「チャイナタウン」(原題:Chinatown, 1974)を見る(再見)。監督はロマン・ポランスキー。水源開発スキャンダルをプロットに組み入れた異色のフイルム・ノワール映画。
主演は「ファイブ・イージー・ピーセス」「愛の狩人」のジャック・ニコルソンと「華麗なる賭け」のフェイ・ダナウエイ。
ジョン・ヒューストン(「黄金」「マルタの鷹」などの監督)が、貫禄たっぷりに大物を演じている。原案・脚本を手がけたロバート・タウンにとっても代表作というべき作品。アカデミー脚本賞と1975年のエドガー賞(映画脚本賞)を受賞。1991年にはアメリカ国立フィルム登録簿にも登録された。
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舞台は1930年代当時のロサンゼルス。私立探偵ジェイク・ギテス(ジャック・ニコルソン)は「モーレイ夫人」と名乗る女性に依頼され、市の水道局幹部であるホリス・モーレイ(ダレル・ツワーリング)の身辺調査をすることになった。
尾行の結果、ジェイクはホリスが若いブロンドの女性と逢っている様子を写真に撮影する。だがホリスのスキャンダルはすぐに新聞にすっぱ抜かれ、更にホリス自身も何者かに殺害されてしまった。しかも最初にモーレイ夫人を名乗って調査依頼してきた女は別人と判明する。
ジェイクは独自に事件の真相に迫ろうとするが、そこで見たのはロサンゼルスの水道利権を巡る巨大な陰謀と、ホリスの妻エヴリン(フェイ・ダナウエイ)、そして彼女の父である影の有力者ノア・クロス(ジョン・ヒューストン)を中心とした人々の、愛憎半ばする異常な過去だった。
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アメリカン・ニューシネマの草分けと言われた「俺たちに明日はない」のフェイ・ダナウエイと「イージー・ライダー」のジャック・ニコルソンが共演。キャリアでもピークのころだったかもしれない。
フェイ・ダナウエイに至っては「俺たちに明日はない」のラストで車の中で、87発の銃弾に倒れたが、「チャイナタウン」でも車の中で銃撃により最期を遂げるところは強烈。
「マルタの鷹」「アフリカの女王」などの巨匠ジョン・ヒューストンが、俳優として悪役を演じている。ヒューストンが演じるのは、私立探偵ジェイク・ギテス(ジャック・ニコルソン)の前に立ちはだかる下衆で非道なロサンゼルス政界の悪役ノア・クロスで、そのふてぶてしさは映画史に残る悪役。
タイトルのチャイナタウンは、私立探偵ジェイク・ギテスが警官時代に過ごした場所。当時のクラシックカーが多数登場したり、水道に絡むスキャンダルなど、時代考証もしっかりとしているようだ。
この映画「guchさんのお気に入り作品の1本」だった気がする(笑)。
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