1970年代ブログといいながら見逃している映画がまだある。
「チャイナタウン」は、なぜ見ていなかったのかと思ったら、それどころではない時期だった。1975年4月の日本初公開だったが、1975年5月末から初の海外勤務(ニューヨーク)を控えていて準備のためにアパートの引き払いやら、荷物の実家への配送などにふうふう言いながら準備をしていたからだった。
それはともかく、今この映画を見ると、フイルム・ノワール(犯罪映画)の傑作と言われるだけあって、よくできている。ジャック・ニコルソンの探偵役がハマっている。
ニコルソンは、この映画の撮影当時は37歳だったが、もともと髪が薄く、オールバックにして、貫録すらある。びしっとスーツで決めて、両手で、頭をなでたり、常に煙草のケースをポンポンと叩いて吸うところなど、探偵役が板についている。
ナイフで鼻を傷つけられたニコルソンは終始、鼻にばんそうこうをつけていた。
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1937年のロスアンゼルス。
私立探偵ジェイク・ギテス(ジャック・ニコルソン)はモーレイ夫人からダム建設技師である夫の浮気調査を依頼される。
だが、盗み取りした写真がなぜか新聞に掲載され、それを見たもうひとりのモーレイ夫人(フェイ・ダナウエイ)が現れる。実は彼女こそ本物で、名をイヴリンという。
ジェイクはこれがダム建設をめぐる疑惑と関係ありと睨んで調査を開始するが、モーレイは溺死体で発見され、ジェイクもまた謎の男たちに暴行を受ける。探偵と依頼人という関係を越えはじめたイヴリンとジェイクだったが、なおも謎は深まるばかりだった・・・。
R・タウンのオリジナル脚本(アカデミー受賞)をロマン・ポランスキーがノスタルジア・ムードいっぱいに描き出した傑作ハードボイルド・ミステリー。
ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイといった2大俳優の雰囲気が素晴らしく、ポランスキー監督がお手本にしたという「マルタの鷹」の監督でもあるジョン・ヒューストンも、俳優として出演し、重厚な演技を見せている。ジョン・ヒューストンは、風格からして圧倒するものがある。
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オープニングから、トランペットのジャズっぽい音楽が雰囲気を盛り上げている。
ミステリー大ファンのguchさんの好みそうな”堅ゆで卵”(冷酷非情)の映画だ(笑)。
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