
ついでにクリック・ポン♪。