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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">ドラマ「幸福の黄色いハンカチ」リメイク・TVドラマ</span>

 

 
わかっていても「あの」シーンでは、涙が出てきてしまった。
結局、あのシーンにたどり着くまでの感動的なロード・ムービーだ。
脚本がしっかりしていると、重みがある。
 
3.11の東日本大震災があって、もういちど、明るさ、元気を取り戻そうと企画されたのが、山田洋次監督の名作幸福の黄色いハンカチ」のTVリメイク・ドラマ
 
ストーリーは2011年に置き換えられ、設定なども変わっている。オリジナルの「黄色いハンカチ」に出演した倍賞千恵子武田鉄矢も、別の役で出演、関係者の意気込みが感じられる。
 
高倉健が、それまでのやくざ映画を脱皮して、人情劇に取り組んで、成功を収めた作品だったが、今回は、阿部寛が演じた。阿部寛は、終始、何かを見つめるようなぎらついた目で、考えを巡らしているような雰囲気だ。
 
勇作は7年の刑期を終え、刑務所から出たばかりで、スナックで、カレーライスを黙々と食べるが、そのスナックの母娘のうち、娘を演じているのが、堀北真希
 
阿部が演じる島勇作は海辺で遠くの島を見つめている。そこへ通りかかったのが失業中の若者、花田欣也(濱田岳)。この濱田演じる欣也は、とにかくべらべらとしゃべり、うるさい。
 
勇作からは、何度も「静かにしろ」と言われる始末。
訳ありの勇作の過去がだんだんと明らかになる過程で、それまでちゃらんぽらんな生活をしてきた欣也は、自分のいい加減さに目覚めていく。
 
ドラマでは、現在と過去がフラッシュバックして交互に描き出される。勇作とのちに妻となる光枝(夏川結衣)との出会いから結婚、勇作が、若いチンピラと喧嘩をして、若い男を殺してしまい、7年間、服役。
 
夏川結衣の刑務所での面会シーンは、大きな見せ場だった。
勇作から離婚届を渡されて「(あなたは)結婚する時も強引だったし、何の相談もなく、離婚しろという」と涙ぐむシーンだ。夏川は、うまい。
 
濱田岳は、「ゴールデン・スランバー」で、ぴょんぴょん飛び跳ねるような、狂言回し的な役で印象に残るが、今回のドラマは、バスでやってきて、トイレに我慢が出来なくで、大騒ぎになるシーンから始まるが、まだ23歳というが、子役からの芸歴は古いようで、160センチの小柄を生かして表現力が豊かだ。好意を抱く朱美に対してのアプローチも、強引ながら、現代的な雰囲気がよく出ていた。若手の期待俳優の一人だろう。
 
内容がわかっていても、脚本を一部変えることで、新たな見所も随所にみられた。
 
遠藤憲一でんでんなどの脇役も出て、味わい深いドラマになっている。
DVDでも販売されるとのこと。
 
出演:
島勇作:阿部寛
小川朱美:堀北真希
花田欽也:濱田岳
島光枝:夏川結衣
小川早苗:荻野目慶子
山倉:遠藤憲一
洋介:水上剣星
田所:でんでん
照代:草笛光子
行商のあばちゃん:中村玉緒
渡辺署長:武田鉄矢
 
脚本・監修:山田洋次
脚本:尾崎将也
原作:ピート・ハミルゴーイング・ホーム」より
音楽:池頼広
演出:岩本仁志
制作協力:札幌テレビ
制作:日本テレビ・松竹