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<span itemprop="headline">俳優:三浦友和(CMイメージから50代以降、円熟俳優に)</span>


三浦友和の存在感が光る「沈まぬ太陽」予告編
 

三浦友和
をはじめて見たのは、映画デビュー作「伊豆の踊子」(1974)だった。
 
当時、友和22歳、百恵15歳の友和・百恵とのコンビは、ゴールデン・コンビといわれて人気があった。フレッシュコンビとして、二枚目俳優の道を歩み、80年に百恵と結婚してからは、これは大変だな、生涯「百恵のダンナ」という言われ方をして終わってしまうのかと心配だった(爆)。
 

80年代~90年代はほとんど友和作品は見ることがなく、紳士服”青山”のCMのイメージが大きかった。このCMは今でも続いている。あとCMといえば、榮倉奈々と親子を演じるサントリービールのCM(なぜか、目障りな?ナルトのマーク「」のようなものが顔についている)。
 
Always 三丁目の夕日」シリーズでは、宅間先生(子供たちからは、”悪魔”先生と呼ばれる)として町医者の役を演じているが、大注目は山崎豊子の巨編「沈まぬ太陽」(2009)の行天四郎役。自分の出世のためには、友人をも裏切る、にくたらしい性格の人物を、好演した。この映画で、三浦友和日本アカデミー賞第33回優秀助演男優賞キネマ旬報ベストテン第83回助演男優賞などを受賞した。
 

       映画「沈まぬ太陽」の成功には、三浦友和(右)の存在も大きかった。
 
その後も「食堂かたつむり」(2010)「マイ・バック・ページ」(2010)「星守る犬」(2011)「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」(2011)最新の「おかえり、はやぶさ」(2012)など、安定した円熟の演技をみせている。
 
fpdと同世代の俳優なので、親近感は覚える。三浦友和が「おかえり、はやぶさ」の中で、10年前のシーンの演技では、若々しく演じており、おお~われわれ世代はまだ若いんだと自分を納得させられるが(爆)、一方現在では、抑えた演技を見せるなど、落ち着いた安定感を見せる世代なんだなと認識させられる。
 

おかえり、はやぶさ
」では、息子の健人(藤原竜也)から電話で「今オヤジに言わないと後悔すると思うことがあるので、いっておきたい」と電話がある。それに対して、大橋伊佐夫三浦友和)が、だまって、その発言を待つところがいい。ここでへたに「なんだ?」とか言ってしまうのかと思ったが、何も言わずに、だまって受話器に耳を傾けるところがすばらしい。
 
息子が、(なんだかんだと反発してきたが)感謝の言葉を告げたときに、伊佐夫は、
「(はやぶさの帰還)おめでとう」と一言。この親子(父と子)の絆の描き方は、ぐっと迫るものがあった。
名優といわれる俳優は、むしろ抑えた演技で、にじみ出るものこそ感動を呼ぶことが多いが、この映画の最大のみどころではなかったか。「おかえり、はやぶさ」の記事では、かなり厳しく書いたが、このあたりのシーンだけでも見る価値はあった。