ショーン・ペン主演の「オール・ザ・キングスメン(原題:All The King's Men、2006)を見た。出演俳優はショーン・ペンのほか、ジュード・ロウ、ケイト・ウインスレット、アンソニー・ホプキンスといった豪華俳優で、野心家の地方政治家が権力欲の虜となって自滅していく様を描いたかなり硬派のドラマ作品である。
骨太で、重厚さにあふれ、音楽もよかった。
ロバート・ペン・ウォーレンの小説「すべて王の臣」(原題: All The King's Men はハンプティ・ダンプティの詩の一部に由来。「王様の家来みんな」。)の映画化したものである。2006年版のスティーヴン・ザイリアン監督は、1949年版は見ていないといわれ、厳密にはリメイクというよりも、同じ原作の映画化というのが正しいようだ。
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地方の一活動家から理想に燃えて州知事となるも権力欲によって腐敗していく男と、彼に付き添う上流階級出身のジャーナリストの人生が交錯し、悲劇が生まれていく。原作は大恐慌の時代(1920年代後半~)が舞台となっているが、映画では1950年代が舞台となっている(スタークが暗殺されるのが1954年。映画の冒頭はその5年前である)。
そんな彼を取材するため、クロニクル紙記者ジャック・バーデン(ジュード・ロウ)が取材にやってくる。果たして校舎で非常階段の崩落事故が起き、3人の子供が犠牲になったことで、スタークは一躍脚光を浴びる。
ジャックは、ウィリーがいずれメイソン市の市長になるだろうと予感していた。
そんなウィリーをダフィと名乗る太った男が訪ねてくる。
彼はウィリーにルイジアナ州の知事選に立候補するよう熱心に勧める。
彼の対立候補を支持していた新聞社から退職したジャックは、ウィリーのスタッフとなった。
州知事就任後のウィリーは、主に貧しい人々の熱烈な支持を受けながら、大企業や上流階級の利益を代表する議会や州裁判所とは対立し、上流階級からは冷笑的な扱いを受けていた。汚職で弾劾する動きがあると知ったウィリーは、弾劾支持を表明したアーウィン判事(アンソニー・ホプキンス)を訪ねる。彼はジャックの名付け親であった。
アーウィンの決意が固いことを知ったウィリーは、彼の翻意を迫れるスキャンダル探しをジャックに命じる。また、自分の名前を冠した新設の病院院長にアダム・スタントンを当てるが、彼はジャックの幼馴染で親友であり、恋人だったアンの兄であった(Wikiより)。
ジャック・バーデン(ジュード・ロウ)などの若い時代も交錯して描かれるのもみどころ。
ラストの銃撃シーンでは、それまでカラーだった映像が一転してモノクロに変わり、流血の惨事になるが、石の彫刻の絵柄に沿って、血が流れるシーンはインパクトがある。やがて、モノクロがカラーに変わり、鮮烈だ。

ショーン・ペンは、どことなくロバート・デ・ニーロを彷彿とさせるような風貌で、演説など迫力がある。パトリシア・クラークソンという女優は、印象的で見たことがあると思ったら「アンタッチャブル」で映画デビュー、ケヴィン・コスナーの奥さん役だった。
アメリカの政治システム、大統領選、知事選などは日本にないため、なかなかわかりにくいところもある。”オール・ザ・~メン”といえば「大統領の陰謀」の原題は「All the President's Men」だった。日本の、小泉チルドレンなどというのとは違って、重み・迫力が違う(笑)。
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