fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「柳生一族の陰謀」(1978)・・・追悼:大原麗子</span>

柳生一族の陰謀」(1978)を15日、かつて劇場で観て以来30年ぶりに見ました。

先日亡くなった大原麗子さんが出演しており、ちょうど30歳前後で、絶頂期。
まさにその美しさが輝いていました。合掌。

深作欣二監督作品で、1970年代のはじめ「仁義なき戦い」シリーズで一世を風靡した後、
時代劇でも得意のバイオレンスが炸裂していた。

柳生十兵衛役の黒の眼帯の千葉真一のイメージが強かったくらいの印象だったが、再見して、徳川時代に、歴史に語られない実際に似たような事件が多々あり、“柳生一族の陰謀”も、決して存在しなかったとはいえない、といったメッセージが
こめられていた。


(画像に大原さんが出ていないのが残念!)

徳川二代将軍秀忠が江戸城大奥にて急死したところから物語は始まる。

大奥御典医では、食あたりによる中毒死として発表するが、その地位・権力を狙うものの毒殺では
ないかといううわさも流れ、三代将軍の座をめぐって、長男・次男の間で、争いが拡大していくのだった。

長男の家光(松方弘樹)を推す松平伊豆守(高橋悦史)は、今後の策を相談するため将軍家剣法指南役
柳生但馬守宗矩(萬屋錦之介)を訪ねた。この柳生但馬守こそが、策略に長けた黒幕。家光は、
自分がドモリで、顔のキズのハンデを感じて、すぐにあとを継ぐということには及び腰だった。

一方、亡くなった父親・秀忠は、次男の忠長(西郷輝彦)を溺愛して、自分の後継者に望んでいた。
しかし、柳生但馬守は、家光の跡継ぎを押し、家光にも言い含め、あらゆる手段を講じて、
次男・忠長の一派を封じ込めようと画策するのだった。

忠長は、一戦を混じえる覚悟であったが、信頼を寄せる大納言義直(三船敏郎)の説得で開城に
承知する。そして忠長は上州高崎へ配流された。数日後、家光襲撃は但馬守の陰謀であったとの報を
耳にした義直は、但馬守を問いただすが、彼は強く否定するのだった。

その直後、但馬守は息子又十郎に命じ、根来衆を惨殺させる。根来衆と十余年を共に過ごした
十兵衛(千葉真一)はそれを知り、父・但馬守への復讐の念に燃える。その怒りは三代将軍についた
家光の首をとることによって示された。

柳生一族の陰謀の渦中に展開した闘争も、但馬守と十兵衛の宿命の対決を迎えるに至った。
それはまさしく、徳川家の輝しい歴史の中に消えていこうとする、父と子の姿でもあった。

すべて思い通りに進んだと思った但馬守だったが、息子・十兵衛が、家光の首を、父親の前へ投げ出すと、但馬守は「こんなことはありえない。夢じゃ、夢じゃ」と狂ったように、家光の首を抱きかかえるのだった。

あまりにも衝撃的な幕切れで、ショックを覚えるが、現実には、徳川幕府は300年続いたという
ナレーションが流れ、その中でも、歴史の陰には、表に出てこない“柳生”の陰謀のような事件は、
あちこちで勃発していたと、締めくくられている。

時代劇は、あまり好みの範疇ではないですが、萬屋錦之介の時代がかったセリフ回しなど見所が
多かった。この映画には、千葉真一が主催するジャパン・アクション・クラブの若手スターであった
真田広之や、志保美悦子などが出演している。

作監督といえば「仁義なき戦い」だが、後には「蒲田行進曲」など、映画ファンを喜ばせる
作品も残していて、昭和後期を代表する監督の一人でしょうか。

キャスト(役名)

萬屋錦之介柳生但馬守宗矩)
松方弘樹徳川家光
西郷輝彦駿河大納言忠長)
山田五十鈴崇源院於江与)
千葉真一柳生十兵衛三厳)
矢吹二朗 (柳生左門友矩)
工藤堅太郎 (柳生又十郎宗冬)
志穂美悦子 (柳生茜)
金子信雄 (九条関白道房)
成田三樹夫 (鳥丸少将文麿)
高橋悦史 (松平伊豆守信綱)
芦田伸介 (土井大炊頭利勝)
中原早苗春日局
丹波哲郎 (小笠原玄信斎)
夏八木勲 (別木庄左衛門)
大原麗子出雲の阿国
原田芳雄名護屋山三郎)
室田日出男 (根来左源太)
真田広之 (ハヤテ)
中谷一郎 (天野刑部)
小林稔侍 (片禿)
角川春樹 (安藤右京之輔重長)
三船敏郎尾張大納言義直)


主な監督作品:

風来坊探偵 赤い谷の惨劇(1961年)
風来坊探偵 岬を渡る黒い風(1961年)
ファンキーハットの快男児(1961年)
ファンキーハットの快男児 二千万円の腕(1961年)
白昼の無頼漢(1961年)
誇り高き挑戦(1962年)
ギャング対Gメン(1962年)
ギャング同盟(1963年)
ジャコ萬と鉄(1964年)
狼と豚と人間(1964年)
脅迫(おどし)(1966年)
カミカゼ野郎 真昼の決斗(1966年)
北海の暴れ竜(1966年)
解散式(1967年)
博徒解散式(1968年)
黒蜥蜴(1968年)
恐喝こそわが人生(1968年)
ガンマー第3号 宇宙大作戦(1968年)
黒薔薇の館(1969年)
日本暴力団 組長(1969年)★★
血染の代紋(1970年)
君が若者なら(1970年)
トラ・トラ・トラ!(1970年) ☆☆☆
博徒外人部隊(1971年)
軍旗はためく下に(1972年) ☆☆☆☆
現代やくざ 人斬り与太(1972年)☆☆☆
人斬り与太 狂犬三兄弟(1972年) ☆☆☆
仁義なき戦い(1973年) ☆☆☆☆
仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年) ☆☆☆☆
仁義なき戦い 代理戦争(1973年) ☆☆☆
仁義なき戦い 頂上作戦(1974年)☆☆☆☆
仁義なき戦い 完結篇(1974年) ☆☆☆
新・仁義なき戦い(1974年) ★★
新・仁義なき戦い 組長の首(1975年) ★
新・仁義なき戦い 組長最後の日(1976年)
仁義の墓場(1975年)
県警対組織暴力(1975年)
資金源強奪(1975年)
暴走パニック 大激突(1976年)
やくざの墓場 くちなしの花(1976年)
北陸代理戦争(1977年)
ドーベルマン刑事(1977年)
柳生一族の陰謀(1978年)☆☆☆
宇宙からのメッセージ(1978年)
赤穂城断絶(1978年)
復活の日(1980年)
青春の門(1981年) ☆☆☆
魔界転生(1981年)
道頓堀川(1982年)
蒲田行進曲(1982年) ☆☆☆☆
人生劇場(1983年)
里見八犬伝(1983年)
上海バンスキング1984年)☆☆☆
火宅の人(1986年)
必殺4 恨みはらします(1987年)
華の乱(1988年、東映(京都))
いつかギラギラする日(1992年)
忠臣蔵外伝 四谷怪談(1994年)
おもちゃ(1999年)
バトル・ロワイアル(2000年)
バトル・ロワイアル 【特別篇】(2001年)
バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】(2003年)

深作作品お気に入りベスト5:

①「仁義なき戦い」(第1作)
②「軍旗はためく下に」
③「蒲田行進曲
④「仁義なき戦い」(第2作・広島死闘編)
⑤「仁義なき戦い」(第4作・頂上作戦)