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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">「夏川結衣」・・・えくぼもチャーミングな女優。</span>


 
最近気になる女優の一人、夏川結衣
 
同じ「結衣」でも「新垣結衣」(=ガッキー)は若すぎる(?!爆)。
今年3月に放映された山田太一ドラマ「遠まわりの雨」の後遺症です。このドラマの脚本の素晴らしさで、セリフのやり取りと、ラストシーンの盛り上がりへの展開。
駅のホームで、想いが高まって「今だけ、恋に落ちよう?」とつぶやく夏川に、胸キュンのおじさんは多かったに違いない(爆)。KOされた・・・というのはfpdだけでなく・・・多分。
 
紹介記事はこちら:
 
このドラマがきっかけで、過去の作品探訪の旅が始まりました。
その第一弾が「歩いても 歩いても」。これがまた素晴らしい映画で、5月に続き、昨日は二度目の観賞を。
 
さらに、今観賞中なのが「結婚できない男」。阿部寛夏川結衣のコンビは、「歩いても 歩いても」と同じ。「結婚できない男」では、やはり気になる女優、高島礼子が出ているではないですか。この人は、主演級で、映画が撮れるのに、最近脇役が多いのはちょっと残念。高島で印象に残るのは、数年前の山崎豊子のドラマ「女系家族」の、どろどろした遺産相続争いの長女役で、凄味があった!
おっと、脱線。
 
夏川結衣の魅力は、笑ったときのえくぼ。
「歩いても 歩いても」では、夫を亡くして、子ども一人いたが再婚相手が阿部寛で、阿部の母親が樹木希林。阿部の実家に、法事で出かけるが、嫁と姑の関係がリアルに、繊細に描かれていた。姑が、息子の阿部にだけパジャマを用意しているのが気に入らず、すこしむくれる(笑)。姑のずけずけという物言いも再三におよび、ショックを覚えるが、表面上は平静を装う。
 
例えばこんなセリフ。
嫁(夏川)がたまには家で、夫とビールも飲むといったとき:
「昔は、嫁はビールのコップの底を見せなかったものよ。いまの人ときたら・・・。」
こぶつきの嫁(男の子が一人)だが、将来のことについて:
「どうなの、子供は。これから産んだところで、(前の子供と)ぎくしゃくすることになるから、産まないほうがいいかもね。」
 
「歩いても 歩いても」は、おじいちゃん(原田芳雄)、おばあちゃん(樹木希林)、長男(水におぼれた子供を助けたために、自分が犠牲になって死亡)、次男(阿部寛)とその奥さん(夏川結衣)、妹(YOU)とその夫と子供、おぼれて助けられた若者(15回忌まで毎年、訪れてきたが、樹木希林からは、来年も再来年も顔を見せてねと言われる)などが織りなす人間ドラマで、見る側の立場によって、それぞれ感情移入できる。
 
阿部寛の言動は良く理解できる。
夏川結衣も複雑だ。前の夫は、離婚ではなく、亡くなってしまったことで、今の子供にとっては、その父親との思い出が少ないものの、「(むかし)お父さんと、どこどこに行ったのを覚えてる」と親子の絆を忘れさせないようにしている。子供は、新しいお父さん(阿部寛)を「りょうちゃん」と呼ぶ。
 
夫の実家で、1泊する夏川と子供の会話が自然でいい。
「あなたの身体は、おとうさん半分とお母さん半分でできている」と説明すると、「じゃあ、りょうちゃんは?」と子供。「そうね、間にいれてあげようか」と夏川。「どこから」といったたわいのない会話だが、それを、途中から聞いた阿部が、「なんの話?」と興味を持って聞いてくる・・・のだが。
 
夏川結衣は、相手の話を聞いているときの、受けの表情が豊かだ。
3年後に、おじいちゃんが亡くなる。後を追うようにおばあちゃんも亡くなってしまう。
墓参りをする阿部寛一家。そこには、3人ではなく、小さな女の子もいた。
余韻の残る、素晴らしい映画だった。
 
最新作「孤高のメス」も観なくては・・・。
 
☆☆☆☆