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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「アルフレード アルフレード」(1973)

ハリウッドの人気俳優だったダスティン・ホフマンが、イタリア映画のコメディに出演して、話題となった。

 

監督は、「鉄道員」「刑事」などのシリアスものもあるが「イタリア式離婚狂想曲」といったコメディでも知られたピエトロ・ジェルミ

 

そして音楽は、カルロ・ルスティケリ(「ブーべの恋人」「刑事」など)。

 

 

共演は、ステファニア・サンドレッリ、カルラ・グラヴィーナなどイタリアを代表する女優。

 

ストーリー:

 

さえない男が、ある日、自分が熱愛していた女性から逆プロポーズを受け大喜び。
だが、結婚してみると彼女のあらばかりが目についてしまう・・・。

 

内気な男がたどる、結婚の悲喜劇を軽妙なタッチで綴ったコメディ。

 

とにかく気が弱く、そのため女性にもてない銀行員のアルフレード(D・ホフマン)だが、
薬局の美人店員マリア・ローザ(S・サンドレッリ)に恋をしてしまった。

 

恋は人をさらに弱気にするもの。

 

彼女の帰り道あたりを不安と焦操の念を抱いてウロウロするだけ。

 

 

そのうちに、アルフレードの友人で女の子にもててもてて仕方のないオレステ(D・D・
プレーテ)がマリアに眼をつけたからたまらない。

 

マリアの友達を混じえてデートということになったのだが、アルフレードのお目あてのマリアはオレステが独占し、彼はマリアの友達と猫の話にうつつを抜かすというだらしなさだった・・・。

 

しかし、奇跡は起こるもの。

 

ある夜、父親とテレビを観ているアルフレードにマリアから電話がかかってきたのだ。

 

あろうことか、マリアはアルフレードを熱愛していたのだった。

 

日頃、もてない男はそうなのだが、これが現実だとは思われないから、
世の中どこか狂っているのじゃないかと考えてしまう・・・。

 

マリア、昼夜を分かたずの電話攻勢(携帯電話のない時代=笑)、ラブレター攻勢。

 

さすがのアルフレードも音をあげ、すっかりやつれてしまうのだった・・・。

 

しかもマリアの両親も、マリアに輪をかけたようなエゴイスト。

 

アルフレードに冷たくされたと勘違いした彼女が自殺をはかった時は大騒ぎだった。

 

こうしてアルフレードはついに結婚させられる。

 

 

女というのは家庭に入ると、どうして倣慢で無知で恥しらずでバカになってしまうのか(映画での話です!)。マリアの場合、これはもう狂ってるとしかいいようがなかった。

 

マリアと両親で、そろってアルフレードを非難し、なじる。

 

家の外に飛びでたアルフレードは、ステキな恋人を見つけた。
その人カロリーナ(C・グラビナ)はマリアとは正反対のようにアルフレードには思えた。

 

知的で美人で、ひかえめで・・・-。カロリーナもアルフレードを好きになったようだ。

 

しかも、マリアの妊娠は、想像妊娠だと判ったため断然離婚を決意。

 

彼は“強い男"に変身したのだ。

 

それからのアルフレードは、実状を世論に訴え、精力的なキャンペーンを張って、ついに離婚を
勝ち取った。(イタリアでは離婚は認められていなかったのだ)。

 

そして、カロリーナとの理想的な結婚にゴールイン。

 

どころが、彼はちっとも嬉しくなかった。

 

カロリーナがマリアほど極端ではないにしろ徐々に変ってきたこと、マリアが親友オレステと腕を組んで楽しそりに街を歩いていたこと。

 

それよりも何よりも、アルフレードは結婚にウンザリしていたのだ。

 

式で神父に「イエス」と答えるアルフレードの眼は、マリアの時と同様、空ろだった(笑)。
タイトルの「アルフレード アルフレード」というのは、妻マリアのねこなで声で、子供ができればうまくいくと考えたマリアの ”誘う”声だった(爆)。

 

1960年代~70年代前半のイタリア映画は、充実していた時代だった。