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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「カッコーの巣の上で」(1975):38年ぶり二度目の鑑賞。

 
 
カッコーの巣の上で」(原題:One Flew Over the Cuckoo's Nest)は、1975年11月に米国で公開され、日本では翌1976年4月の公開だった。
 
その当時、劇場で見たのだが、厳格な規則で患者をコントロールするラチェッド婦長(ルイーズ・フレッチャ)の厳しさとジャック・ニコルソンの演技が印象に残るくらいで内容は難解だったので見直したのだった。
 
第48回アカデミー賞では、作品賞監督賞主演男優賞ジャック・ニコルソン主演女優賞ルイーズ・フレッチャ脚色賞と主要5部門を独占。これら主要5部門の獲得は1934年に受賞した「或る夜の出来事以来、実に41年ぶりの快挙であった。
 
 
ジャック・ニコルソンは、すでに「イージー・ライダー」(1969)をはじめ、「ファイブ・イージー・ピーセス」(1970)「愛の狩人」(1971)などを見ていたが、この「カッコーの巣の上で」で、その”怪優”ぶりをいかんなく発揮していた。当時38歳のニコルソンだが、頭部はすでに後退していて、それほど今と変わらない(笑)。
 
部分的にしか見ていない「シャイニング」と双璧なのだろう←「シャイニング」が未見?とツッコミがありそうだ。(追記:「シャイニング」はしっかり後で見た。)
 
「カッコーの巣」とは、(精神)病院のことだ。
原題の”一人がカッコーの巣を飛び越えた”は、映画を再見して、意外にも、主人公のマクマーフィ(ジャック・ニコルソン)ではなかった。実際は、耳も聞こえるのに聾唖者のふりをして病院にいる大男のインディアン、チーフという男だった。
 
               映画の1シーン
 
こんな話:
R.P.マクマーフィ(ジャック・ニコルソン)という男がオレゴン州立精神病院に送られてきた。マクマーフィは刑務所の強制労働を逃れるために、狂人のフリをしていたのだ。ある日、婦長ラチェッド(ルイーズ・フレッチャ)により定例のディスカッションが行われていた。
 
これは決められたスケジュールであり、この規則通りに患者は従うのが当然という風潮が支配していた。ところが、マクマーフィは、野球のワールドシリーズが見たいと言う。
 
 
 
 
婦長は、「では、多数決を」と決を採るが、賛同者は少なく、却下される。
次の日も、試合があり、再度多数決が行われたが、またもや却下された。
ある日、マクマーフィは病院のバスを勝手に乗り回し、釣りに出かける。
 
船では、大魚を釣るために、餌付けをして、魚釣りに興じる。
 
あるディスカッションの日、マクマーフィは病院に拘束され、自分からは退院できないことを知る。そのことを初めて聞いたマクマーフィは、周りには、強制的に入院しているものはいないことに驚く。ボランティア(自主的)で入院していたのだ。その日からマクマーフィは脱走計画を立てる。聾唖のフリをしているチーフという男を相棒にした。
 
 

クリスマスの日、マクマーフィは逃亡を決行しようとする。
その晩、看護人を買収し、病棟中で大宴会を開く。
 

しかし、マクマーフィは途中で眠ってしまい、逃亡は行われなかった。翌朝、散らかし放題の病院では昨夜の宴会が大問題になる。
冷徹な態度をとる婦長のラチェッドに腹を立てたマクマーフィは、彼女の首を絞めるが、周りの人間に取り押さえられてしまう。普段は威張っている婦長だが、この時ばかりは苦しそうな表情を見せ「自業自得」とマクマーフィを声援したくなってしまう(笑)。
 
しかし、このこともあって、結末は悲惨だった。
マクマーフィはしばらく別病棟に送られ、しばらく経ったころ、チーフの病室にマクマーフィが帰ってきた。といっても、夢遊病者のように、植物人間にされて帰ってきたのだ。チーフは、以前脱走を進められ断っていたのだが、「今こそ脱走できる」とマクマーフィに語るが、全く反応がなく、怒りと悲しみからマクマーフィを枕で顔を抑えて窒息死させ、自らは病院から脱走するのだった。
 
窓を打ち砕くには、水道の蛇口のある設備を取り外し、それを使って窓を壊そうとしていた以前のマクマーフィのように(その時は力及ばず実現できなかった)、力にものを言わせて、取り外し、窓をぶち割って、脱走に成功したのだった。
 
その音を聞いたほかの患者仲間たちは、マクマーフィが実行して、成功したと思いこんで喜ぶのだが・・・。
 
・・・
精神病院の患者たちは、マクマーフィからは、婦長に逆らえないでいるので「ヌケサク」呼ばわりされていたのだが・・・。言語障害のある若い男ビリーは、マクマーフィの友達の女二人のうちの一人に好意を持ち、マクマーフィやほかの患者たちの計らいで、病院の一室で一夜を共にするのだが、これが婦長の知るところとなり婦長は激怒。
 
婦長が、ビリーの母親と友人であったことから、「母親に知らせる」というと、ビリーは、そのことに驚くほどの拒絶反応を見せ、自殺してしまう。
 
・・・
カッコーの巣の上で」もアメリカン・ニューシネマの1本といわれているが、精神病院そのものが、病めるアメリカを象徴しているというのか、その中でもがき苦しむ人たちがあるときは滑稽だったり、異常だったり、それぞれ問題を抱えているさまが抉り出されていた。
 
この映画では、脇役でダニー・デヴィートがスクリーン・デビューしている。
映画の製作にもかかわっているマイケル・ダグラスとは親友ということで、後のマイケル・ダグラス主演の映画(「ロマンシング・ストーン」「ナイルの宝石」など)で共演している。
 
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Wikiによると、1998年にアメリカ映画協会が選出したアメリカ映画ベスト100では20位に、2006年に選出した感動の映画ベスト100では17位に、2007年に選出したアメリカ映画ベスト100(10周年エディション)では33位にランクインしている。
 
2012年に英「Total Film」誌が「映画史に残る演技ベスト200(The 200 Greatest
Movie Performances of All Time)」を発表し、この映画でのジャック・ニコルソの演技が1位選ばれた。
 
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