「オリエント急行殺人事件」(1974年、日本公開1975年5月)は、アガサ・クリスティ原作の
オールスターキャストによるミステリー/サスペンス映画の傑作。
監督は、「12人の怒れる男」「セルピコ」「ネットワーク」など社会派のシドニー・ルメット。
「犯人は必ずこの中にいる」的な密室劇映画の中でも「オリエント急行殺人事件」は、
意表をつく結末で、唸らせる。探偵ポワロを演じたアルバート・フィニーをはじめ、
オリエント急行の乗客メンバーの豪華なこと。いずれもが、いかにも疑わしそうな面々。
出演は、ジャクリーン・ビセット、アンソニー・パーキンス、マイケル・ヨーク、ローレン・バコー
ル、イングリッド・バーグマン、ショーン・コネリー、リチャード・ウィドマーク、ヴァネッサ・
レッドグレーヴ 、ジャン=ピエール・カッセル、レイチェル・ロバーツなど。すごい!!
深夜に雪のため立ち往生してしまったオリエント急行。その寝台車内で、アメリカの老人ラチェット
が殺害された。たまたま乗り合わせたポワロ探偵はいち早く事件を知らされる。どう考えても乗り
合わせた12人の乗客以外には犯人はありえなかった・・・。
一人また一人としらみつぶしに状況を聞く調査がはじまる。だが、それぞれの乗客のアリバイは
完璧だった。外の世界と断絶した緊迫した状況の中、矛盾する刺し傷とともにポワロの灰色の
脳細胞は悩みに悩む。
時は、1935年。イスタンブールからパリ経由でカレーに向かう大陸横断国際列車オリエント急行
には様々な乗客が乗っていた。その中には名探偵エルキュール・ポワロの姿もあった。
二日目の深夜、折りからの雪で線路が埋まり列車が立往生している中、ポワロの隣の客室にいた
アメリカ人富豪ラチェットが身体中を刃物で刺されて死んでいるのが発見される。鉄道会社からの
依頼で事件の究明に乗り出したポワロは、一等寝台の車掌と十二人の乗客たちの尋問を開始する
のだが・・・。
一番の見所は、豪華なキャスト。名優のオンパレード。
映画が10本くらい撮れそうな俳優たちだ。
演技合戦がわくわくもので、殺人に対して、皆動機がありそうで怪しいが、鉄壁のアリバイが
立ちはだかる。名探偵ポワロがいかにして、”犯人”を推理していくか、ゾクゾク(笑)。
オールスター・キャストによるクリスティ・ミステリーの映画化は、この後「ナイル殺人事件」
(78)、「クリスタル殺人事件」(80)、「地中海殺人事件」(82)、「ドーバー海峡殺人事件」
(84)、「死海殺人事件」(88)と続いている。
アガサ・クリスティ(1890~1976)は、「ミステリーの女王」といわれるイギリスを代表する
ミステリ作家。ベルギー生まれの名探偵エルキュール・ポアロが登場する「アクロイド殺人事件」
でデビュー。
このほかでは、「ABC殺人事件」「三幕の殺人」「ハーゼルムアの殺人」など、ポアロもののほか、 田舎住まいの詮索好きなおばあちゃんミス・マープルが登場するシリーズなど、膨大な作品を残して
いる。
シドニー・ルメットの主な作品:
「十二人の怒れる男」(1957) ☆☆☆☆
「女優志願 (1958)
「私はそんな女」 (1959) ☆☆☆
「蛇皮の服を着た男」 (1960)
「橋からの眺め」(1962)
「質屋」 (1964) ☆☆☆
「未知への飛行」(1964)
「丘」(1965)
「グループ」 (1966)
「約束」 (1969) ★★
「ショーン・コネリー/盗聴作戦」(1971)★★
「セルピコ」 (1973) ☆☆☆☆
「オリエント急行殺人事件」(1974)☆☆☆☆
「狼たちの午後」(1975)☆☆☆
「ネットワーク」(1976)☆☆☆
「ウイズ」 (1978)
「エクウス」(1978)
「プリンス・オブ・シティ」(1981)
「デストラップ・死の罠」 (1982)
「評決」(1982)
「ガルボトーク/夢のつづきは夢(1984)
「キングの報酬」(1986)
「モーニングアフター」(1986)
「旅立ちの時」(1988)
「ファミリービジネス」(1989)
「Q&A」(1990)
「刑事エデン/追跡者」(1992)
「ギルティ/罪深き罪」(1993)
「NY検事局」(1997)
「グロリア」(1999)★★
社会派の監督で、いい作品を残していますが、とくに、「12人の怒れる男」「セルピコ」
「狼たちの午後」あたりが印象に残ります。
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