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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ニュー・シネマ・パラダイス」(1989)完全オリジナル版見る。

ニュー・シネマ・パラダイス」(1989)がお気に入りという映画ファンは多い。
とくに、この「シネ・パラ」と「ライフ・イズ・ビューティフル」だ。
 
ニュー・シネマ・パラダイス」劇場版は一度見ていたのだが、完全オリジナル版というのは今回初めて見た。
 
ラストシーンの印象ばかり強く、記憶が定かでなかったが、サルバトーレ(トト)(ジャック・ぺラン)がエレナに再会したシーンがあるのがオリジナル版(ディレクターズ・カット)であるようだ。30年後のエレナに扮しているのが、「禁じられた遊び」の少女役だったブリジット・フォッセーだ。フォッセーは、アラン・ドロンの「さらば友よ」(1968)に出演している。
 
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映写技師のアルフレードは、映画好きの少年・トトが若者になったころに常々語っている。「(好きになる女性が)青い目だったら手ごわいぞ」と。しかしトトが、一目ぼれしてしまうのが、まさに清楚な青い目の裕福そうな家庭の女性だった。女性の親の猛反対で、別々に分かれてしまうが、30年の時を経て再会するのだが・・・。
 
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パラダイス座が、フィルムが燃えたために全焼してしまい、サッカーくじを当てた男の出資で、村の唯一の娯楽として、新しいパラダイス座”ニュー・シネマ・パラダイス”が誕生する。
 

 
イタリア・シチリアでは、老若男女、映画が好きで、新パラダイス座に集まってきて、映画を見て、泣き、笑い、感動する。古き良き時代ぶりが描かれている。
 
映画を運営していたのは教会のようで、神父がまず見て、キスシーンなどがあると、わいせつであるとして、鈴を鳴らし「カット」を促す。技師は、指摘された箇所に紙を挟み、カットする。
 
観客は、キスシーンなどがないので、欲求も募る。イタリアの映画館では、フィルムをまわす映写機が途中で止まったり、画面が分割され、ずれたりすると、観客から、ブーイングやクレームがある。
 
劇場の映写室の壁には「カサブランカ」(1942)のポスターなどが貼ってある。
劇場の周りの壁には「風と共に去りぬ」(1939)のポスターもある。
 

映写室の壁には「カサブランカ」のポスターが。
 
 
      劇場の外に貼ってあるポスターも雨風に当たって、色が落ちている。
 

             映写室の映画ポスター。
 
 
パラダイス座で上映される映画は、チャップリン(「街の灯」)であったり、ジャン・ギャバン主演の「どん底」(1936)、ジョン・ウエインの「駅馬車」(1939)、シチリアを舞台にしたルキノ・ヴィスコンティ監督の「揺れる大地」(1948、日本公開は1990)、ブリジット・バルドーの全裸シーンが登場した「素直な悪女」(1956)、アリダ・ヴァリ主演の「さすらい」まで登場する。
 
この「さすらい」の上映時期が、この映画のポイントの一つになっている。
 

映写技師になったトトにアルフレードは、フィルムの検査書は必ずとっておくようにと念を押していた。検査書が壁に何枚も重ねて張ってあった。
 
通常二度と読み返すことはなく、エレナが訪ねてきた映写室で、トトがいなかったため、検査書の裏に自身の連絡先をメモして書いておいたのだった。
 
しかし、トトはそれに気づかず、その上に紙を重ねてしまっていた。30年たってそのことを知らされ、懸命に探したところ「さすらい」の上映の時期だったことを思い出し、そのメモが出てきた。そこには、「細かいことは言えないが、引っ越しします。知人の住所を記しておきますので連絡ください。あなただけを愛しています」とあったのだった。
 
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エレナは、アルフレードからは、トトと別れたほうがいいと諭されていた。
トトが、学問も身に着けずに、自分と同じ映写技師の道を選ぶことに反対したのだった。
 
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サルバトーレ(トト)とエレナは30年後に再会し、そこで初めて、お互いの想いを確認した。運命の皮肉か・・といったところ。
 

ただ、エレナにとっては、アルフレードのアドバイスは正しかったと振り返る。
 
翌日、サルバトーレは、エレナに会おうと電話するが、「二人に将来はない、あるのは過去だけ。昨日のこともいい思い出として忘れましょう」と断られる。サルバトーレも、30年も経って未練たらしいな(笑)。
 
エレナの夫となっているのは、子供のころのトトの同級生の一人で、小学生当時、掛け算の九九もできず成績も悪いボッチャだった。女の先生からは、頭を黒板にぶつけられ、額にアザができて、それがずっと残ってしまう。
 
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ローマの映画スタジオに戻ったサルバトーレは、アルフレードが形見に残してくれたフィルムを見る。そこには、以前自分のために保管して置くと約束してくれた、(神父の検閲でカットされた)キスシーンばかりがつながれた映画だった・・・。
 
サルバトーレは、そのシーンを見て、涙ぐむのだった。感動的なラスト・シーンだ。
 
 映画の中に登場する数々の映画。
未見の映画も多く、1950年代のイタリア映画、フランス映画も見なくては・・・。
 
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