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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">ドラマ「ダンダリン 労働基準監督官」(第1話、2話)・・・面白い!</span>


 
銀行の内幕を勧善懲悪で描いた「半沢直樹」。
百戦錬磨の変人弁護士を描く「リーガルハイ」。
映画人を背景に未婚のワケを描く「独身貴族」。
そして、中でもタイムリーなのが・・・。
企業のサービス残業など労働環境の実態を描く「ダンダリン」。
 
この秋のドラマとしてはトップバッターで登場したのが「ダンダリン 労働基準監督官」(水曜、夜10時、日テレ)である。第2話(10月9日)以降は、この秋最大のドラマとみられる「リーガルハイ」と同一時間帯(水、夜10時、フジテレビ)となったのは、アンラッキーといわざるを得ない。
 
しかし、この秋のドラマでは、1、2の面白さだ。
 
半沢直樹」は、一面では、銀行と金融庁の戦いを描くものだった。
「ダンダリン」は、企業にとって、銀行の金融庁にも匹敵する労働基準監督局の活動を中心に描いている。役所の縦割り社会の実態も描かれる。セクハラになると、労働局が担当することになる。賃金の未払いや、サービス残業、名前だけ店長など職務に応じた支払いをせず、アルバイト並みの待遇などを監督、是正するのが労働基準監督署(労基)である。
 
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リーガルハイ」の初回視聴率は、22%以上と「家政婦のミタ」「半沢直樹」を上回る視聴率だった。このまま「リーガルハイ」が、”半沢人気”を引っ提げて堺雅人の変人弁護士が、旋風を巻き起こすか、注目される。
 
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ダンダリン 労働基準監督官」の視聴率は、初回は2ケタの11.3%だったが、「リーガルハイ」がスタートした先週の第2話は、7・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と明らかに、”リーガルのあおり”を食っている。
 
物語の主人公は、労働基準監督官(=労働Gメン)として働く人を守るために、必死で働く人たちの物語で、ドラマの中では、「労基」と略称され、企業の”名ばかり店長” や”残業代未払い” ”パワハラ・セクハラ”などの実態に迫り、是正していくさまを1話完結で描いている。上司が「女のくせに」と言ったらセクハラである。
 
一言でいえば、いま注目されているブラック企業をあらゆる分野で追いつめていくといったところか。
 
そもそもダンダリンとは、女性労働基準監督官の名前・段田凛竹内結子)のこと。
 
段田は、通勤途上でも、法令違反を発見すると、決して見逃すことはできず、ひたすら真面目というかむしろ全く融通が利かないほど違反している企業や経営者を追及する。 「アルバイト募集」でも、性別を明記してはいけないこと、試用期間の給与も記すこと、など・・・。
 
同じ署に勤める同僚たちは、署長をはじめ、仕事上大きな問題を抱えることを避けようとする傾向があった。会議でも、「すべて順調、特になし。想定の範囲内」でいつも署長の一言で終わっていた。段田が着任するまでは・・・
 
「なければこれで」と会議を終わろうとすると、段田は「あります」と手を挙げ、「XXのXX について臨検が必要です」というのだ。「その理由は、XXXで・・・」に署長以下、署員は、最初のうちは抵抗を示し、段田の行動に翻弄されるが、段田のひたむきな仕事ぶりを目の当たりにして、次第に使命感を高め、不当な扱いを受けている労働者のために奮闘するのだった。
 
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第一話は、意外なシーンから始まった。
喪服を着た男女が、どうやら亡くなった同僚らしき人物(女性)のアパートで遺留品を段ボールに整理しているのである。所有物は、極端に少なく、クロゼットにもスーツなどが2、3点だけ。部屋も整然としている。水槽には、めずらしい高価そうな観賞魚がいて、獰猛という。忙しく箱詰めしている人たちの会話では、「あの人らしいな」という声が聞こえる。
 
場面は一転して、「3か月前」となり、先ほどの水槽があり、そこには、このドラマの主人公であるはずの竹内結子の姿があり、独り言のように「山のあなたの空遠く、幸い住むと人の言う・・・」とつぶやいている。(なに、3か月後に亡くなるのは、竹内結子?とみるものに思わせる展開。まさか?)
 
西東京労働基準監督署に一人の監督官・段田凛竹内結子)が着任する。
前の部署では“問題児”だったというウワサに、課長の土手山(北村一輝)は凛より年下の南三条(松坂桃李)を指導係に付ける。
 
そんな中、凛と行動をともにしていた南三条とバイクで接触しかけた西川(渡辺いっけい)の話から、彼が会社からサービス残業を強いられていることを知る。
 

「会社にばれたらクビになる」という西川の声にも耳を貸さず、凛は西川の会社の調査を開始する。しかし、社長の鴨光(でんでん)と取っ組み合いのケンカとなり、土手山から激怒される凛だった。             
 「小娘が何言うてんねん」                 きぃ~とにらみかえす凛
 
このドラマで初めて知ったが、労基にも場合によっては、警察と同じように、「逮捕」権があるのだという。鴨光は、社員を使ってやっているという態度で、文句のある奴は即刻クビというような振る舞いのワンマン。
 
西東京労基の面々は、「逮捕」というのをテレビの刑事ドラマを連想して、どういう服装で行くか、一列に並んでいくかなど興奮してしまう。20代から40代まで署員がいるので、「黒澤明七人の侍」「Gメン75」「ショムニ」のように一列に・・・などとはしゃぐ。
 
段田だけは、作業服でヘルメット、ほかのスタッフは、ネクタイに背広などだったが、あいにくの雨。雨の中を地べたを這いつくばって進む格好は、まさに戦地の兵隊のよう。
 
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第2話は、飲茶カフェチェーンの店長・花枝(平山あや)が社長の椎名からのセクハラを訴えて労働基準監督署に訪れた。段田凛(竹内結子)はマニュアルどおり、セクハラは「労働局」の管轄だと花枝を返すが、ランチを口実に南三条(松坂桃李)を誘って花枝の店へ向かう。
 
反省の色が見えない椎名(篠井英介)と暴力沙汰を起こし、またまた土手山(北村一輝)に激怒される。土手山に凛から目を離すなと言われた南三条は残業にかこつけて夜を徹しての独自調査を始めた凜に付き合う羽目になる。
 
調査の甲斐あって、花枝が“名ばかり管理職”であることを確信した凛は…という展開だった。
 
臨検などのストーリーとは別に、署員の家族の背景などが描かれ、ドラマに深みを与えている。
 
真鍋所長(佐野史郎)から見合いを勧められる田中(大倉孝二)は、乗り気でないのに、同僚からはからかわれたり、署長の勧めを断れば問題になるなどと脅かす。若い小宮(トリンドル玲奈)から「断るには、恋人がいますといえばいい」とアドバイスがあり、納得する。
 
南三条(松坂桃李)は、母親・恭子(石野真子)と2人暮らしで、この母親は、子離れができておらず、仕事中も迷惑な電話をかけまくる。買物魔で、おだてられ勧められると、何でも買ってしまい、部屋の中は、特別な水だという段ボール箱が何十個と並んでしまう。
 
土手山は、離婚して、ときどき小学生の息子に会いに行くが、あるとき、息子は、父親に会いたくないと待ち合わせ場所に現れず、やってきたのは元妻だけ。元妻・紺野みどり(西田尚美)からは、「退屈なことをしている人間は、退屈な話しかできないからだ」といわれる始末。
 
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竹内結子は、これまでの凛々しい刑事役などと比べると、とっつきにくい、いやな性格と映る。ただ、自分の仕事には忠実で、感情を表には現さない所は、ロボットのようで「家政婦のミタ」に通じるところもある。
 
大きく違うのは、相手と真剣な話をするときなど、相手を正面から見ると、「感情が暴走する」ということで、視線を合わせないようにしている。ある時、涙ぐんで、それを指摘されると、深呼吸をして、「山のあなたの空遠く・・・」とそらんじる。
 
ちなみに「山のあなた」はドイツの詩人・カール・ブッセの詩で、上田敏の名翻訳として知られる。これをもとにした落語で、落語家の三遊亭歌奴(うたやっこ)の「山の、あな、あな、・・・」というのが有名(笑)。
 
 
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